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準備
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したく
ふりがな文庫
“
準備
(
したく
)” の例文
もう
明日
(
あす
)
の朝の
準備
(
したく
)
をしてしまって、
膳
(
ぜん
)
さきの二合を
嘗
(
な
)
めるようにして飲んでいた
主翁
(
ていしゅ
)
は、
盃
(
さかずき
)
を持ったなりに土間の方へ目をやった。
黄灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
『十五日は、両使、増上寺へ
御参詣
(
ごさんけい
)
の日であるぞ。諸事、
準備
(
したく
)
はよろしいか。明十三日、高家の下検分があろう。手ぬかりするなよ』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は町の方へ家を移そうと考えた。そのゴチャゴチャした響の中で、心を
紛
(
まぎらわ
)
したり、新規な仕事の
準備
(
したく
)
に取掛ったりしようと考えた。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
若者
(
わかもの
)
は
快
(
こころよ
)
く
引
(
ひ
)
き
受
(
う
)
け、
直
(
ただ
)
ちにその
準備
(
したく
)
にかかりました。
尤
(
もっと
)
も
準備
(
したく
)
と
言
(
い
)
っても
別
(
べつ
)
にそううるさい
手続
(
てつづき
)
のあるのでも
何
(
なん
)
でもございませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
と返辞して大囲炉裏の前に、蝋燭を立て、猟士や宿の人たちと、車座になって飯を済ます、
準備
(
したく
)
も整って出かけると、雨になった。
梓川の上流
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
▼ もっと見る
隣の老人は何の
準備
(
したく
)
もして来なかつた。酒も飯も黙つて御馳走になつて居た。それも困つて居るからだと主婦は思つて居た。
朝
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
荷馬車はもう
準備
(
したく
)
が出来てゐて、権作は
嬶
(
かかあ
)
に何やら口小言を言ひながら、脚の太い
黒馬
(
あを
)
を曳き出して来て馬車に繋いでゐた。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ロレ
先
(
ま
)
づ
奧
(
おく
)
に
入
(
い
)
らせられい。……
内室
(
おくがた
)
も一しょに
入
(
い
)
らせられい。……パリスどのにも。……
何
(
いづ
)
れも
亡姫
(
なきひめ
)
の
隨行
(
とも
)
をして
墓場
(
はかば
)
へ
行
(
ゆ
)
く
準備
(
したく
)
をなされ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
昼間のうちに、あんな
準備
(
したく
)
をしておいて、夜になって、交通その他の活動が鈍くなるころに、この静かな暗い穴倉で、望遠鏡の中から、あの目玉のようなものをのぞくのです。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
暴風雨のために
準備
(
したく
)
狂いし落成式もいよいよ済みし日、上人わざわざ源太を
召
(
よ
)
びたまいて十兵衛とともに塔に上られ、心あって
雛僧
(
こぞう
)
に持たせられしお筆に
墨汁
(
すみ
)
したたか含ませ
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
子供達はお宮の森の、とある広ツぱへ集つて、いろいろとお祭のお
準備
(
したく
)
をしてゐました。
女王
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
「そうそう、
有理
(
もっとも
)
だ、すぐ
準備
(
したく
)
をしてくれ。ジャンや、お前も一緒に食べるがいい」
父
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
のみならず、結納まで済んだ話が、寝返りを打たれそうになっている事なぞはツイこの頃まで気付かずにおったらしく、騒動の起ったその日までコツコツと祝言の
準備
(
したく
)
をしておった様子。
狂歌師赤猪口兵衛:博多名物非人探偵
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
私の乳母さえも年役に、若い女のともすれば騒ぎたがるのを
叱
(
しか
)
りながらそわそわ立ち働いていて私をば顧みることが少なくなった。出産の
準備
(
したく
)
に混乱した家の中で私は
孤独
(
ひとり
)
をつくづく淋しいと思った。
山の手の子
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
これはそれまでにめいめいその
準備
(
したく
)
をしていることではあるが、持合せのないもの、または当夜に限って必要なもの、たとえば槍、
薙刀
(
なぎなた
)
、弓矢の類を始めとして、
斧
(
おの
)
、
鎹
(
かすがい
)
、
玄能
(
げんのう
)
、
懸矢
(
かけや
)
、
竹梯子
(
たけばしご
)
、
細引
(
ほそびき
)
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
「それから、三十分位の演説だつたら、先づ用意に一週間といふ所です。もしか
喋舌
(
しやべ
)
れるだけ喋舌つてもいいといふのだつたら、それには
準備
(
したく
)
なぞ少しも要りません。今直ぐにと言つて、直ぐにでも喋舌れます。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
家を持つ
準備
(
したく
)
をする為には、
定
(
きま
)
った収入のある道を取らなければ成らなかった。彼は学校教師の口でも探すように余儀なくされた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
酒宴
(
さかもり
)
の
準備
(
したく
)
をして
数多
(
たくさん
)
の料理を卓の上へ並べた室が見えた。元振はその室の入口へ立って中を窺いた。そこにも人影がなかった。
殺神記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
『
明日
(
あす
)
は
大楠山
(
おおくすやま
)
の
巻狩
(
まきが
)
りじゃ』などと
布達
(
おふれ
)
が
出
(
で
)
ると、
乗馬
(
じょうば
)
の
手入
(
てい
)
れ、
兵糧
(
へいろう
)
の
準備
(
したく
)
、
狩子
(
かりこ
)
の
勢揃
(
せいぞろ
)
い、まるで
戦争
(
いくさ
)
のような
大騒
(
おおさわ
)
ぎでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
今しもその、五六軒
彼方
(
かなた
)
の加藤医院へ、
晩餐
(
ゆふめし
)
の
準備
(
したく
)
の豆腐でも買つて来たらしい白い前掛の
下婢
(
げぢよ
)
が
急足
(
いそぎあし
)
に入つて行つた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「さてはみずから火を放って、城兵のこらず一手となり、城を出て斬り死にせんの
準備
(
したく
)
と見ゆるぞ」
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
氷も菓子も
麦酒
(
びいる
)
も
饂飩
(
うどん
)
も売る。ちょっとした昼飯ぐらいは食わせる
準備
(
したく
)
もできている。浪花節も昼一度夜一度あるという。この二三日
梅雨
(
つゆ
)
があがって暑くなったので非常に客があると聞いた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
そうして
翌
(
あく
)
る朝、まだ太陽の出ないうちに
種々
(
いろいろ
)
の
準備
(
したく
)
をすっかり整えまして、一ツの船には布で巻いた二人の潜り手、それからもう一ツの船には長い綱を積み、それから村中有り
限
(
き
)
りの船を皆
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
暴風雨のために
準備
(
したく
)
狂ひし落成式もいよ/\済みし日、上人わざ/\源太を
召
(
よ
)
び玉ひて十兵衞と共に塔に上られ、心あつて
雛僧
(
こぞう
)
に持たせられし御筆に
墨汁
(
すみ
)
したゝか含ませ、我此塔に銘じて得させむ
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
復た彼は旅の
準備
(
したく
)
にいそがしかった。彼は小泉の家から離れようとした。別に彼は彼だけの新しい粗末な家を作ろうと思い立った。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
皆が黙っているうちに
準備
(
したく
)
が出来て、幡半の婢がそれぞれ皆、前へ肴を執りわけてくれたが、それもやっぱり五人前であった。
とんだ屋の客
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
お八重は、もう
全然
(
すつかり
)
準備
(
したく
)
が出來たといふ事で、今其風呂敷包は三つとも持出して來たが、
此家
(
こゝ
)
の入口の暗い土間に隱して置いて入つたと言ふ事であつた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『
現界
(
げんかい
)
ではいよいよ
御霊鎮
(
みたましず
)
めの
儀
(
ぎ
)
に
取
(
と
)
りかかった。そなたはすぐにその
準備
(
したく
)
にかかるように……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
船の
準備
(
したく
)
がやがて出来た。
朝
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
夕飯の後、蓮華寺では説教の
準備
(
したく
)
を為るので
多忙
(
いそが
)
しかつた。昔からの
習慣
(
ならはし
)
として、定紋つけた
大提灯
(
おほぢやうちん
)
がいくつとなく取出された。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼女は小半時も其処に坐ってから、やっと夕飯の
準備
(
したく
)
にかかった。微暗くなった
竈
(
へっつい
)
の下には、火がちょろちょろと燃えた。
地獄の使
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
お八重は、もう
全然
(
すつかり
)
準備
(
したく
)
が出来たといふ事で、今其風呂敷包は三つとも持出して来たが、
此家
(
ここ
)
の入口の暗い土間に隠して置いて入つたと言ふ事であつた。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
侍女や
媼
(
ばあや
)
達が集まってきて酒の
準備
(
したく
)
をした。そこで広い
牀
(
とこ
)
の上に小さな几を据えて二人がさし向いで酒もりをした。魚は
竹青
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
『あゝ日が
照
(
あた
)
つて来た、』と音作は喜んで、『
先刻
(
さつき
)
迄は雪模様でしたが、こりや好い
塩梅
(
あんばい
)
だ。』斯う言ひ乍ら、弟と一緒に年貢の
準備
(
したく
)
を始めた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
その宿直室には、校長の安藤が家族——
妻
(
さい
)
と二人の小供——と共に住んでゐる。
朝飯
(
あさめし
)
の
準備
(
したく
)
が今
漸々
(
やうやう
)
出来たところと見えて、茶碗や皿を
食卓
(
ちやぶだい
)
に並べる音が聞える。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
準備
(
したく
)
が出来ると老人はそれを焦生にすすめた。女の子は母の傍に坐っていた。若い焦生は女の子の方に心をやっていた。
虎媛
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
代議士の候補者に立つものは、そろ/\政見を発表する為に忙しくなる時節。いづれ是人も、選挙の
準備
(
したく
)
として、地方廻りに出掛けるのであらう。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
家に歸ると、母は勝手に手ランプを點けて、夕餉の
準備
(
したく
)
に急はしく立働いてゐた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
客は皆起きて出発の
準備
(
したく
)
をしはじめた。ちょっとの間うとうととしていた季和は、その物音に気が
注
(
つ
)
いて起きた。
蕎麦餅
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
三吉は兄に金を
費
(
つか
)
わせることを心苦しく思った。結婚の
準備
(
したく
)
もなるべく簡単にしたい、借金してまで体裁をつくろう必要は無い、と思った。小泉実はそれでは済まされなかった。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
『怎してつて、
昨晩
(
ゆべな
)
聞いだら、源助さん
明後日
(
あさつて
)
立つで、早く
準備
(
したく
)
せツてゐだす。』
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
女は迎えに出てきた
婢
(
じょちゅう
)
に言いつけて酒の
準備
(
したく
)
をさした。女はすこし離れている間に濃艶な女になっていて、元のようなおどおどした可憐な姿はなかった。
荷花公主
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
この縁談が
纏
(
まと
)
まるにつけても、お俊の親に成るものは森彦と三吉より他に無かった。森彦の発議で、二人はお俊の為に互に金を出し合って、一通りの結婚の
準備
(
したく
)
をさせることにした。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
『怎してつて、
昨晩
(
ゆべな
)
聞いたら、源助さん
明後日
(
あさつて
)
立つで、早く
準備
(
したく
)
せツてゐたす。』
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「皆彼方へ往って、客人を
饗応
(
もてな
)
す
準備
(
したく
)
をするが好い、客人にはそれまでに、ちょっと御目にかけるものがある」
人面瘡物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
何等の遠い
慮
(
おもんぱかり
)
もなく、何等の
準備
(
したく
)
もなく、ただただ身の行末を思い煩うような有様をして、今にも地に沈むかと疑われるばかりの不規則な力の無い歩みを運びながら、洋服で腕組みしたり
並木
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
此一瞬からである、『パペ、サタン、パペ、サタン、アレツペ』の声の
礑
(
はた
)
と許り聞えずなつたのは。女教師は黙つて校長の顔を見て居る。首席訓導はグイと身体をもぢつて、煙草を吸ふ
準備
(
したく
)
をする。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「こうして御厄介をかけるうえは、拙者の身のうえも、病気の原因も打ち開ける所存でござるが、まあまあ、其処許がゆっくり
準備
(
したく
)
を済ましてからにしよう」
人面瘡物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
お町はもう
起
(
た
)
っていた。お町は一方の戸棚を
啓
(
あ
)
けて
準備
(
したく
)
にかかった。広巳はそのままぼんやりとしていた。
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
小八は風呂敷包の中から着更の
単衣
(
ひとえ
)
を出してそれを着、手荷物や笠などはその儘にして出かけようとする時、小八の
準備
(
したく
)
するのを黙って見ていた主翁が口を出した。
立山の亡者宿
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
準
常用漢字
小5
部首:⽔
13画
備
常用漢字
小5
部首:⼈
12画
“準備”で始まる語句
準備中
準備説明