-
トップ
>
-
あつぱ
故郷は
靜岡の
流石に
士族出だけ
人品高尚にて
男振申
分なく、
才あり
學あり
天晴れの
人物、
今こそ
内科の
助手といへども
行末の
望みは十
指のさす
處なるを
無論、
妻は
大佐の
病氣次第で
早かれ
遲かれ
歸つて
來ますが、
兒は
永く/\——
日本帝國の
天晴れ
軍人として
世に
立つまでは、
芙蓉の
峯の
麓を
去らせぬ
積です。
進み
遖れなる山内先生の御
眼力恐入たり左樣に
星を
指て仰らるゝ上は
包み
隱すに
益なし此上は
有體に申べし實に
斯樣なりと
大望を企てし一
部始終落なく物
語り此上は
何卒先生の
知略を
述けるに亭主も此程
鈴ヶ
森にての
敵討の事此邊迄
隱れなく
遖れ
御本望を達せられし
段先々大悦なりと
祝し
倶に悦び其夜は
酒肴など出して種々に
待遇けるにぞ友次郎等は以前に
異らぬ
主の
侠氣を