“てんせい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
天性39.3%
点睛35.7%
恬静7.1%
天星3.6%
天晴3.6%
天精3.6%
天靖3.6%
点晴3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
成程なるほど一家いつかうちに、體の弱い陰氣な人間がゐたら、はたの者は面白くないにきまツてゐる。だが、虚弱きよじやくなのも陰欝いんうつなのも天性てんせいなら仕方がないぢやないか。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
そして、それからどのくらい経ってか、彼はこの情景の点睛てんせいともいうべき声を聞いたのである。
嘘アつかねえ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
知らず知らずにクリストフは芸術において、実際以上にドイツ的だった。パリーのある音楽の快楽的な恬静てんせいさに対抗して、彼は激しい意志を、雄々しい健全な悲観思想を称揚していた。
遠い天星てんせいの青光りが、ギラッとつづらの側によれ合った。一方のつづらへは有村の剣! ひとつのほうへは天堂一角が、今にも突き出さんとめ澄ます光鋩こうぼう
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しその薄黒く潮風に吹きさらされた角窓のうちに一人物を画き足したなら死竜しりょうたちまきて天にのぼるのである。天晴てんせいに比すべきものは何人なんびとであろう、ウィリアムは聞かんでもく知っている。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「採薬遇天晴。青籃掛杖行。途平蓬野濶。苔滑石橋横。林薄荷鑱入。池塘洗艸清。吾家間事業。不是学長生。」第一には天精てんせいがある。天精は地骨皮ちこつひの別名である。晴は精と通ずる。第二には藍がある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
紀井から大和と、次第に北朝軍の手の届かない奥吉野の山間僻地へきちのがれ、一の宮を自天王とあがめ、二の宮を征夷せいい大将軍たいしょうぐんあおいで、年号を天靖てんせいと改元し
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
玄関の軒下に大きなひのきの一枚板に、緑色の文字で、点晴てんせいと書いてあつた。硝子戸は開かれ、沢山の下駄がずらりとタイルの床に並んでゐる。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)