恬静てんせい)” の例文
内典を知るも、りょうの武帝の如く淫溺いんできせず、又老子ろうしを愛し、恬静てんせいを喜び、みずから道徳経註どうとくけいちゅう二巻をせんし、解縉かいしんをして、上疏じょうその中に、学の純ならざるをそしらしむるに至りたるも
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
知らず知らずにクリストフは芸術において、実際以上にドイツ的だった。パリーのある音楽の快楽的な恬静てんせいさに対抗して、彼は激しい意志を、雄々しい健全な悲観思想を称揚していた。