そん)” の例文
まっしろゆきのようなはなさ。それが満開まんかい時分じぶんはちょうど、一そん銀世界ぎんせかいとなる。中国ちゅうごくのいなかには、すももばかりのむらがあるよ。
春さきの朝のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
百石ひやくこくでも別當べつたうはこの土地とち領主りやうしゆで、御前ごぜんばれてゐた。した代官だいくわんがあつて、領所りやうしよ三ヶそん政治せいぢつてゐた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
むすめ訶良媛からひめはお約束のとおりかならずあなたにさしあげます。また五かそんの私の領地も、娘にえて献上けんじょういたします。ただどうぞ、今しばらくお待ちくださいまし。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
しな百姓ひやくしやう隙間すきまにはむらから豆腐とうふ仕入しいれてては二三ヶそんあるいてるのがれいである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
此一家このいつかものすべて篤実とくじつなれば耕織かうしよく勤行よくつとめ小農夫こびやくしやうなれどもまづしからず、善男よきせがれをもち良娵よきよめをむかへ好孫よきまごをまうけたりとて一そんの人々つねうらやみけり。かゝる善人ぜんにんいへに天わざはひくだししは如何いかんぞや。
村の若い者が借りて来て八ヶそん九ヶそんをこれ見よとわめいて歩行あるいたものでしょう。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
馬籠まごめむらはづれには、すぎえたさはさかひにしまして、べつたうげといふ名前なまへちいさなむらがあります。このたうげに、馬籠まごめに、湯舟澤ゆぶねざはと、それだけのさんそん一緒いつしよにして神坂村みさかむらひました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
彼ら一そんの一ト旗組も、地理に明るいところから、夜来やらい、幕軍の落人狩おちゅうどがりの犬となって、あちこち獲物を求め歩いていたが、いま神童子越えのあざ“岩間”の山中まで来ると、先を歩いていた仲間が
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
植物学の大家として世界に其名を響かせていた理学博士のコックニー氏が阿弗利加アフリカ大陸の探検をえて自分の故郷のカンタブリアそんへ自分の息子のバルビューと一緒に永住の覚悟で移転して来たのは
物凄き人喰い花の怪 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一日にそんを受持ち
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
「わずか十里の郊外、七ほうそんと申す静かなところですが」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)