“夜来”の読み方と例文
旧字:夜來
読み方割合
やらい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
中務ノ宮は、奈良街道をふたたび馬にムチ打って、南都東南院の法務聖尋しょうじんの許へ、夜来やらいのてんまつ、並びに、勅のお旨をつたえに馳せた。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一切も綺麗きれいに始末されていた。其所そこいらにはよごものの影さえ見えなかった。夜来やらいの記憶は跡方もない夢らしく見えた。彼は産婆の方を向いた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
事件急迫のために、宿直室で雑魚寝ざこねをしていた係官一同は「カフェ・ネオンに第三の犠牲者現わる」という急報に叩き起されて、夜来やらいの睡眠不足も一時にどこへやら消しとんでしまった。
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)