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真個
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ほんとう
ふりがな文庫
“
真個
(
ほんとう
)” の例文
旧字:
眞個
ですけれど、あの、お
手
(
て
)
で
招
(
まね
)
かれたら、
懐中
(
ふところ
)
へなら
尚
(
なほ
)
の
事
(
こと
)
だし、
冥土
(
めいど
)
へでも、
何処
(
どこ
)
へでも
行
(
ゆ
)
きかねやしますまい……と
真個
(
ほんとう
)
に
思
(
おも
)
ひました。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一つは、その為だが、二つには、領民のために、三つには、武士道のために——
奢
(
おご
)
っている天下の人心を醒まして、ここに、
真個
(
ほんとう
)
の武士あることを知らせるのだ
三人の相馬大作
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
「師範学校? 師範学校とは少し変だな。」私は、女がまた出鱈目を云っているのか、それとも、そう思っているのか、と、
真個
(
ほんとう
)
に教育の
有無
(
あるなし
)
をも考えて見た。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
……この本名の判らない男こそ
真個
(
ほんとう
)
の「
暗黒公使
(
ダーク・ミニスター
)
」である……大和民族の危機を救うべく、世界を跨にかけて活躍奮闘している孤独のダーク・ミニスターである。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
彼を釘抜と呼ばしめた
真個
(
ほんとう
)
の原因であったかもしれないが、本人の藤吉は、その名をひそかに誇りにしているらしく、身内の者どもは、藤吉の
鳩尾
(
みぞおち
)
に松葉のような
釘抜藤吉捕物覚書:13 宙に浮く屍骸
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
同い年で小学校を卒業し、同い年で同じ学校に入り、両人は
真個
(
ほんとう
)
の仲よしで行く筈なのでした。
いとこ同志
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「これからは
真個
(
ほんとう
)
に慈母さんの言事を聴いて、モウ
余
(
あんま
)
り文三と口なんぞお聞きでないよ」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
真個
(
ほんとう
)
の意味での彼の理解では、絵の主題の上では社会的意義の分析に立脚することと、彼の制作の専門的な理解の意味に於いては、彼の制作法の科学的な分析に入つてもよい時代ではないかと思ふ。
小熊秀雄全集-19:美術論・画論
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
「そりゃ
真個
(
ほんとう
)
か!」
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
(
貴僧
(
あなた
)
は
真個
(
ほんとう
)
にお
優
(
やさ
)
しい。)といつて、
得
(
え
)
も
謂
(
い
)
はれぬ
色
(
いろ
)
を
目
(
め
)
に
湛
(
たゝ
)
へて、ぢつと
見
(
み
)
た。
私
(
わし
)
も
首
(
かうべ
)
を
低
(
た
)
れた、むかふでも
差俯向
(
さしうつむ
)
く。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
昏迷
(
こんめい
)
せずにおられましょうか。……ロマノフ、ホルスタイン、ゴットルブ家の
真個
(
ほんとう
)
の末路……。
死後の恋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「……私また吉村が可哀そうになって了った。……昨日、手紙を読んで私
真個
(
ほんとう
)
に泣いたよ。」と、率直に、此の間と打って変って今晩は、
染々
(
しみじみ
)
と吉村を可哀そうな者に言う。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「
真個
(
ほんとう
)
に本田さんは憤ッて来ないのだろうか?」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
あら、
真個
(
ほんとう
)
だ、
串戯
(
じょうだん
)
じゃないわ、叔母さん、こたまだ、こたまだッて鳴いてるわね、中でも大きな声なのねえ、叔母さん。
遺稿:02 遺稿
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「男というものは
真個
(
ほんとう
)
に可笑いよ。細君があれば、あると言って了ったら好さそうなものに此方で、『あなた、奥様があって?』と聞くと、大抵の人があっても無いというよ。」
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
精神病に関する
真個
(
ほんとう
)
の科学的研究がやって行けないのは
恰
(
あたか
)
も、人間が一個の動物に過ぎないという見地に立脚しなければ、すべての医学の研究が遂げられないのと同じ事なんだから止むを得ない。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「
真個
(
ほんとう
)
」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
其
(
それ
)
を
見
(
み
)
たい
為
(
ため
)
に、
独
(
ひと
)
り
恁
(
か
)
うやつて
構
(
かま
)
へて
居
(
ゐ
)
る、……とお
話
(
はなし
)
があつたやうに、
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
坊主
(
ばうず
)
から
聞
(
き
)
いたんです……それは
真個
(
ほんとう
)
の
事
(
こと
)
ですか?
老爺
(
おぢい
)
さん。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
もし、そんなことが、
真個
(
ほんとう
)
にある
処
(
ところ
)
なら、
生命
(
いのち
)
がけだつてねえ、一度来て見ずには居られないとは思ひませんか。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ちょっと、通りがかりでは、こういう
処
(
ところ
)
が、こちらにあろうとは思われませんね。
真個
(
ほんとう
)
に
佳
(
い
)
い御堂ですね、」
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其
(
そ
)
ん
時
(
とき
)
はい、
其
(
そ
)
の
影
(
かげ
)
が、
城
(
じやう
)
ヶ
沼
(
ぬま
)
へ
歴然
(
あり/\
)
と
映
(
うつ
)
つて、
空
(
そら
)
が
真黒
(
まつくろ
)
に
成
(
な
)
つたと
言
(
い
)
ふだ。……
其
(
それ
)
さ
真個
(
ほんとう
)
か
何
(
ど
)
うか
分
(
わか
)
らねども、お
天守
(
てんしゆ
)
の
棟
(
むね
)
は、
今以
(
いまも
)
つて
明
(
あきら
)
かに
映
(
うつ
)
るだね。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ね——
義兄
(
にい
)
さん、……お
可哀相
(
かあいさう
)
は、
最
(
も
)
う
疾
(
とつ
)
くのむかし
通越
(
とほりこ
)
して、あんな
綺麗
(
きれい
)
な
方
(
かた
)
が
最
(
も
)
うおなくなんなさるかと
思
(
おも
)
ふと、
真個
(
ほんとう
)
に
可惜
(
あつたら
)
ものでならないんですもの。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
真個
(
ほんとう
)
に寝ていたのかと思うと、そうでありません。つがいが飛んだのを見ると、
明
(
あきらか
)
に
眼
(
まなこ
)
を活かして、棚のパナマ帽を取って、フッと埃を窓の外へ
弾
(
はじ
)
きながら
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
口惜
(
くや
)
しい、
畜生
(
ちくしやう
)
め、
獣
(
けだもの
)
め、ト
始終
(
しじう
)
さう
思
(
おも
)
つて、五
年
(
ねん
)
も八
年
(
ねん
)
も
経
(
た
)
たなければ、
真個
(
ほんとう
)
に
分
(
わか
)
ることではない、
覚
(
おぼ
)
えられることではないんださうで、お
亡
(
なく
)
んなすつた
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
巫女
(
いちこ
)
の
言
(
いい
)
ぐさではありませんが、(からのかがみ)と云った方が、
真個
(
ほんとう
)
は、ここに
配合
(
うつり
)
が
可
(
よ
)
いのですが、探した処で
磨
(
と
)
がないでは、それだと顔がうつりません。
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
真個
(
ほんとう
)
にそうなりましたら、どうしましょう。お
庇様
(
かげさま
)
で
助
(
たすか
)
りましてございますよ。ありがとう存じます。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
或時
(
あるとき
)
も、また雪のために一日
形
(
かたち
)
を見せないから、……
真個
(
ほんとう
)
の事だが案じていると、次の朝の事である。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
真個
(
ほんとう
)
はこの作家のものなどは、机に向って拝見をすべきであろうが、温泉宿の昼間、
掻巻
(
かいまき
)
を掛けて、じだらくで失礼をしていても、
誰
(
たれ
)
も
叱言
(
こごと
)
をいわない処がありがたい。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
貴下
(
あなた
)
、
真個
(
ほんとう
)
に未来というものはありますものでございましょうか知ら。」
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「そんな御義理を遊ばしちゃ、それじゃ私申訳がありません。それで無くってさえ、お通りがかりをお呼び申して、
真個
(
ほんとう
)
に
不躾
(
ぶしつけ
)
だ、と極りが悪うございましてね、
赫々
(
かっかっ
)
逆上
(
のぼせ
)
ますほどなんですもの。」
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
が深く堅く目を
瞑
(
つぶ
)
っていると思いつつ……それが病気で、
真個
(
ほんとう
)
は薄目を明けているのかも
計
(
はか
)
られない、と、身だしなみを、恥かしくないまでに、坐ってカタカタと箪笥をあけて、きものを着かえて
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「へ、へ、
私
(
わし
)
あまた。
真個
(
ほんとう
)
の
草葉
(
くさつぱ
)
の
花
(
はな
)
かと
思
(
おも
)
つたゞ、」
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
真個
(
ほんとう
)
の事を言ひませうか、私は人間ではないの。」
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
(
真個
(
ほんとう
)
なら、
其処
(
そこ
)
で死ななければならんのでした、)
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
真個
(
ほんとう
)
だよ、君。」
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
真個
(
ほんとう
)
だわ。」
光籃
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
真
常用漢字
小3
部首:⽬
10画
個
常用漢字
小5
部首:⼈
10画
“真”で始まる語句
真
真似
真面目
真実
真直
真中
真紅
真暗
真赤
真鍮