)” の例文
ただどこかで先程から、こーん、こーん、と凍っている夜空にひびくきぬたの音がある。それをてに二人は歩いて、ようやく一つの明りを見た。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そういう先のてがどことなく心を急がしているので、せっかくN君の東道に立ってくれた鷹ヶ峰の門前町の跡も、光悦寺から見た光悦蒔絵そのままな野趣も、鷹ヶ峰だけにできて他にはできない
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
焚火たきびほのおはいよいよさかんであるし、明日のてもついたというわけなので天城四郎初め元気づいて、なお蛮歌と乱舞をそれからも夜の四更しこうにかけて続けていたが、やがて見張役の下っ端が、遠くから
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)