こう)” の例文
廻しているし、第一、中洲がだね、二三度、その店へきながら、糸こうのうわさなぞをしないらしいのは、おかしいじゃないか。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「そう、そう、そう来るだろうと思ったんだ。が、こうなれば刺違えても今更糸こうに譲って、指をくわえて、引込ひっこみはしない。」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わっしにゃ素直だから可愛いんですがね。どうだこう改って言われちゃあ余り見ッともいこッちゃあるめえ、ちっと気をつけるがいぜ、え、愛こう。」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
い気なことを言ってらあ、おめえ母親おふくろは死んでやしねえじゃないか、父爺ちゃんの敵なら中気だろう、それとも母親おふくろなら、愛こう、お前がその当の敵だい。」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……同時に、時々の出入りとまでしばしばでなくても、同門の友輩ともだちで知合ってる糸こうが、少くとも、岡惚れを。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
こうめ、ならぶるなと、藁草履踏みしだいて、叱々とゆふぐれ時、イヤ我ながら馬士うまかためいたり。
逗子より (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
下剃のこの愛こうを団扇であおぐだろうじゃねえか。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)