凝結かたま)” の例文
夏は血を出さないと早く腐敗する。かつ肉の間へ血が凝結かたまって色も悪くなる。夏でもほふった日に料理しては味が悪い。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
第七十二 林檎のゼリー 前の通りに煮て出たつゆ布巾ふきんで漉してまた四十分間湯煎ゆせんにして四角な器へ入れて二、三日置くと自然と凝結かたまってゼリーになります。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
牛乳ばかりガブ飲みにするのは健全な人にも良くないよ。水分が腹へ溜まってダブダブするし、お負けに先刻さっき話した通り腹の中で酸類に逢うと凝結かたまって消化が悪い。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
折角せっかくの御馳走が冷めてしまって脂肪分が白く皿の上へ凝結かたまってとても二口と食べられたものでない。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
西洋人が珍重ちんちょうするのは血のソースで煮た兎といいまして兎を切る時大切に心臓の近所の血をしぼり取ります。日数を経たものは凝結かたまっていますが一羽の兎から五勺位出ます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
それを料理に使ったり菓子に使ったりしますが一旦泡立てたものをそのまま構わず、四十分間も泡立てていると今度はその泡が消えて段々固く凝結かたまって水分と別れて来ます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
くびは筋だけ抜いて頸の料理が出来るし、のどって出した血も酒の中へらして掻き混ぜておくと凝結かたまらないから色々の料理に使う。板の上へ血を滴らすとぐ凝結って役に立たんよ。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)