)” の例文
新字:
わがくにける三階建さんがいだて勿論もちろん二階建にかいだて大抵たいてい各階かくかいはしらとこ部分ぶぶんおいがれてある。すなはとほはしらもちひないで大神樂造だいかぐらづくりにしてある。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
「お島が死んでしまへば、他人の私は此家から出る外はありません。寶屋の後をぐのは遠縁の者でも、改めて養子に入れることでせう」
かれ鬼怒川きぬがは高瀬船たかせぶね船頭せんどう衣物きものかとおもやうくも/\ぎだらけな、それも自分じぶんつくろつて清潔きれいあらざらした仕事衣しごとぎ裾長すそなが
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そこで月代をした上へ引火奴ほくちを黒々と糊で貼り付けて出ると、一通りの調べが濟んでから、代官ががみしも衣紋えもんを正して
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
我もさきの夜出逢ひしが、才氣ある好男子と思はれたり。想ふに情夫先づ來りて、アヌンチヤタもいで至るにはあらずや。
「そこであなたは直ぐさま財産を受けげます。財産は皆英國の公債に委任してあるのです。遺言書と必要な書類はブリッグスが持つてゐます。」
そのからは、一かう珍品ちんぴんぬ。破片はへんおほいけれど、いでやうなのはぬ。中食後ちうじきごに、は、土瓶どびんくち上下うへしたに、ツリをつた破片はへんしたくらゐ
と、れかられへとはなしつゞけていきひまい、ドクトルはみゝがガンとして、心臟しんざう鼓動こどうさへはげしくなつてる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
二人ふたりながいだかみ双方さうはうからつて、るべくるみの出來できないやうつとめたが、小六ころく時々とき/″\面倒臭めんだうくささうなかほをすると、御米およねはつい遠慮ゑんりよ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かの正しきを養ひ、かがやきを重ね、めぐみを積む。皇祖皇宗はこの徳におはし、神ながら道に蒼古さうこに、あやに畏き高千穗の聖火は今に燃えいで盡くるを知らぬ。
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
一方は人から人へと語りがれて不朽なものとなり、一方は何んのわきまへもなしに言ひ傳へられるのである。
されどこの球の中に生じゝ汝の願ひこと/″\く滿たされんため、我なほことばがざるべからず 一〇九—一一一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
さむいので、すみをどつさりおまをしあげたものですから、先生樣せんせいさまはおかへりがけに、もう一度いちどよくけなよ、とたしか御注意ごちういあそばしたのでございますものを、ついわたくし疎雜ぞんざいで。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
南洲はいんかいせず、ひて之をつくす、たちま酩酊めいていして嘔吐おうどせきけがす。東湖は南洲の朴率ぼくそつにしてかざるところなきを見てはなはだ之をあいす。嘗て曰ふ、他日我が志をぐ者は獨此の少年子のみと。
「まゐりました。」とは云つたが、松村はやはり後の句がげなかつた。
半七捕物帳:01 お文の魂 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
かくも神變しんぺん不可思議ふかしぎなる海底戰鬪艇かいていせんとうていは、いまこの秘密ひみつなる洞中どうちゆう造船所ざうせんじよおいて、櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさ指揮しきしたに、いで製造せいざうされつゝあるのであるが、この猛烈まうれつなる戰艇せんていが、他日たじつ首尾しゆびよく竣工しゆんこうして
と、富江は氣に乘つて語りぐ。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
小三郎を久兵衞の本當の子と知らないから、三文字屋の血を引く自分の方があとぐのが本當だと思つたんだらう。
それには叔父をぢくなつたことやら、いでおこ經濟上けいざいじやう變化へんくわやら、また安之助やすのすけ卒業そつげふやら、卒業後そつげふごひかえてゐる結婚けつこん問題もんだいやらが這入はいつてゐたのだとふ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
彼の最初の子供が彼の手に抱かれたときにも、その男の子が嘗てあつた彼自身の眼——大きく、輝いた、黒い眼を受けいでゐるのを見得たのであつた。
やつとひとちがふだけのせま田圃たんぼをおしなはそろ/\とはこんでく。おしな白茶しらちやけたほどふるつた股引もゝひきへそれでもさきほうだけした足袋たび穿いてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
すみくろいが、いましがたいだばかりで、じようにもらず、火氣くわきちぎは。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
思ひぎ長きはしがきへにけり夜ふけかすかに吠ゆるものあり
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
伊丹屋の大身代をいだばかり、まだ若旦那で通つてゐる駒次郎は、平次の顏を見ると、上がりかまちから起ち上がりました。少し華奢きやしやな、背の高い男です。
宗助そうすけ一人ひとり着物きもの着換きかえたが、てた洋服やうふくも、人手ひとでりずに自分じぶんたゝんで、押入おしいれ仕舞しまつた。それから火鉢ひばちいで、かす用意よういをした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
本當ほんと先刻さつきからさうおもつてんだが立派りつぱはなぢやねえかな」おつたは庭先にはさき草花くさばなはなしいだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
もの干棹ほしざをながやつ持出もちだして、掻𢌞かきまはして、引拂ひつぱたかうとおもつても、二本にほんいでもとゞくもんぢやねえぢやあねえか。たかくつてよ。なあばあさん、椋鳥むくどり畜生ちくしやう、ひどいはしやがるぢやあねえか。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かくばかりかへでありとは知らざりきぎて染む秋を驚く
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
寅藏の死んだのが自害じがいなら、側に毒を入れた椀なり紙なりある筈だ。それに、遺書が半枚の半紙を眞ん中でいで『おれはげしゆじんだ』と讀ませたらう。
生きざらむ命思はず仰ぎ寢て手はみにけり敢て息
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
と、あしいで、かごわき立掛たてかけた。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
平次も二の句がげません。この愚直ぐちよくらしい下男は、實に自分の恥を隱さうともしない程の男だつたのです。
いづれ相模屋の後はお杉がぐだらうよ。むこは權八さ。あれは考へは足りないが良い男だ。千住の大橋から引返して五十兩を小僧に渡した心掛が氣に入つたよ。
早く女房に死に別れて、跡をぐべき子供も無かつたので、二人のめひ——お道、お杉——を養つて淋しいが、しかし滿ち足りた暮しをして居る、有徳の米屋でした。
して威張つて居ても、主人の佐兵衞は目が高いから、跡目は人の好い金次にがせるつもりだつたのさ
大身代をぐ花聟が、金澤町小町と言はれた嫁を、婚禮の晩に殺す筈はないと世間では思ふだらう
右京を窮地きゆうちおとしいれた上、吉彌を亡きものにして、京之助に家督をがせる魂膽こんたんをめぐらし、着々それを實行してゐた事を平次に證明されて、今更驚きあきれるばかりでした。
半枚づつの半紙を眞ん中でいで一枚にひろげたのに、手習草紙てならひざうしのやうな大きい假名文字で
そして、役にも立たないことだが——こはれたものなら、元の通りいでみるとか何とか、どんなにつまらない物でも、それ位の未練は持つて居るものだ。ところがあの娘は何うだ
これは當然山名屋をぐ可き筈でしたが、放埒はうらつで眼を潰した上、父親の生前勘當されてゐたことを言ひ立てゝ、叔父の五左衞門に追ひ出され、叔父の五左衞門自身が山名屋の後に坐り込んで
する奴は誰だ——一番まうかるのは、五左衞門には子が無いから、山名屋の跡をぐ宗次郎だらうが、その宗次郎に疑ひをかけるやうに仕向けたのは、一寸見たところ、五左衞門が死んで一番損を
高木勇名は苦しい息をぎ乍ら、この長物語を續けました。
「それから貸金の方は、山名屋の後をぐ方に引渡します」