モオリス・ド・ゲラン「そしてこの稀有で、偉大で、しかも果敢ないもの、一個の詩人」「そしてこのけうで、いだいで、しかもはかないもの、いっこのしじん」
モオリス・ド・ゲランの作品は、その製作過程においてその效果を考へたやうなところの少しも感ぜられない、稀有なる作品の一つである。彼はその生前には、ただ、ニコラス・ド・フリエに就いての小論文を發表したにすぎない。そしてその「サントオル」は彼の死 …