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就
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つ
ふりがな文庫
“
就
(
つ
)” の例文
法律に対する完解、人間の好悪感に
就
(
つ
)
いての意見、わけても最後の庄司弁護士の心持などには鋭い深い氏の物の見方が窺われました。
マイクロフォン:「新青年」一九二八年一一月
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
作風は、やはり仏師育ちですが、私に
就
(
つ
)
いてから、置き物風のものをも研究しましたが、仏様に関した方のものがやはり得意でした。
幕末維新懐古談:77 西町時代の弟子のこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
その当日は数十
軒
(
けん
)
の「筋目の者」たちは十六の
菊
(
きく
)
のご
紋章
(
もんしょう
)
の附いた
裃
(
かみしも
)
を着ることを許され、知事代理や郡長等の上席に
就
(
つ
)
くのである。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
喜んで死に
就
(
つ
)
くから、是非、心臓を切り出して、僕の血液をとおし、出来た曲線を記念として君の許に送ってくれといってやまない。
恋愛曲線
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
そして、そのことを老妓はとくに知っている癖に、それに
就
(
つ
)
いては一言も云わないだけに、いよいよパトロンの目的が疑われて来た。
老妓抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
人は受け得る位置に置かれてはいるでしょうが、与える位に
就
(
つ
)
いてはいないのです。与うる者は常に見えざる無上な力のみなのです。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
庄太郎が女に
攫
(
さら
)
われてから七日目の晩にふらりと帰って来て、急に熱が出てどっと、床に
就
(
つ
)
いていると云って
健
(
けん
)
さんが知らせに来た。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
われ等の遠き前途に
就
(
つ
)
きては、われ等は何事も語るまい。何となれば、われ等も
亦
(
また
)
それに
就
(
つ
)
きて、何等知るところがないからである。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
だから、この深夜に移動する一隊に
就
(
つ
)
いてはお互いに疑惑の目を凝らすのである。それが人間であるから神経はいよいよ
昂
(
たか
)
ぶるのだ。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
殊
(
こと
)
に
浮沈室
(
ふちんしつ
)
と
機關室
(
きくわんしつ
)
とは
此
(
この
)
艇
(
てい
)
の
最
(
もつと
)
も
主要
(
しゆえう
)
なる
部分
(
ぶゞん
)
ではあるが、
此事
(
このこと
)
に
就
(
つ
)
いては
殘念
(
ざんねん
)
ながら
私
(
わたくし
)
の
誓
(
ちかひ
)
に
對
(
たい
)
して
一言
(
いちごん
)
も
明言
(
めいげん
)
する
事
(
こと
)
は
出來
(
でき
)
ぬ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
今日の軍人政治家が未亡人の恋愛に
就
(
つ
)
いて執筆を禁じた如く、
古
(
いにしえ
)
の武人は武士道によって自らの又部下達の弱点を抑える必要があった。
堕落論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
戯曲作法に
就
(
つ
)
いては、ほとんど知るところが無い。これは、
謂
(
い
)
わば LESEDRAMA ふうの、小説だと思っていただきたい。
新ハムレット
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
〔譯〕一
部
(
ぶ
)
の
歴史
(
れきし
)
、皆
形迹
(
けいせき
)
を
傳
(
つた
)
へて、
情實
(
じやうじつ
)
或は傳らず。史を讀む者は、須らく形迹に
就
(
つ
)
いて以て情實を
討
(
たづ
)
ね出だすことを要すべし。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
「これに
就
(
つ
)
きましては、いろいろ申しあげたいことがございますが、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
、御子息の死骸をお眼にかけたうえで、申しあげます」
悪僧
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
先生は頭を枕にぴったりと
就
(
つ
)
けて横になっていられる、母堂や令妹が枕許に坐していて、投稿の紙を一枚一枚先生の顔の前へ出す
竹乃里人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
その晩もお三輪は旅人のような思いで、お力の敷いてくれた床に
就
(
つ
)
いた。浦和の方でよく耳についた
蟋蟀
(
こおろぎ
)
が、そこでもしきりに鳴いた。
食堂
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
就
(
つ
)
いては今日
私
(
わたくし
)
の机の抽斗に百円入れて置きましたそれが、貴女のお帰りになると同時に紛失したので御座いますが、
如何
(
いか
)
がでしょう
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
尤
(
もっと
)
もこれは
地上
(
ちじょう
)
の
母
(
はは
)
に
就
(
つ
)
いて
申上
(
もうしあ
)
げることで、
肉体
(
にくたい
)
を
棄
(
す
)
てて
了
(
しま
)
ってからの
母
(
はは
)
の
霊魂
(
たましい
)
とは、むろん
自由自在
(
じゆうじざい
)
に
通
(
つう
)
じたのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
伯父さんも義理で孝助を出すに違いないが、
就
(
つ
)
いちゃア
明日
(
あした
)
伯父
様
(
さん
)
と一緒に帰って来ては困るが、孝助が
独
(
ひとり
)
で先へ帰る訳には出来まいか
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼
(
か
)
のあるいは世を
慨
(
なげ
)
き、時を
詈
(
ののし
)
り、
危言
(
きげん
)
激語
(
げきご
)
して死に
就
(
つ
)
く者の如き、壮は則ち壮なりといえども、なおこれ一点狂激の行あるを免れず。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
改造社の
古木鉄太郎
(
こきてつたらう
)
君の言ふには、「短歌は将来の文芸からとり残されるかどうか?」に
就
(
つ
)
き、僕にも何か言へとのことである。
又一説?
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
昨
(
さく
)
三十七
年
(
ねん
)
十二
月
(
ぐわつ
)
某夜
(
ばうや
)
の
事
(
こと
)
なりき、
例
(
れい
)
の
如
(
ごと
)
く
灌水
(
くわんすゐ
)
を
了
(
を
)
へて
蓐
(
じよく
)
に
入
(
い
)
り
眠
(
ねむり
)
に
就
(
つ
)
きし
間
(
ま
)
もなく、
何者
(
なにもの
)
か
來
(
きた
)
りて
余
(
よ
)
に
七福
(
しちふく
)
を
與
(
あた
)
ふと
告
(
つ
)
げたりと
夢
(
ゆめ
)
む。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
県の取締方針に
就
(
つ
)
いてお伺ひしたいと考へたのだつたが、それで何うしても
諒解
(
りやうかい
)
を得られないのなら自分等としての立場はない。
椎の若葉
(新字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
彼はついひと月前から職に
就
(
つ
)
いたのだ。——
昔馴染
(
むかしなじみ
)
の周囲のなかで、彼は病後の疲れに似た、何かの安らかな休息を感じてゐた。
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
私が悪いことと知りながらした罪に
就
(
つ
)
いて、また
可
(
か
)
なり大きい後悔をしないでは居られませんでした。お歌ちやんに
詫
(
あやま
)
りますと
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
そこで長いあいださまざまの偉大な苦行を積んだ結果、ついに認められて信仰のための
拷問
(
ごうもん
)
を受け、殉教者として死に
就
(
つ
)
くこととなった。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
平次は
假借
(
かしやく
)
しません。八五郎に手傳はせて押込むやうにそれ/″\の部署に
就
(
つ
)
かせると、家の中は暫く、死の
寂寞
(
せきばく
)
が領しました。
銭形平次捕物控:090 禁制の賦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一知夫婦を
窘
(
いじ
)
めたかに
就
(
つ
)
いてですね……出来るだけ秘密に……そうしてモット具体的に確かめられるだけ確かめておいて下さい。
巡査辞職
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
婦女子の
媚
(
こび
)
を売るものに
就
(
つ
)
いて見るも、また団結を以て安全となすものと、孤影
悄然
(
しょうぜん
)
として猶且つ悲しまざるが如きものもある。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
何
(
なに
)
かミハイル、アウエリヤヌヰチが
云
(
い
)
ふたので
有
(
あ
)
るが、
直
(
すぐ
)
に
皆
(
みな
)
掻消
(
かきき
)
えて
了
(
しま
)
つた。
恁
(
か
)
くてアンドレイ、エヒミチは
永刧
(
えいごふ
)
覺
(
さ
)
めぬ
眠
(
ねむり
)
には
就
(
つ
)
いた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
わたしが榎本君に対して不平らしい
口吻
(
こうふん
)
を洩らしたのは、要するに
演劇
(
しばい
)
の事情というものに
就
(
つ
)
いて私の盲目を証拠立てているのであった。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
長兄のところへ舞戻って来てからもう一カ月以上になるのに、彼は何の職に
就
(
つ
)
くでもなし、ただ朝寝と
夜更
(
よふか
)
しをつづけていた。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
思い出す男の別れ方によって涙の出て来るような人もあった。きんは一人一人の男に
就
(
つ
)
いては、出逢いの時のみを考えるのが好きであった。
晩菊
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
此度
(
このたび
)
勇戦隊が編成せられるに
就
(
つ
)
いては、是非共其一員に加はりたいので、早速志願したが、一里正の子だと云ふ
廉
(
かど
)
で御採用にならなかつた。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
卒業後私は職業にも
就
(
つ
)
かず、ぶらぶらしていた。家のものも強いて私を促がすでもなく、また進んで私のために図ってくれるでもなかった。
前途なお
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
たくさんの帷子は皆当て字であることは、さして推測に困難ではないが、なお十分に地図に
就
(
つ
)
き実地に立証してみたいと思う。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
朝飯後、天幕の諸君に別れて帰路に
就
(
つ
)
く。
成程
(
なるほど
)
ニオトマムは山静に水清く、関翁が
斗満
(
とまむ
)
を去って此処に住みたく思うて居らるゝも尤である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
態
(
わざ
)
と
卯平
(
うへい
)
へ
見
(
み
)
せつける
樣
(
やう
)
に
其
(
そ
)
の
夜
(
よ
)
塒
(
とや
)
に
就
(
つ
)
いた
時
(
とき
)
其
(
そ
)
の
鷄
(
とり
)
を
籠
(
かご
)
に
伏
(
ふ
)
せて、
戸口
(
とぐち
)
の
庭葢
(
にはぶた
)
の
上
(
うへ
)
に三
日
(
か
)
も四
日
(
か
)
も
置
(
お
)
いたのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
要するに新旧いずれに
就
(
つ
)
くも、実行的人生の理想の神聖とか崇高とかいう感じは消え去って、一面灰色の天地が果てしもなく眼前に横たわる。
序に代えて人生観上の自然主義を論ず
(新字新仮名)
/
島村抱月
(著)
ちょうど病気に倒れる直前には、その宗教団体の選挙があって、彼は猛然なる運動の結果、その弱年にも
拘
(
かかわ
)
らず、非常に重要な地位に
就
(
つ
)
いた。
振動魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「夷語音釈」の次に「夷字音釈」があって、後者の末には、劉孔当という名で昔年閩に遊んで琉球の通事に
就
(
つ
)
いて知ったことを附記してある。
南嶋を思いて:――伊波文学士の『古琉球』に及ぶ――
(新字新仮名)
/
新村出
(著)
近来種々感ずるところあり、
如何
(
いかに
)
してもこの国に永住の事に決心せしに
就
(
つ
)
いては、来春早々、此較的人種に区別をおかぬ東部へ出向く考に候。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
就
(
つ
)
いて想い出すはベロアル・ド・ヴェルヴィルの『
上達方
(
ル・モヤン・ド・パーヴニル
)
』三十九章にアルサスのある地の婦女威儀を重んずる余り七日に一度しか小便せず
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
南軍と北軍と、軍情おのずから異なること
是
(
かく
)
の如し。一は人
役
(
えき
)
に
就
(
つ
)
くを
苦
(
くるし
)
み、一は人
用
(
よう
)
を
為
(
な
)
すを
楽
(
たのし
)
む。
彼此
(
ひし
)
の差、勝敗に影響せずんばあらず。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そして、こうして当番に
就
(
つ
)
く者も少いほどの危険な状態に皆を残して出て来たことに対して、私はまた烈しく自分を責めた。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
われ等は歸途に
就
(
つ
)
きたり。此時身邊なる熔岩の流に、爆然聲ありて、
陷穽
(
かんせい
)
を生じ
炎焔
(
ほのほ
)
を吐くを見き。されどわれは
復
(
ま
)
た
戰
(
をのゝ
)
き
慄
(
ふる
)
ふことなかりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
岩魚
(
いわな
)
、ヤマメ、鮎に行つた場合に
就
(
つ
)
いて。鳥、魚、昆虫にも、各自の生層を通じて、自在に会話の出来る瞬間といふものが、有るのではないか。
釣れない時:君は何を考へるか
(新字旧仮名)
/
佐藤惣之助
(著)
次
(
つぎ
)
に
硯友社
(
けんいうしや
)
の
興
(
な
)
るに
就
(
つ
)
いて、第二の
動機
(
だうき
)
となつたのは、
思案外史
(
しあんがいし
)
と
予備門
(
よびもん
)
の
同時
(
どうじ
)
の
入学生
(
にふがくせい
)
で
相識
(
あいし
)
つたのです、
其頃
(
そのころ
)
は
石橋雨香
(
いしばしうかう
)
と
云
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
ました
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「余が自らに
就
(
つ
)
いて最も気掛りになつてゐるのは、余が美しく、
即
(
すなわ
)
ち気長に騒がずに、悠揚として死にたいと云ふことだ」
ジェイン・グレイ遺文
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
こうして、彼は、大きな寝台の中で、再び眠りに
就
(
つ
)
くのである——母親と並んで奥のほうに寝る、その大きな寝台の中で。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
就
常用漢字
小6
部首:⼪
12画
“就”を含む語句
就中
就寝
成就
大願成就
就職
就蓐
就褥
相就
就床
就役
急就篇
去就
元就
毛利元就
就縛
寝就
就任
遊就館
願成就日
成就院
...