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愁
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つ
ふりがな文庫
“
愁
(
つ
)” の例文
お前の父さんは馬だねへと言はれて、名のりや
愁
(
つ
)
らき子心にも顏あからめるしほらしさ、出入りの
貸座敷
(
いへ
)
の祕藏息子寮住居に華族さまを氣取りて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お
前
(
まへ
)
の
父
(
とゝ
)
さんは
馬
(
うま
)
だねへと
言
(
い
)
はれて、
名
(
な
)
のりや
愁
(
つ
)
らき
子心
(
こゞころ
)
にも
顏
(
かほ
)
あからめるしほらしさ、
出入
(
でい
)
りの
貸座敷
(
いゑ
)
の
祕藏息子
(
ひざうむすこ
)
寮住居
(
りようずまひ
)
に
華族
(
くわぞく
)
さまを
氣取
(
きど
)
りて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お前の
父
(
とと
)
さんは馬だねへと言はれて、名のりや
愁
(
つ
)
らき子心にも顔あからめるしほらしさ、出入りの
貸座敷
(
いゑ
)
の秘蔵息子
寮住居
(
りようずまゐ
)
に華族さまを気取りて
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
憎くしと思へど流石に義理は
愁
(
つ
)
らき物かや、母親かげの毒舌をかくして風引かぬやうに小抱卷何くれと枕まで宛がひて、明日の支度のむしり
田作
(
ごまめ
)
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
憎
(
に
)
くしと
思
(
おも
)
へど
流石
(
さすが
)
に
義理
(
ぎり
)
は
愁
(
つ
)
らき
物
(
もの
)
かや、
母親
(
はゝおや
)
かげの
毒舌
(
どくぜつ
)
をかくして
風
(
かぜ
)
引
(
ひ
)
かぬやうに
小抱卷
(
こかいまき
)
何
(
なに
)
くれと
枕
(
まくら
)
まで
宛
(
あて
)
がひて、
明日
(
あす
)
の
支度
(
したく
)
のむしり
田作
(
ごまめ
)
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
憎くしと思へどさすがに義理は
愁
(
つ
)
らき物かや、母親かげの毒舌をかくして風引かぬやうに
小抱巻
(
こかいまき
)
何くれと
枕
(
まくら
)
まで
宛
(
あて
)
がひて、
明日
(
あす
)
の支度のむしり
田作
(
ごまめ
)
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
夫
(
そ
)
れほど
別
(
わか
)
れるがお
嫌
(
い
)
やかと
背
(
せ
)
を
撫
(
な
)
せられて
默頭
(
うな
)
づく
可愛
(
かあい
)
さ、三
年目
(
ねんめ
)
の
今日
(
けふ
)
今
(
いま
)
さらに
寧
(
むしろ
)
いつもの
愁
(
つ
)
らきが
増
(
ま
)
しなり。
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ああ浮世は
愁
(
つ
)
らいものだね、何事も
明
(
あけ
)
すけに言ふて
除
(
の
)
ける事が出来ぬからとて、お倉はつくづく
儘
(
まま
)
ならぬを
傷
(
いた
)
みぬ。
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
かくるが
愁
(
つ
)
らきぞとてしみ/″\と
物語
(
ものがた
)
りつお
八重
(
やへ
)
の
膝
(
ひざ
)
に
身
(
み
)
をなげ
伏
(
ふ
)
して
隱
(
か
)
くしもやらぬ
口説
(
くどき
)
ごとにお
八重
(
やへ
)
われを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
後生折つて下されと一むれの中にては
年長
(
としかさ
)
なるを見かけて頼めば、流石に信如袖ふり切りて行すぎる事もならず、さりとて人の思はくいよ/\
愁
(
つ
)
らければ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
知らぬ事とて今朝までも釣瓶の繩の氷を
愁
(
つ
)
らがつたは勿躰ない、學校ざかりの年に蜆を擔がせて姉が長い着物きて居らりようか、伯父さま暇を取つて下され
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
知らぬ事とて
今朝
(
けさ
)
までも
釣瓶
(
つるべ
)
の縄の氷を
愁
(
つ
)
らがつたは
勿躰
(
もつたい
)
ない、学校ざかりの年に蜆を担がせて姉が長い着物きてゐらりようか、伯父さま
暇
(
いとま
)
を取つて下され
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
後生折つて下されと一むれの中にては
年長
(
としかさ
)
なるを見かけて頼めば、さすがに信如袖ふり切りて
行
(
ゆき
)
すぎる事もならず、さりとて人の思はくいよいよ
愁
(
つ
)
らければ
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
(
その
)
我
(
わが
)
まゝの
徹
(
とほ
)
らぬ
事
(
こと
)
もあるまじきなれど、
愁
(
つ
)
らきは
養子
(
やうし
)
の
身分
(
みぶん
)
と
桂次
(
けいじ
)
はつく/″\
他人
(
たにん
)
の
自由
(
じゆう
)
を
羨
(
うら
)
やみて、これからの
行
(
ゆ
)
く
末
(
すゑ
)
をも
鎖
(
くさ
)
りにつながれたるやうに
考
(
かんが
)
へぬ。
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その我ままの
徹
(
とほ
)
らぬ事もあるまじきなれど、
愁
(
つ
)
らきは養子の身分と桂次はつくづく他人の自由を
羨
(
うら
)
やみて、これからの行く末をも鎖りにつながれたるやうに考へぬ。
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
阿關の事なれば並大底で此樣な事を言ひ出しさうにもなく、よく/\
愁
(
つ
)
らさに出て來たと見えるが、して今夜は聟どのは
不在
(
るす
)
か、何か改たまつての事件でもあつてか
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
阿関
(
おせき
)
の事なれば並大底でこんな事を言ひ出しさうにもなく、よくよく
愁
(
つ
)
らさに出て来たと見えるが、して今夜は聟どのは
不在
(
るす
)
か、何か改たまつての事件でもあつてか
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
阿關
(
おせき
)
の
事
(
こと
)
なれば
並
(
なみ
)
大底
(
たいてい
)
で
此樣
(
こん
)
な
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
しさうにもなく、よく/\
愁
(
つ
)
らさに
出
(
で
)
て
來
(
き
)
たと
見
(
み
)
えるが、して
今夜
(
こんや
)
は
聟
(
むこ
)
どのは
不在
(
るす
)
か、
何
(
なに
)
か
改
(
あら
)
たまつての
事件
(
じけん
)
でもあつてか
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
我れのみ一人あし曳の山の甲斐に峯のしら雲あとを消すこと左りとは是非もなけれど、今歳この度みやこを離れて八王子に足をむける事これまでに覺えなき
愁
(
つ
)
らさなり。
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
我
(
わ
)
れのみ
一人
(
ひとり
)
あし
曳
(
びき
)
の
山
(
やま
)
の
甲斐
(
かひ
)
に
峯
(
みね
)
のしら
雲
(
くも
)
あとを
消
(
け
)
すこと
左
(
さ
)
りとは
是非
(
ぜひ
)
もなけれど、
今歳
(
ことし
)
この
度
(
たび
)
みやこを
離
(
はな
)
れて八
王子
(
わうじ
)
に
足
(
あし
)
をむける
事
(
こと
)
これまでに
覺
(
おぼ
)
えなき
愁
(
つ
)
らさなり。
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
我れのみ一人あし
曳
(
びき
)
の山の
甲斐
(
かひ
)
に
峯
(
みね
)
のしら雲あとを消すことさりとは是非もなけれど、
今歳
(
ことし
)
この度みやこを離れて八王子に足をむける事これまでに覚えなき
愁
(
つ
)
らさなり。
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
過ぎし故郷を出立の當時ないて姉をば送りしこと夢のやうに思はれて、今日此頃の全盛に父母への孝養うらやましく、お職を徹す姉が身の、憂いの
愁
(
つ
)
らいの數も知らねば
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
過ぎし故郷を
出立
(
しゆつたつ
)
の当時ないて姉をば送りしこと夢のやうに思はれて、今日この頃の全盛に父母への孝養うらやましく、お職を
徹
(
とほ
)
す姉が身の、
憂
(
う
)
いの
愁
(
つ
)
らいの数も知らねば
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私でさへ植村樣が何だと聞いた時にはお可愛想な事をと涙がこぼれたもの、お孃さまの身に成つては
愁
(
つ
)
らからうでは無いか、私やお前のやうなおつと來いならば事は無いけれど
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼方
(
あなた
)
とは
質
(
たち
)
が違ふて言ふに言はれぬ
好
(
い
)
い方であつた、私でさへ植村様が何だと聞いた時にはお
可愛想
(
かあいさう
)
な事をと涙がこぼれたもの、お嬢さまの身に成つては
愁
(
つ
)
らからうでは無いか
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
昼も夢に見て
独言
(
ひとりごと
)
にいふ情なさ、女房の事も子の事も忘れはててお力一人に命をも遣る心か、浅ましい
口惜
(
くちを
)
しい
愁
(
つ
)
らい人と思ふに中々言葉は
出
(
いで
)
ずして恨みの露を目の中にふくみぬ。
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
晝
(
ひる
)
も
夢
(
ゆめ
)
に
見
(
み
)
て
獨言
(
ひとごと
)
にいふ
情
(
なさけ
)
なさ、
女房
(
にようぼう
)
の
事
(
こと
)
も
子
(
こ
)
の
事
(
こと
)
も
忘
(
わす
)
れはてゝお
力
(
りき
)
一人
(
ひとり
)
に
命
(
いのち
)
をも
遣
(
や
)
る
心
(
こゝろ
)
か、
淺
(
あさ
)
ましい
口惜
(
くちを
)
しい
愁
(
つ
)
らい
人
(
ひと
)
と
思
(
おも
)
ふに
中々
(
なか/\
)
言葉
(
ことば
)
は
出
(
いで
)
ずして
恨
(
うら
)
みの
露
(
つゆ
)
を
目
(
め
)
の
中
(
うち
)
にふくみぬ。
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あんな浮いた心では何時引取つてくれるだらう、考へるとつくづく奉公が
嫌
(
い
)
やになつてお客を呼ぶに張合もない、ああくさくさするとて常は人をも
欺
(
だま
)
す口で人の
愁
(
つ
)
らきを恨みの言葉
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
親
(
おや
)
といふ
名
(
な
)
のまして
如何
(
いか
)
ならん、さりとは
隱居樣
(
いんきよさま
)
じみし
願
(
ねが
)
ひも、
令孃
(
ひめ
)
が
心
(
こヽろ
)
には
無理
(
むり
)
ならぬこと、
生中
(
なまなか
)
都
(
みやこ
)
に
置
(
お
)
きて
同胞
(
きやうだい
)
どもが、
浮世
(
うきよ
)
めかすを
見
(
み
)
するも
愁
(
つ
)
らし、
何
(
なに
)
ごとも
望
(
のぞ
)
みに
任
(
まか
)
かせて
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
奧
(
おく
)
さまは
唯
(
たゞ
)
この
隔
(
へだ
)
てを
命
(
いのち
)
にして、
明
(
あ
)
けずに
去
(
い
)
ねかし、
顏
(
かほ
)
みらるゝ
事
(
こと
)
愁
(
つ
)
らやと
思
(
おぼ
)
しぬ。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
姉さんと呼ばるれば三之助は
弟
(
おとと
)
のやうに
可愛
(
かあゆ
)
く、此処へ此処へと呼んで背を
撫
(
な
)
で顔を覗いて、さぞ
父
(
とと
)
さんが病気で淋しく
愁
(
つ
)
らかろ、お正月も直きに来れば姉が何ぞ買つて上げますぞえ
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
姉
(
ねえ
)
さんと
呼
(
よ
)
ばるれば三
之
(
の
)
助
(
すけ
)
は
弟
(
おとゝ
)
のやうに
可愛
(
かあゆ
)
く、
此處
(
こゝ
)
へ
此處
(
こゝ
)
へと
呼
(
よ
)
んで
背
(
せ
)
を
撫
(
な
)
で
顏
(
かほ
)
を
覗
(
のぞ
)
いて、さぞ
父
(
とゝ
)
さんが
病氣
(
びやうき
)
で
淋
(
さび
)
しく
愁
(
つ
)
らかろ、お
正月
(
せうぐわつ
)
も
直
(
ぢ
)
きに
來
(
く
)
れば
姉
(
あね
)
が
何
(
なん
)
ぞ
買
(
か
)
つて
上
(
あ
)
げますぞえ
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私
(
わたし
)
の
手足
(
てあし
)
が
働
(
はたら
)
かぬ
時
(
とき
)
に
成
(
な
)
りて
何分
(
なにぶん
)
のお
世話
(
せは
)
をお
頼
(
たの
)
み
申
(
まを
)
さねば
成
(
な
)
らぬ
曉
(
あかつき
)
、
月給
(
げつきう
)
八
圓
(
ゑん
)
で
何
(
ど
)
う
成
(
な
)
らう、
夫
(
そ
)
れを
思
(
おも
)
ふと
今
(
いま
)
のうち
覺悟
(
かくご
)
を
極
(
き
)
めて、
少
(
すこ
)
しは
互
(
たが
)
ひに
愁
(
つ
)
らき
事
(
こと
)
なりとも
當分
(
たうぶん
)
夫婦
(
ふうふ
)
別
(
わか
)
れして
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼
(
あ
)
んな
浮
(
う
)
いた
心
(
こゝろ
)
では
何時
(
いつ
)
引取
(
ひきと
)
つて
呉
(
く
)
れるだらう、
考
(
かんが
)
へるとつく/″\
奉公
(
ほうこう
)
が
嫌
(
い
)
やになつてお
客
(
きやく
)
を
呼
(
よ
)
ぶに
張合
(
はりあい
)
もない、あゝくさ/\するとて
常
(
つね
)
は
人
(
ひと
)
をも
欺
(
だま
)
す
口
(
くち
)
で
人
(
ひと
)
の
愁
(
つ
)
らきを
恨
(
うら
)
みの
言葉
(
ことば
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
流石
(
さすが
)
に
信如
(
しんによ
)
袖
(
そで
)
ふり
切
(
き
)
りて
行
(
ゆき
)
すぎる
事
(
こと
)
もならず、さりとて
人
(
ひと
)
の
思
(
おも
)
はくいよ/\
愁
(
つ
)
らければ、
手近
(
てぢか
)
の
枝
(
えだ
)
を
引寄
(
ひきよ
)
せて
好惡
(
よしあし
)
かまはず
申譯
(
まうしわけ
)
ばかりに
折
(
を
)
りて、
投
(
なげ
)
つけるやうにすたすたと
行過
(
ゆきす
)
ぎるを
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私はどんな
愁
(
つ
)
らき事ありとも必らず辛抱しとげて一人前の男になり、
父
(
とと
)
さんをもお前をも今に楽をばお
為
(
さ
)
せ申ます、どうぞそれまで何なりと
堅気
(
かたぎ
)
の事をして一人で世渡りをしてゐて下され
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私
(
わたし
)
は
何
(
ど
)
んな
愁
(
つ
)
らき
事
(
こと
)
ありとも
必
(
かな
)
らず
辛抱
(
しんぼう
)
しとげて一
人前
(
にんまへ
)
の
男
(
をとこ
)
になり、
父
(
とゝ
)
さんをもお
前
(
まへ
)
をも
今
(
いま
)
に
樂
(
らく
)
をばお
爲
(
さ
)
せ
申
(
まをし
)
ます、
何
(
ど
)
うぞ
夫
(
そ
)
れまで
何
(
なん
)
なりと
堅氣
(
かたぎ
)
の
事
(
こと
)
をして
一人
(
ひとり
)
で
世渡
(
よわた
)
りをして
居
(
ゐ
)
て
下
(
くだ
)
され
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さりとは
愛敬
(
あいきやう
)
の
無
(
な
)
き
人
(
ひと
)
と
惘
(
あき
)
れし
事
(
こと
)
も
有
(
あり
)
しが、
度
(
たび
)
かさなりての
末
(
すゑ
)
には
自
(
おのづか
)
ら
故意
(
わざと
)
の
意地惡
(
いぢわる
)
のやうに
思
(
おも
)
はれて、
人
(
ひと
)
には
左
(
さ
)
もなきに
我
(
わ
)
れにばかり
愁
(
つ
)
らき
處爲
(
しうち
)
をみせ、
物
(
もの
)
を
問
(
と
)
へば
碌
(
ろく
)
な
返事
(
へんじ
)
した
事
(
こと
)
なく
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
針目あらはに
衣
(
きぬ
)
破
(
や
)
れて、
此肩
(
これ
)
に擔ぐか見る目も
愁
(
つ
)
らし、安兵衞はお峰が暇を取らんと言ふに夫れは以ての外、志しは嬉しけれど歸りてからが女の働き、夫れのみか御主人へは給金の前借もあり
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
今日
(
けふ
)
よりは
私
(
わたし
)
も
家
(
うち
)
に
歸
(
かへ
)
りて
伯父樣
(
おぢさま
)
の
介抱
(
かいほう
)
活計
(
くらし
)
の
助
(
たす
)
けもしまする、
知
(
し
)
らぬ
事
(
こと
)
とて
今朝
(
けさ
)
までも
釣瓶
(
つるべ
)
の
繩
(
なわ
)
の
氷
(
こほり
)
を
愁
(
つ
)
らがつたは
勿躰
(
もつたい
)
ない、
學校
(
がくかう
)
ざかりの
年
(
とし
)
に
蜆
(
しゞみ
)
を
擔
(
かつ
)
がせて
姉
(
あね
)
が
長
(
なが
)
い
着物
(
きもの
)
きて
居
(
ゐ
)
らりようか
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
憂
(
う
)
きに
月日
(
つきひ
)
の
長
(
なが
)
からん
事
(
こと
)
愁
(
つ
)
らや、
何事
(
なにごと
)
もさらさらと
捨
(
す
)
てヽ、
憂
(
う
)
からず
面白
(
おもしろ
)
からず
暮
(
くら
)
したき
願
(
ねが
)
ひなるに、
春風
(
はるかぜ
)
ふけば
花
(
はな
)
めかしき、
枯木
(
かれき
)
ならぬ
心
(
こヽろ
)
のくるしさよ、
哀
(
あは
)
れ
月
(
つき
)
は
無
(
な
)
きか
此胸
(
このむね
)
はるけたきにと
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
涙のうちに送らせん事いとほし、乳房の別れの
愁
(
つ
)
らしとても、子は
只
(
ただ
)
一人なるぞかしと、分別らしき異見を
女子
(
をなご
)
ごゝろの浅ましき耳にさゝやかれて、
良人
(
をつと
)
には心の残るべきやうもあらざりしかど
琴の音
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
猶
(
なほ
)
其人
(
そのひと
)
の
戀
(
こひ
)
しきも
愁
(
つ
)
らく、
涙
(
なみだ
)
に
沈
(
しづ
)
んで
送
(
おく
)
る
月日
(
つきひ
)
に、
知
(
し
)
らざりしこそ
幼
(
をさ
)
なけれ、
憂
(
う
)
き
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
に
憂
(
う
)
きを
重
(
かさ
)
ねて、
宿
(
やど
)
りし
胤
(
たね
)
の
五月
(
さつき
)
とは、
扨
(
さて
)
もと
計
(
ばか
)
り
身
(
み
)
を
投
(
なげ
)
ふして
泣
(
なき
)
けるが、
今
(
いま
)
は
人
(
ひと
)
にも
逢
(
あ
)
はじ
物
(
もの
)
も
思
(
おも
)
はじ
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
七光どころか
十光
(
とひかり
)
もして
間接
(
よそ
)
ながらの恩を着ぬとは言はれぬに
愁
(
つ
)
らからうとも一つは親の為
弟
(
おとと
)
の為、太郎といふ子もあるものを今日までの辛棒がなるほどならば、これから
後
(
ご
)
とて出来ぬ事はあるまじ
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
七光
(
なゝひかり
)
どころか
十光
(
とひかり
)
もして
間接
(
よそ
)
ながらの
恩
(
おん
)
を
着
(
き
)
ぬとは
言
(
い
)
はれぬに
愁
(
つ
)
らからうとも一つは
親
(
おや
)
の
爲
(
ため
)
弟
(
おとゝ
)
の
爲
(
ため
)
、
太郎
(
たらう
)
といふ
子
(
こ
)
もあるものを
今日
(
けふ
)
までの
辛棒
(
しんぼう
)
がなるほどならば、
是
(
こ
)
れから
後
(
ご
)
とて
出來
(
でき
)
ぬ
事
(
こと
)
はあるまじ
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
唯
(
たゞ
)
ぼんやりと
過
(
すご
)
しまする
身
(
み
)
の、
遂
(
つ
)
ひには
倦
(
あ
)
かれまするやうに
成
(
な
)
りて、
悲
(
かな
)
しかるべき
事
(
こと
)
今
(
いま
)
おもふても
愁
(
つ
)
らし、
私
(
わたくし
)
は
貴郎
(
あなた
)
のほかに
頼母
(
たのも
)
しき
親兄弟
(
おやきようだい
)
も
無
(
な
)
し、
有
(
あ
)
りてから
父
(
ちゝ
)
の
與
(
よ
)
四
郎
(
らう
)
在世
(
ざいせ
)
のさまは
知
(
し
)
り
給
(
たま
)
ふ
如
(
ごと
)
く
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
袖
(
そで
)
よ、今の苦労は
愁
(
つ
)
らくとも、
暫時
(
しばし
)
の
辛棒
(
しんぼう
)
ぞしのべかし。
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
待
(
ま
)
たば
空
(
そら
)
の
月
(
つき
)
の
逢
(
あひ
)
みるべきぞとならば
嬉
(
うれ
)
しけれど
若
(
も
)
しやの
願
(
ねが
)
ひに
左樣
(
さう
)
見
(
み
)
ゆるにや
寧
(
いつ
)
そ
愁
(
つ
)
らからば一
筋
(
すぢ
)
ならで
頼
(
たの
)
みのある
丈
(
だけ
)
まどはるゝなり
扨
(
さて
)
もお
便
(
たよ
)
りの
聞
(
きこ
)
えぬは
何故
(
なにゆゑ
)
我
(
わ
)
れ
厭
(
いと
)
はせ
給
(
たま
)
ひなば
此處
(
こゝ
)
へこそ
御入來
(
おいで
)
なく
共
(
とも
)
本宅
(
ほんたく
)
へまで
御踈遠
(
ごそゑん
)
とは
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そこねもして
愛想
(
あいそ
)
づかしの
種
(
たね
)
にもならば
云
(
い
)
はぬに
増
(
まさ
)
る
愁
(
つ
)
らさぞかし
君
(
きみ
)
さまこそ
無情
(
つれなし
)
とも
思
(
おも
)
ふ
心
(
こゝろ
)
に二
ツ
は
無
(
な
)
し
不孝
(
ふかう
)
か
知
(
し
)
らねど
父樣
(
とゝさま
)
母
(
はゝ
)
さま
何
(
なん
)
と
仰
(
おほ
)
せらるゝとも
他處
(
よそ
)
ほかの
誰
(
た
)
れ
良人
(
をつと
)
に
持
(
もつ
)
べき
八重
(
やへ
)
は
一生
(
いつしやう
)
良人
(
をつと
)
は
持
(
も
)
たずと
云
(
い
)
ふものから
我
(
わ
)
が
身
(
み
)
とは
自
(
おのづか
)
ら
異
(
ことな
)
りて
關係
(
かゝ
)
はることなく
心安
(
こゝろやす
)
かるべし
浦山
(
うらやま
)
しやと
浦山
(
うらやま
)
るゝ
我
(
われ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“愁”の解説
「愁」 (うれい) は、日本のロックバンド、Kagrra,の12枚目のシングル。2004年1月1日にコロムビアミュージックエンタテインメントから販売。
(出典:Wikipedia)
愁
常用漢字
中学
部首:⼼
13画
“愁”を含む語句
郷愁
憂愁
悲愁
愁然
哀愁
御愁傷
愁傷
愁歎
愁訴
旅愁
愁眉
愁嘆場
幽愁
離愁
暗愁
愁嘆
居愁
御愁歎
不語似無愁
愁夜曲
...