)” の例文
だってなんぼ色がおしろいッてあんなに……わたくしうちにいる時分はこれでもヘタクタけたもんでしたがネ、此家こちらへ上ッてからお正月ばかりにして不断は施けないの
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
年紀としは十六七でネ、随分別品べっぴんは……別品だッたけれども、束髪の癖にヘゲル程白粉おしろいけて……薄化粧なら宜けれども、あんなに施けちゃア厭味ッたらしくッてネー……オヤ好気なもんだ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
つややかな黒髪を惜気もなくグッと引詰ひっつめての束髪、薔薇ばら花挿頭はなかんざししたばかりで臙脂べにめねば鉛華おしろいけず、衣服みなりとても糸織の袷衣あわせに友禅と紫繻子の腹合せの帯か何かでさして取繕いもせぬが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)