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注
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つ
ふりがな文庫
“
注
(
つ
)” の例文
そして淡巴菰の火が消えているのに気が
注
(
つ
)
いたようにして、足許の燃えさしに吸いつけて
喫
(
の
)
む。村の男はそのさまをじろじろと見る。
涼亭:――序に代へて――
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
下宿人の靴へ、しかもその
片方
(
かたっぽう
)
へ、おかみさんが水をいっぱい
注
(
つ
)
ぎこんでおこうとは、どうしても考えられない。が、事実は事実だ。
踊る地平線:02 テムズに聴く
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
みかん、お茶をいただく、たれが入れたのか、煎茶茶碗に、ひかえ目に
注
(
つ
)
がれて来た緑茶のうまかったこと。お茶では、旅中第一味。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
床屋は西洋
剃刀
(
かみそり
)
を取上げて、せつせと
革砥
(
かはと
)
に当て出したが、急に何か気が
注
(
つ
)
いたやうに、剃刀を持つた儘ぐたりと椅子に尻を落した。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
注
(
つ
)
ぎ込んで三十分ほど置くとパンへよく浸み込みますからやはりテンパンの湯へベシン皿を載せてテンピの中で二十五分間焼きます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
S夫人はテーブルの上のチェリー・ブランデーの瓶をとって、美しいカット・グラスに
注
(
つ
)
いで自分も呑み、私にもすすめながら云った。
蛇性の執念
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
口の
開
(
あ
)
けてある瓶は、
注
(
つ
)
いでしまふ度に
栓
(
せん
)
をして、
倒
(
さかさ
)
に閾に寄せ掛けて置くのである。八は妙な事をするものだと思つて見てゐる。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
多分僕に茶を
注
(
つ
)
いでくれた客もあったろうし、甲板の上でいろいろと話しかけた人もあったろうが、何にも記憶に止まっていない。
忘れえぬ人々
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
さくらは火鉢の横から酒徳利を取り、膳の上にある湯呑茶碗を持って、その酒を
注
(
つ
)
ぐと、一と口
啜
(
すす
)
ってから功兵衛の顔を指さした。
醜聞
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
キャラコさんは、ふと気がついて、ルックザックから
魔法瓶
(
テルモス
)
を取り出し、熱い紅茶を茶碗に
注
(
つ
)
いで、それを梓さんのほうへ押しやった。
キャラコさん:02 雪の山小屋
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「お前様達、もうそんな話をやめて下さい、姉さんがいやがるわいね、」とお夏が注意したので、皆始めて気が
注
(
つ
)
いた様に黙つた。
厄年
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
二月九日は東北ではヤサラと称して、八つの皿に
濁酒
(
にごりざけ
)
などを
注
(
つ
)
いで神を祭る日であり、あるいはまたこの日を女の
悪日
(
あくび
)
という処もある。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
幸子は瀬越が
注
(
つ
)
がれればいくらでも酒杯を傾けるらしい様子に、あの飲みっ振りではなかなか行けるに違いないとさっきから見ていた。
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
冬子が
注
(
つ
)
いで出す茶を一杯飲んで、忠一は
鉄縁
(
てつぶち
)
の眼鏡を掛け直しながら、今や本論に
入
(
い
)
ろうとする時、
彼
(
か
)
の七兵衛が
襖
(
ふすま
)
から顔を出した。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ミユンヘン
麦酒
(
ビイル
)
の産地
丈
(
だけ
)
に大きな醸造
場
(
ぢやう
)
が幾つも有つて
何
(
ど
)
の醸造
場
(
ぢやう
)
でも大きな樽から
直
(
すぐ
)
に
生麦酒
(
なまビイル
)
を
杯
(
さかづき
)
に
注
(
つ
)
いで客に飲ませるのであるが
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「まだ
其處
(
そこ
)
で
引
(
ひ
)
つくるけえしちや
大變
(
たえへん
)
だぞ、
戸棚
(
とだな
)
へでも
入
(
せ
)
えて
置
(
お
)
け」
勘次
(
かんじ
)
は
復
(
ま
)
た
注意
(
ちうい
)
した。
卯平
(
うへい
)
は
藥罐
(
やくわん
)
の
湯
(
ゆ
)
を
注
(
つ
)
いで三
杯
(
ばい
)
を
喫
(
きつ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
客から取る金と自分が學校や雜誌から取つて
注
(
つ
)
ぎ込む金とがどう云う風に支出されてゐるのか、充分調べて見なければ置かないのである。
泡鳴五部作:01 発展
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
二合目で、今まで気が
注
(
つ
)
かなかった山中湖が、半分ほど見えて来た、室は無論人はいないが、それでも明けッ放しになっている。
雪中富士登山記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
母も、今夜は、余計なお
喋
(
しやべ
)
りはつゝしんでいるようにみえたが、しばらくたつて、彼が、茶碗をおくと、それへ茶を
注
(
つ
)
ぎながら
光は影を
(新字新仮名)
/
岸田国士
(著)
夕日は障子の破れ目から、英文典の上に細い黄ろい
光線
(
ひかり
)
を投げてゐる。下女はランプに油を
注
(
つ
)
いで、部屋々々へ持ち廻つてゐる。
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
浜からはよく強い洋酒などを
貰
(
もら
)
って来て、黄金色したその酒を小さい
杯
(
コップ
)
に
注
(
つ
)
ぎながら、日に
透
(
すか
)
して見てはうまそうになめていた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
そうしてその
白湯
(
さゆ
)
を
凝
(
こ
)
りに
凝
(
こ
)
った茶碗に
注
(
つ
)
いで、上から白紙の蓋をして、その上に、黒い針みたような崑崙の緑茶を
一抓
(
ひとつま
)
みほど載せます。
狂人は笑う
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と
一寸
(
ちょい
)
とお若を見ますると変な様子でげすから、伊之助も
何
(
なん
)
となく白けて見え、手持無沙汰でおりますので、お若さんも
漸
(
ようよ
)
う気が
注
(
つ
)
いて
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ボーシスが二つの鉢にそれを
注
(
つ
)
いで、客の前に出してしまうと、その壺の底には、ほんの少ししか牛乳が残っていませんでした。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
「あれなら暗がりで手を貸して馬車に乗せてやりがいのある美人だね、ダーネー君!」と彼は、新たな杯に酒を
注
(
つ
)
ぎ込みながら、言った。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
お金が
注
(
つ
)
ぎ込みにばかりなっていて、とてもこっちには送ってくだされないの、わたしの家はあなたも知ってのとおりでしょう。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
彼は其所にある
塩煎餅
(
しおせんべい
)
を取ってやたらにぼりぼり
噛
(
か
)
んだ。そうしてその
相間
(
あいま
)
々々には大きな
湯呑
(
ゆのみ
)
へ茶を何杯も
注
(
つ
)
ぎ
易
(
か
)
えて飲んだ。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その土産らしい西洋菓子の函を開き、茶を
注
(
つ
)
いで、静子も其処に坐つた。母屋の方では、キヤツ/\と
小妹
(
いもうと
)
共の騒ぐのが聞える。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
野幇間
(
のだいこ
)
を稼業のようにしている
巴屋
(
ともえや
)
七平は、血のような赤酒を
注
(
つ
)
がせて、少し
光沢
(
つや
)
のよくなった
額
(
ひたい
)
を、ピタピタと叩くのです。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
赤い
臼
(
うす
)
のような頭をした漁夫が、一升
瓶
(
びん
)
そのままで、酒を端のかけた
茶碗
(
ちゃわん
)
に
注
(
つ
)
いで、
鯣
(
するめ
)
をムシャムシャやりながら飲んでいた。
蟹工船
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
すると顔つきまでがぐったりして、とろんとした眼つきになる。……ゆっくりと自分の杯にヴォトカを
注
(
つ
)
いで、こう言う。——
決闘
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ふと、彼の腰掛のすぐ後に、ふらふらの学生が近寄ってくる。自分の
上衣
(
うわぎ
)
のポケットからコップを取出し、それに酒を
注
(
つ
)
いでもらっている。
火の唇
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
ぐしゃりと
挫
(
ひしゃ
)
げたように仕切に
凭
(
もた
)
れて、乗出して舞台を見い見い、片手を
背後
(
うしろ
)
へ伸ばして、猪口を
引傾
(
ひっかたむ
)
けたまま受ける、
注
(
つ
)
ぐ、それ、
溢
(
こぼ
)
す。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「では澤山召上つてその證據を見せて下さらなくては。私がこの段を
編
(
あ
)
んでしまふ間に、あなたはその
急須
(
きふす
)
にお
注
(
つ
)
ぎになつて下さらない。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
さて其処に気が
注
(
つ
)
かないと誠に善い性格の人でも、その人が物に接する道を工夫した事も修業した事もないといふ事を示す。
些細なやうで重大な事
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
絹の
飛白
(
かすり
)
のような服に紅いバンドを締めた夫人は、
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
を一同に
注
(
つ
)
ぎながら梶の
傍
(
そば
)
まで来ると優しく梶に握手をして彼の横へ腰を降ろした。
厨房日記
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
消防隊員は
総出
(
そうで
)
でもって、穴の中にしきりにセメントの溶かしたものを
注
(
つ
)
ぎいれている。もちろんそれは蟹寺博士の
指図
(
さしず
)
によるものであった。
○○獣
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「何だねえ、
確乎
(
しっかり
)
して
御行
(
おいで
)
よ」と私は叱るように言いまして、
菎蒻
(
こんにゃく
)
を提げさせて外へ送出す時に、「まあ、ひどい雪だ——気を
注
(
つ
)
けて御行よ」
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そして珍らしい客でも来ると、南蛮渡来の髑髏盃じゃと、このように云うてあの義明は、その盃に酒を
注
(
つ
)
ぎ、さも心地よげに飲み干すのじゃ……
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「あんたは黙っていらっしゃい。——じゃ、最初にスープを持ってゆくわ」と、レーニはKに言い、スープを皿に
注
(
つ
)
いだ。
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
老栓は忙しそうに
大薬鑵
(
おおやかん
)
を提げて一さし、一さし、銘々のお茶を
注
(
つ
)
いで歩いた。彼の両方の
眶
(
まぶた
)
は黒い輪に囲まれていた。
薬
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
そして、
子供
(
こども
)
が、どんな
悲
(
かな
)
しい
思
(
おも
)
いにふけっているかということも
知
(
し
)
らずに、
徳利
(
とくり
)
を
受
(
う
)
け
取
(
と
)
ると、さっそくその
酒
(
さけ
)
を
盃
(
さかずき
)
に
注
(
つ
)
いで
飲
(
の
)
みはじめました。
幸福のはさみ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
かれは
怖
(
こわ
)
がつて慄ひ乍ら酒を
注
(
つ
)
いで出すと、異人は黙つて飲み乾し、また遊の方へ顔を向けて、
辺
(
あたり
)
には構ひませなんだ。
新浦島
(新字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
そこンところは知らないが、芸が身を助ける不仕合わせ、——といったところでしょうな。おい、おばさん、
注
(
つ
)
いでくれ
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
彼はその
注
(
つ
)
ぎ込みし薬の見る見る回るを認めしのみならず、叔母の
心田
(
しんでん
)
もとすでに一種子の落ちたるありて、いまだ
左右
(
とこう
)
の顧慮におおわれいるも
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
彼女はそう言って、彼らのコップにサイダーを
注
(
つ
)
いだりした。秋川の妹であったころに比べると、彼女はいかにも若妻らしい
淑
(
しと
)
やかさを見せていた。
街頭の偽映鏡
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
すると陳さんはすっかり感激して、もっと飲みなさいもっと飲みなさいとコップに老酒を
注
(
つ
)
いで呉れ、以後友人としてつき会って欲しいなどと言う。
ボロ家の春秋
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
ホモイはそれを
受
(
う
)
けとって
貝
(
かい
)
の火を入れた
函
(
はこ
)
に
注
(
つ
)
ぎました。そしてあかりをけしてみんな早くからねてしまいました。
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
それはバタの油を
拵
(
こしら
)
えてラサの
釈迦牟尼如来
(
しゃかむににょらい
)
の前に
列
(
なら
)
んである黄金の燈明台に、そのバタの油を
注
(
つ
)
いで上げるのです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「金持の道具では
敵
(
かな
)
わぬが、貧乏人の台所なら高が知れておる。それに一通り酒を
注
(
つ
)
いで片っ端から呑み乾すのだ」
怪異暗闇祭
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
“注”の意味
《名詞》
(チュウ、註の書き換え)注釈の略。
(出典:Wiktionary)
“注(
注釈
)”の解説
注釈(註釈、ちゅうしゃく、en: annotation)または注解(註解、ちゅうかい)とは、文章や専門用語について補足・説明・解説するための文書や語句。
本項では、古典や経典における注釈書(ちゅうしゃくしょ、en: commentary)についても扱う。
(出典:Wikipedia)
注
常用漢字
小3
部首:⽔
8画
“注”を含む語句
注意
不注意
水注
注意書
注視
注射
注連縄
注文
集注
御注意
注連
注進
注意深
注連繩
注連飾
問注所
傾注
奔注
御注進
御注
...