“鉄縁”の読み方と例文
読み方割合
てつぶち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
冬子がいで出す茶を一杯飲んで、忠一は鉄縁てつぶちの眼鏡を掛け直しながら、今や本論にろうとする時、の七兵衛がふすまから顔を出した。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
年はもう五十を越しているのであろう、鉄縁てつぶちのパンス・ネエをかけた、鶏のように顔の赤い、短い頬鬚ほおひげのある仏蘭西フランス人である。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ズット前から、度が弱くなっていた古い鉄縁てつぶちの老眼鏡は、ちょうどそこいらに焦点が合うらしく、そのひげだらけのルンペンの口元がよくわかった。
老巡査 (新字新仮名) / 夢野久作(著)