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窒
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つ
ふりがな文庫
“
窒
(
つ
)” の例文
「おれはあの声をきくごとに、からだの何処かが疼いてくる。あの声はおれのからだじゅうを掻き探っておれの呼吸をまで
窒
(
つ
)
めるのだ。」
幻影の都市
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
検事は前方の壁面を見上げて思わず声を
窒
(
つ
)
めた。それ迄バラバラに分離していた多くの謎が、そこで渾然と一つの形に纏まり上っている。
夢殿殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
高頭君は息を
窒
(
つ
)
められて、ヒョロヒョロと
仆
(
たお
)
れた、避けようとした私はジリッと焦げ臭く
髯
(
ひげ
)
を焼かれた、
堪
(
た
)
まらなくなって天幕の外へ首を出すと、偃松の上は、
吹雨
(
しぶき
)
の柱が
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
いつも甘い、不敵な、息の
窒
(
つ
)
まるような予感が通り雲かなどのように、すーっと男の体内を過ぎて行った。男の手にはおのずからある重い力が加わって来た。と、この時初めてお志保は口を開いた。
田舎医師の子
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
底の方にゐる人は暑さに息も
窒
(
つ
)
まりさうになる。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
▼ もっと見る
心が息を
窒
(
つ
)
めてしまいます。
偶感一語
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
熊城も検事も悲壮に緊張していて、
罠
(
わな
)
の奥にうずくまっているかもしれない、
異形
(
いぎょう
)
な超人の姿を想像しては息を
窒
(
つ
)
めた。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
陰気な冷たいズーンとした惹き呼吸を
窒
(
つ
)
められるようで、厭な居ぐるしい気がして、睡りから
醒
(
さ
)
めたりした。
ヒッポドロム
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
この一夜に
於
(
おい
)
て、何よりも、誰よりも、最も親しむべき保護者として頼める善作は、呼吸を
窒
(
つ
)
められたかと疑うばかりに、安々と寝ている、我と彼とは隣り合っているというだけで
奥常念岳の絶巓に立つ記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
その表情は息を
窒
(
つ
)
めたような緊張で、皮膚そのものが紙のようにぱりぱりしているように見えた。
三階の家
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
まして、この事件に妖異な雰囲気を
醸
(
かも
)
し出した当のテレーズが、荒れ
煤
(
すす
)
けた室の暗闇の中から、
暈
(
ぼう
)
っと浮き出たのであるから、その瞬間、三人がハッとして息を
窒
(
つ
)
めたのも無理ではなかった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
もう村人の声もしない、
爆
(
は
)
ぜる音ばかりが続き、
凝乎
(
じっ
)
としては熱風で息が
窒
(
つ
)
まりそうだった。
野に臥す者
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
思いがけぬ崩壊が風をおこして、地上の
濛気
(
もうき
)
が裂けたのである。とたんに、三人がはっと息を
窒
(
つ
)
めた。それまで、濛気に
遮
(
さえぎ
)
られてずっと続いていると思われた密林が、ここで陥没地に切り折れている。
人外魔境:01 有尾人
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「それは誰でした?」そう云って、検事は思わず息を
窒
(
つ
)
めたが
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
窒
常用漢字
中学
部首:⽳
11画
“窒”を含む語句
窒息
窒扶斯
腸窒扶斯
息窒
窒素
窒塞
僂麻窒斯
内窒息
空中窒素
窒息者
窒扶斯患者
窒扶欺
窒素質