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舂
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つ
ふりがな文庫
“
舂
(
つ
)” の例文
子
(
し
)
のたまわくだ。なにしてやがるかと思って、
破
(
やぶ
)
けた窓の障子から
覗
(
のぞ
)
くとね、ポンポチ米を
徳久利
(
とっくり
)
で
舂
(
つ
)
きながら勉強してやがるんだ。
旧聞日本橋:11 朝散太夫の末裔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
縁者
(
えんじゃ
)
親類加勢し合って、
歌声
(
うたごえ
)
賑
(
にぎ
)
やかに、東でもぽったん、西でもどったん、
深夜
(
しんや
)
の眠を驚かして、夜の十二時頃から夕方までも
舂
(
つ
)
く。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
シロは米を
舂
(
つ
)
きしらぐことをいう南洋系の語スラウと関係ある古い国語で、太陽を指すシラシラ又はシナシナなどと同語であるという。
二、三の山名について
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
米
舂
(
つ
)
き大いにその妙を得、大抵両三人、同じく上り、
会読
(
かいどく
)
しながらこれを
舂
(
つ
)
き、『史記』など二十四葉読む間に米
精
(
しろ
)
げ
畢
(
おわ
)
る、また一快なり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
クリノコ 栗の粉、搗栗をさらに
舂
(
つ
)
いて粉にしたもの、青森県の
五戸
(
ごのへ
)
地方では商品になっていた(ひだびと六巻一〇号)。
食料名彙
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
サギを
箒
(
ほうき
)
を持つ役とし、カワセミを御料理人とし、スズメを
碓
(
うす
)
を
舂
(
つ
)
く女とし、キジを泣く役の女として、かように定めて八日八夜というもの遊んでさわぎました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
十兵衛満面に笑みを含みつつ米
舂
(
つ
)
くごとくむやみに頭を下げて、はい、はい、はいと答えおりしが、願いをお取り上げ下されましたか、ああありがとうござりまする
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
台所の庭の方から、遠く寂しく地響のやうに聞えるは、庄馬鹿が米を
舂
(
つ
)
く音であらう。夜も
更
(
ふ
)
けた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
尻餅
(
しりもち
)
舂
(
つ
)
く様に、捨てる様に下ろす。下ろすのではない、荷が下りるのである。
撞
(
どす
)
と云ふはづみに大切の水がぱつとこぼれる。下ろすのも厄介だが、また担ぎ上げるのが骨だ。
水汲み
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
三月の節句に草餅を
舂
(
つ
)
きまするに、
蓬
(
よもぎ
)
が多くありまして、摘みましたものでござりますが、只今では、鉱毒地には蓬が少なき故、利根川堤や山の手へ行つて摘んで参ります。
政治の破産者・田中正造
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
搗
(
カチ
)
グリというものがある。カチとは
舂
(
つ
)
くことで、すなわちクリの実を干し搗いて皮を去りその
中実
(
なかみ
)
(胚を伴うた子葉)を出したものである。それには普通にシバグリを用うる。
植物一日一題
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
ふとお客様が金剛経を
誦
(
じゅ
)
するを聞いて開悟し、黄梅の五祖
弘忍大師
(
こうにんだいし
)
のところへ行って米を
舂
(
つ
)
いて
允可
(
いんか
)
を受け、ついに達磨大師以来六代の
伝衣
(
でんえ
)
を受けて、法流を天下に
布
(
し
)
いたこと
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
一所不住
(
いっしょふじゅう
)
の
沙門
(
しゃもん
)
雲水行脚
(
うんすいあんぎゃ
)
の
衲僧
(
のうそう
)
は必ず樹下石上を
宿
(
やど
)
とすとある。樹下石上とは難行苦行のためではない。全くのぼせを
下
(
さ
)
げるために
六祖
(
ろくそ
)
が米を
舂
(
つ
)
きながら考え出した秘法である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
稲
(
いね
)
舂
(
つ
)
けば
皹
(
かが
)
る
我
(
あ
)
が
手
(
て
)
を
今宵
(
こよひ
)
もか
殿
(
との
)
の
稚子
(
わくご
)
が
取
(
と
)
りて
嘆
(
なげ
)
かむ 〔巻十四・三四五九〕 東歌
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
糯米
(
もちごめ
)
を
磨
(
と
)
ぐことから
小豆
(
あずき
)
を煮ること餅を
舂
(
つ
)
くことまで男のように働き、それで苦情一つ言わずいやな顔一つせず客にはよけいなお世辞の空笑いできぬ代わり
愛相
(
あいそ
)
よく茶もくんで出す
置土産
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
馬鹿と気ちがいと病人とを七分三分に
舂
(
つ
)
き合せたるもの此れを女房というとはヒステリーの妻に呆れたる夫の言にして、単に床の間の置きものとなすは敬して愛せざるものの言う処。
偏奇館漫録
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
追い追い穀を
舂
(
つ
)
く事と、瓢に水を汲んで頭に載せ運び、また
串
(
くし
)
を廻して肉を
炙
(
あぶ
)
る事を教えたというも事実であろう(一七四五年板、アストレイの『新編航記紀行全集』二巻三一四頁)
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
此少年は此等あたりに、冬になると出る
猪
(
しゝ
)
の話を面白く話して聞かせた。『大きいのはあれ位ありますぜ』かう言つて、谷の流れに架つて終日米を
舂
(
つ
)
いてゐる野碓の小屋を指し示した。
春雨にぬれた旅
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
稲
舂
(
つ
)
けば
皸
(
かが
)
る我が手を今宵もか殿の
稚子
(
わくご
)
が取りて嘆かむ(万葉集巻十四、東歌)
雪
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
……
烏帽子
(
えぼし
)
を
被
(
かぶ
)
った鼠、
素袍
(
すおう
)
を着た猿、帳面つける狐も居る、
竈
(
かまど
)
を炊く犬も
居
(
お
)
る、
鼬
(
いたち
)
が
米
(
こめ
)
舂
(
つ
)
く、
蚯蚓
(
みみず
)
が歌う、蛇が踊る、……や、面白い世界じゃというて、殿たちがものとは較べられぬ。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「さようでございます。僧どもの食べる米を
舂
(
つ
)
いておられました」
寒山拾得
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
大きな水車がしぶきの息をふき、雫の汗をたらしてぐわらぐわらぐわらと恐しくまはつてゐる。糠埃のこもつた
舂
(
つ
)
き
場
(
ば
)
には無数の杵がこつとんこつとんと
鈍
(
どん
)
な音をたてて一本足の踊るやうに米をつく。
銀の匙
(新字旧仮名)
/
中勘助
(著)
我が泉氏ははつと云つてピタリと
臀餅
(
しりもち
)
を
舂
(
つ
)
くやうにすわつた。
泉先生と私
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ところが、三月になつて、年米を
舂
(
つ
)
く時に、
稻舂
(
いなつ
)
き女たちに
間食
(
おやつ
)
をやらうと家室さんが
碓屋
(
うすや
)
にはいつてゆくと、彼の犬の仔が吠えておつかけた。
春宵戯語
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
必ず御案じ下されまじく候えども、
甚
(
はなは
)
だ壮なり。隔日『左伝』『八家』
会読
(
かいどく
)
。勿論塾中常居、七ツ過ぎ会読終る。それより畠または米
舂
(
つ
)
き、在塾生とこれを同じうす。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
尻餅
舂
(
つ
)
く様に、捨てる様に下ろす。下ろすのではない、荷が下りるのである。
撞
(
どう
)
と云うはずみに大切の水がぱっとこぼれる。下ろすのも厄介だが、また
担
(
かつ
)
ぎ上げるのが骨だ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
白米は
舂
(
つ
)
きて果実の皮と共に種子の皮をも併せ除きたるなり。時に胚もまた去りてただその胚乳のみ残れり。吾人はこの胚乳を炊きて飯と成し食て以て生命を維持しつつあるなり。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
私達の手許には
幸
(
さいわい
)
に実君が持って来た五升の米がある、今夜の野宿に差支はない、それで今から一斗五升の米を
舂
(
つ
)
かして、明日早朝に源次郎が
夫
(
それ
)
を背負って追い付く手筈に事は決ったのだ。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
実は趣味も理屈もやはり米から自分に
舂
(
つ
)
いたる時にかわらぬ未亡人、何でもかでも自分でせねば頭が痛く、亡夫の時
僕
(
ぼく
)
かなんぞのように使われし
田崎某
(
たざきなにがし
)
といえる正直一図の男を執事として
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
青山に
田地
(
でんち
)
があって、そこから上って来る米だけでも、
家
(
うち
)
のものが食うには不足がなかったとか聞いた。現に今生き残っている三番目の兄などは、その米を
舂
(
つ
)
く音を
始終
(
しじゅう
)
聞いたと云っている。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
案内して是より直に汝が家へ老衲を連れて行ては呉れぬか、と
毫
(
すこし
)
も
辺幅
(
やうだい
)
を飾らぬ人の、
義理
(
すぢみち
)
明かに言葉
渋滞
(
しぶり
)
なく云ひたまへば、十兵衞満面に笑を含みつゝ米
舂
(
つ
)
くごとく無暗に頭を下げて、
唯
(
はい
)
、唯
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
一首の意は、稲を
舂
(
つ
)
いてこんなに
皹
(
ひび
)
の切れた私の手をば、今夜も殿の若君が取られて、可哀そうだとおっしゃることでしょう、御一しょになる時にお恥しい心持もするという余情がこもっている。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「さやうでございます。
僧共
(
そうども
)
の
食
(
た
)
べる
米
(
こめ
)
を
舂
(
つ
)
いてをられました。」
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
今日は関守氏が、逢坂山の裏手から細道伝いに、大谷風呂の裏口へ下りて来て見ますと、小屋があって、その中で、地がらの米を
舂
(
つ
)
いているのが例の三助の三蔵でありましたから、言葉をかけました
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
我が泉氏ははつと云つてピタリと
臀餅
(
しりもち
)
を
舂
(
つ
)
くやうにすわつた。
青春物語:02 青春物語
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
山畑
(
やまはた
)
に
蒔
(
ま
)
いた
茜草
(
あかねぐさ
)
を
舂
(
つ
)
いて
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
米を
舂
(
つ
)
きながら
会読
(
かいどく
)
するの先生あれば、
糠
(
ぬか
)
を
篩
(
ふる
)
いながら講義を聞く生徒もあるべし。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
例年
(
れいねん
)
隣家
(
となり
)
を頼んだ
餅
(
もち
)
を
今年
(
ことし
)
は
自家
(
うち
)
で
舂
(
つ
)
くので、
懇意
(
こんい
)
な車屋夫妻が
臼
(
うす
)
、
杵
(
きね
)
、
蒸籠
(
せいろう
)
、
釜
(
かま
)
まで
荷車
(
にぐるま
)
に積んで来て、
悉皆
(
すっかり
)
舂いてくれた。
隣
(
となり
)
二軒に
大威張
(
おおいばり
)
で
牡丹餅
(
ぼたもち
)
をくばる。
肥後流
(
ひごりゅう
)
の
丸餅
(
まるもち
)
を造る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
舂
漢検1級
部首:⾅
11画
“舂”を含む語句
米舂
夕舂日
挽舂
剉焼舂磨
舂米屋
舂女
餅舂
賃舂
舂米部
舂米女
舂杵
舂引音頭
舂屋
舂場
舂入
立舂
稻舂
碓舂
石舂
泉舂