雪をんな(二)ゆきおんな(に)
—— その時からまた、又の七年目が𢌞り來ようとしてゐる。私には最早、歸るべき家も妻も子もないのである。さうして私は尚この上に永久に、この寒い雪の多い北國の島國を、當もなく涯から涯へと彷徨ひ歩かねばならぬのであつた。…… —— その最初の結婚 …