)” の例文
新字:
そのかは小六ころくさん、はゞかさま座敷ざしきてて、洋燈ランプけて頂戴ちやうだいいまわたしきよはなせないところだから」と依頼たのんだ。小六ころく簡單かんたん
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「やい、宿やど六、めしをだしてくれ、めしを。はらがぺこぺこだ。え。こんなにくらくなつたに、まだランプもけやがらねえのか。え、おい」
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
しな塔婆たふばまへにそれから其處そこら一ぱい卵塔らんたふまへ線香せんかうすこしづゝ手向たむけて、けてほつかりとあかつた提灯ちやうちんげてもどつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
禮心れいごころに、あかりけておともをしませう……まち𢌞まはつて、かどまでおむかひにまゐつてもうござんす……には御覽ごらんなさいませんか。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
斯の手紙で私が今貴女に御話して居るのは、銀座の大倉組の角にいた白い強い電燈の光が東京の人の眼に珍しく映つた頃のことです。
かれよるになつてもあかりをもけず、よもすがらねむらず、いまにも自分じぶん捕縛ほばくされ、ごくつながれはせぬかとたゞ其計そればかりをおもなやんでゐるのであつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
私はまた煙草に火をけて、甲板の片隅の蓙の上に腰を降した。冷たい潮風が絶えず頬を流れて、紫色の煙草の烟をすいすいと消して行つた。
修道院の秋 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
それから、今朝は物置に入つてゐると、外から戸を締めて、輪鍵わかぎをかけて心張しんばりをした上、炭俵へ火をけた者があります。
室には夜ツぴてけておいた洋燈ランプの油煙やら病人の臭氣やらがムッと籠つてゐた。お利代は洋燈ランプを消し、窓を明けた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
わらに火をけて蜂の巣を燒かうとすると、火はたちま空洞うつろの枯れ果てた部分に移つて、ゴウ/\と盛んに燃え出し、村人が大勢で、火消し道具を持つたり
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
折々おり/\、西洋奇術の貼札はりふだが紅いへらへら踊の怪しい景氣をつけるほかには、よし今のやうに、アセチリン瓦斯をけ、新たに電氣燈でんきをひいて見たところで、格別
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
それはどこかのきちんとした下女か何かゞ、提灯をけて買物に出て行くのだと冷吉は自分で考へた。
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
右へ轉んだり左へ寢返つたりしてゐたが、少しも睡りは催されなくつて、電燈のくころになつた。
仮面 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
燈火あかりわたし唯今たゞいまけたので御座ござんす、まこといままでお留守居るすいをしてましだのなれど、うちのやんちやが六ツかしやをふに小言こごといふとてけました、御親造ごしんぞ今日けふ晝前ひるまへ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
とう/\珈琲コーヒーが運ばれ紳士たちが招ばれた。私は蔭の方に坐つた——若しこの輝かしくあかりいた部屋に少しでも蔭があるとしたならば。窓掛が半ば私を隱してくれた。
電燈がいてから私は机にむかひながら、乏しい炭火にあたつてゐると、廊下の方の障子にさらさらと衣擦れの音がした。もしやと思ふ間もなく、おすゑが訊ねて來たのである。
蒼白き巣窟 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
羅馬の市に竿燈かんとうくるは近き世の事にて、其の頃はまださるものなかりしなり。狹き枝みちに歩み入れば、平ならざる道を照すもの唯だ聖母の像の御前みまへに供へたる油燈のみなり。
茶の間の電氣をけて其邊を見まわすと、其處には先刻さつき義男が投げ付けた煙草盆の灰のこぼれと、蹴散らされた膳の上のものとが、汚らしく狼藉としてゐるばかりで義男はゐなかつた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
手撈てさぐりに、火鉢の抽斗ひきだしからマツチを取出すと、手捷てばしこすりつけて、一昨日おとゝひ投出ほうりだして行つたまゝのランプを、臺所だいどこの口から持つて來て、火をけたが、もう何をする勇氣もなく、取放とりツぱなしの蒲團の上に
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
てた燐寸マツチえさしが道端みちばた枯草かれくさけて愚弄ぐろうするやうながべろ/\とひろがつても、見向みむかうともせぬほどかれものうげである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
不幸ふかうにも、この心配しんぱいくれ二十日過はつかすぎになつて、突然とつぜん事實じじつになりかけたので、宗助そうすけ豫期よき恐怖きようふいたやうに、いたく狼狽らうばいした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
積薪せきしんひそかあやしむ、はてな、此家このいへ納戸なんどにはよひからあかりけず、わけて二人ふたりをんな別々べつ/\へやはずを、何事なにごとぞとみゝます。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そして幾度か燐寸マツチを擦り消しながら、やつと煙草に火をけると、歩調をとるやうにして狹い甲板を往き來した。私はそのまま詞を途切つて海を眺めてゐた。
修道院の秋 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
『だら、朝早かべせえ。』と言つたが、『小遣錢こづげええべがな? ドラ、手ランプけろでヤ。』
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
こゝで、葉卷を取り出して火をける間の沈默があとに續いた。それを唇にくはへて、薫たかいハバナの煙を、ひややかな曇り日の空氣にふかし、彼はまた語りつゞけた。——
燐寸マッチを摺つてパツと灯をけると、お時の白い手が先づまぶしいほどに光つて見えた。青い色の臺の裾をおほふほどに房々と編まれた毛絲のラムプ敷の赤いのが、ケバ/\しかつた。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
その上、燈明はけたまゝ、二人の小僧が、不寢ねずの番をして見張つて居りました。
銭形平次捕物控:274 贋金 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
それからよるになつてあかりいて「おやすみなさい」ときくと、おなじやうに
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
口嗽ぎただちをろがみ、珠數かぞへ南無妙法蓮華經、かがなべて朝に五千、ひる過ぎて夕かけて三千、湯を浴み、御燈明みあかしけ、殘りの二千、一萬遍唱へつづけて、眞正まただしくひと日もおちず、國のため
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
與吉よきちなゝめくのがすこ窮屈きうくつであつたのと、叱言こごとがなければたゞ惡戲いたづらをしてたいのとでそばかまどくちべつ自分じぶん落葉おちばけた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
最後さいごまるあないた反射鏡はんしやきやうして、宗助そうすけ蝋燭らふそくけてれとつた。宗助そうすけ蝋燭らふそくたないので、きよ洋燈らんぷけさした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
すくなくも、電燈でんとうくやうにると、人間にんげん横着わうちやくで、どうしてあんなだつたらうとおもふ、がそれはまつたくくらかつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「ぢや野天の焚火たきびか知ら、今けたばかりの。」私はいぶかつた。そして擴がりはしないかとぢつと見守つた。處がそんな氣配もない、それは消えないと同樣に、擴がりもしないのだ。
「ところで、いろ/\訊き度いことがある。提灯ちやうちんけて、納屋へ來てくれ」
ここのやとかげまたく無し消し棄てにふたたびとけずいねにたるらし
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
そして所在なきままに煙草に火をけては、しきりなく吸つた。
修道院の秋 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
面疱にきびだらけの女中ねえさんが燐寸マツチつてけて、さしぼやをさすと、フツとしたばかり、まだのついたまゝのもえさしを、ポンとはすつかひにげた——
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
表がかりの贅澤な普請ふしんに似氣なく、此處はまたひどい荒れやうで、雨戸の板は陽に反つたまゝ場所によつては五分以上も口を開いて居るので、若しこれが夜で、中に灯がいて居るとしたら
銭形平次捕物控:180 罠 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
蓆戸むしろどやしまく夜霧をありありとは赤くけて芝居うつ子ら
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
が、不斷ふだんだと、魑魅ちみ光明くわうみやうで、電燈でんとうぱつけて、畜生ちくしやうつぶてにして追拂おひはらふのだけれど、あかり覺束おぼつかなさは、天井てんじやうからいきけると吹消ふつけされさうである。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あかりいて居たのですね、確かに」
青いきや、わがこころ
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
な、えてりませう……けれども、お前樣まへさまから、さかうへはうかぞへまして、何臺目なんだいめかの瓦斯がすひとつ、まだあかりいてらねばなりませぬ。……えますか。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「灯はいて居たのだな」
ケエツグリのあたまに火がいた
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
外面おもての、印度洋インドやういたはうの、大理石だいりせき𢌞まはえんには、のきからけて、ゆかく……水晶すゐしやうすだれに、ほし數々かず/\ちりばめたやうな、ぎやまんの燈籠とうろうが、十五、晃々きら/\いてならんでます。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
白井しらゐさんが懷中電燈くわいちうでんとうをキラリとけて、さうつてくだすつた。わたし口吃くちきつしつゝかうべげた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こたへた、如何いかにも一だいうすぼんやりと、みだれて、もやながれさうにいてる。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
づおまをすが、唯今たゞいまさかの、われらが片寄かたよつて路傍みちばたちました……崖下がけしたに、づら/\となぞへにならびました瓦斯燈がすとうは、幾基いくだいところあかりいて、幾基いくだいところえてります。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
雪洞ぼんぼりけてさがしましたところで、第一だいいちかたちだつてとまるんぢや、ありますまい。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)