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狙
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つ
ふりがな文庫
“
狙
(
つ
)” の例文
ところが、
太史慈
(
たいしじ
)
は、稀代な騎乗の上手であった。
尾側
(
びそく
)
へ
狙
(
つ
)
けいろうとすると、くるりと駒を躍らせて、こっちの後ろへ寄ってくる。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それじゃアあの女を知ってるのか。俺の
狙
(
つ
)
けてる淫売だが」
銀三十枚
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
しかも尻へ尻へ
狙
(
つ
)
け廻って来る人間の素早さに、虎はクルクル自転せざるを得ず、それには虎もいささか眼が
眩
(
くら
)
み出して来たように見える。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そうだろう、お前は
切支丹
(
きりしたん
)
屋敷を脱出した、ころびばてれんの娘だ。お前を容れる世間はなく、お前を
狙
(
つ
)
け廻す宗門役人があるばかりだ」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
執念ぶかく追いかけて来た敵の大庭景親の兵は、頼朝が、どう
晦
(
くら
)
まそうとしても、においを
嗅
(
か
)
ぎ知って、
狙
(
つ
)
け
纏
(
まと
)
って来た。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
大牟田公平の事を考え出すと、彼女は昼間の町中でも、思わず背を振向いて、何かに
狙
(
つ
)
けられているような
眸
(
まなざし
)
をした。
死んだ千鳥
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それも、目にとまらないほどな
迅
(
はや
)
さをもってしなければならない。——また、後ろへ後ろへと、
狙
(
つ
)
け廻っている
他
(
ほか
)
の敵に対しても、身構えを必要とする。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……だが、西山荘の隠居には、そも何の憎しみをふくんで、かくは吉保の
生命
(
いのち
)
をちぢめんと
狙
(
つ
)
けまわされるのか。
物好
(
ものごの
)
みというには余りに怖ろしい執念ではある
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お前は、そうして順礼姿、わしは、縮布屋の丈八と身なりまで変えて、こうして相手の一角を
狙
(
つ
)
けているなんていう事は、旅先で、知ってる者はない筈だが? ……」
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「仰っしゃるような
辛
(
つら
)
さには耐えても、世間は世の隅にもおいてはくれませぬ。恐ろしいお人が、つねにこの身を追ッて、捕えずにはおかぬと、
狙
(
つ
)
け
廻
(
まわ
)
しておりまする」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それなる浪人は、仔細あって
某
(
それがし
)
等が、永年仇と
狙
(
つ
)
け廻して、今日図らず出会いましたる曲者。甚だ勝手ではござりまするが、ご慈悲を以て私共へお下げ渡し願いとう存じます」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
仇
(
かたき
)
を討たんとして、
怨霊
(
おんりょう
)
のごとく、
狙
(
つ
)
けまわしている間が、切実なる復讐の間で、
斃
(
たお
)
して、仇の喉三寸に
刺刀
(
とどめ
)
を貫くことは、仇の罪業をゆるし、同時に彼を救ってやることになる。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「どうする気だ! 飛んだことをしゃべったじゃねえか。もし万太郎が金吾の体を取っ返して見ろ、今度は二人がかりで
紛失物
(
ふんしつもの
)
を探しながら、この伊兵衛の命を
狙
(
つ
)
け廻すにちがいねえ」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
加うるに老母の影は、
薙刀
(
なぎなた
)
の光を曳いて、背中へ背中へと
狙
(
つ
)
け廻って来る。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
兜巾
(
ときん
)
をあてた
眉間
(
みけん
)
には、去年の秋以来、
狙
(
つ
)
けまわしている必殺の気がみなぎっている。綽空の後を
尾
(
つ
)
けてくる前に、京の刀師に、その腰におびている戒刀も充分に
研
(
と
)
がせてきたくらいだった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
木曾の
野洲川
(
やすがわ
)
に大きな勢力を持っているばかりでなく、また兵法の達人であるばかりでなく、
乱波
(
らっぱ
)
(
忍者
(
しのび
)
)の上手で、この男が殺そうと
狙
(
つ
)
けねらった人間で天寿を
全
(
まっと
)
うしている者はかつてなかった。
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
不審な将士に、
狙
(
つ
)
け
廻
(
まわ
)
されて、刃を
擬
(
ぎ
)
せられた事もあった。
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そうか、悪魔は、そなたまでを、
狙
(
つ
)
けているか」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
国俊の一刀、八方眼に
狙
(
つ
)
け
澄
(
すま
)
まして
血顫
(
ちぶる
)
いした。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
狙
常用漢字
中学
部首:⽝
8画
“狙”を含む語句
空巣狙
狙撃
狙矢
附狙
付狙
狙仙
狙撃弾
狼狙
諸道聴耳世間狙
狙射
狙所
狙撃兵
狙撃犯人
狙撃連隊
猨狙
獱狙