“忍者”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しのび50.0%
にんじゃ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこで、書院窓の明りを避けて、ソロ……と四、五尺身を退いた。——と思うと長廊下、忍者しのびふせぎの仕掛張しかけばりが、キキキキ……と鳴くかのようにきしみだす。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
木曾の野洲川やすがわに大きな勢力を持っているばかりでなく、また兵法の達人であるばかりでなく、乱波らっぱ忍者しのび)の上手で、この男が殺そうとけねらった人間で天寿をまっとうしている者はかつてなかった。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伊賀流いがりゅう忍者にんじゃ菊池半助きくちはんすけと、果心居士かしんこじのおしえをうけた木隠龍太郎とが、双方そうほう、水のごとくたいしたとき、しずかな耳をきぬくように、一せい短笛たんてきがつよく流れた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おらの村にゃいねえが、少し奥へ行くと、伊賀衆だの、甲賀衆だのっていう、忍者にんじゃのやしきが幾らもあるで——その伊賀衆たちが、修行するのを見て、おらも真似して、修行したんだ」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)