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杖
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つ
ふりがな文庫
“
杖
(
つ
)” の例文
鎌を
杖
(
つ
)
いてその上に腕をくみ合せ、何処を見るともなくきょとんとした眼つきをして、
涯
(
はて
)
しもなく
種々
(
いろいろ
)
なことを思いだしていた。
麦畑
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
この両側左右の背後に、
浄名居士
(
じょうみょうこじ
)
と、
仏陀波利
(
ぶっだはり
)
が
一
(
ひとつ
)
は
払子
(
ほっす
)
を振り、
一
(
ひとつ
)
は
錫杖
(
しゃくじょう
)
に
一軸
(
いちじく
)
を結んだのを肩にかつぐように
杖
(
つ
)
いて立つ。
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
躬
(
み
)
が
杖
(
つ
)
きたまえる矛を王宮の門に立て、占領の証とし、平和条約を結び、毎年金、銀、彩色、綾羅、絹縑等を船八十艘に積んで貢物とすべく約した。
日本上古の硬外交
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
演壇の右側には一警視の剣を
杖
(
つ
)
きて、弁士の横顔穴も
穿
(
あ
)
けよと
睨
(
にら
)
みつゝあり、三名の巡査は
俯
(
ふ
)
して速記に
忙殺
(
ばうさつ
)
せらる
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「奴隷と云われても耻とも思わんような、犬……犬……犬猫同前な奴に手を
杖
(
つ
)
いて頼めと仰しゃるのですか」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
杖
(
つ
)
ける矛を樹てゝ来られた(紀)といふのも、刄物のついた槍の類ではなく、神祭りの幡桙であつた事は、奈良の都になつて、神祭りに関係ありさうな
杠谷樹
(
ヒヽラギ
)
の八尋桙根が
幣束から旗さし物へ
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
棒を
杖
(
つ
)
いた商人
体
(
てい
)
の不思議な人物のみは、自分が検査役かの如き気取りで、平然としてもとの立場を動かず、そのくせ、両陣の争いはいよいよその身に近くなってきています。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
菊五郎の松王丸、「やれ
俣
(
ま
)
たれよ玄蕃殿」と声かけ
駕籠
(
かご
)
より出で、左手に刀を
杖
(
つ
)
き、下手の
床几
(
しょうぎ
)
にかかり「助けて返す」にて咳入り「つら改めて」にて右手を懐に入れ、後へ体をのしてきまる。
両座の「山門」評
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
權「困った奴だ、何うかして歩け、此の棒を
杖
(
つ
)
け」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
筋向
(
すじむか
)
いの
垣根
(
かきね
)
の
際
(
きわ
)
に、こなたを待ち受けたものらしい、
鍬
(
くわ
)
を
杖
(
つ
)
いて立って、
莞爾
(
にこ
)
ついて、のっそりと
親仁
(
おやじ
)
あり。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
自身も恐らくは無理と知り
宛
(
つつ
)
無理を
陳
(
なら
)
べて一人で立腹して、また一人で立腹したとてまた一人で立腹して、罪も
咎
(
とが
)
も無い文三に手を
杖
(
つ
)
かして
謝罪
(
わび
)
さしたので有ろう。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
あの方が
壮盛
(
わかざか
)
りに、棒術を
嗜
(
この
)
んで、今にも事あれかしと謂った顔で、立派な
甲
(
よろい
)
をつけて、のっしのっしと長い物を
杖
(
つ
)
いて歩かれたお姿が、あれを見ていて、ちらつくようだなど
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
槍を
杖
(
つ
)
いて来たのは机竜之助で
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
何かに紛れてランプ配りが
晩
(
おそ
)
くなった時などは、もう夕闇が隅々へ行渡って薄暗くなった此の部屋の中に、机に
茫然
(
ぼんやり
)
頬杖を
杖
(
つ
)
いてる雪江さんの眼鼻の定かならぬ顔が、唯
円々
(
まるまる
)
と
微白
(
ほのじろ
)
く見える。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
さう言へばあの方が
壮盛
(
わかざか
)
りに、
矛使
(
ほこゆ
)
けを
嗜
(
この
)
んで、今にも事あれかしと謂つた顔で、立派な
甲
(
よろひ
)
をつけて、のつし/\と長い物を
杖
(
つ
)
いて歩いたお姿が、ちらつくやうだなどゝ、相槌をうつ者も出て来た。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
汝
(
うぬ
)
ら見送っても命がないぞと、近寄ったのを五、六人、蹴散らして、ぱっと
退
(
ひ
)
く中を、
衝
(
つ
)
と抜けると、岩を飛び、岩を飛び、岩を飛んで、やがて槍を
杖
(
つ
)
いて
岩角
(
いわかど
)
に隠れて、それなりけりというので
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今更手を
杖
(
つ
)
いて一
着
(
ちゃく
)
を
輸
(
ゆ
)
する事は、文三には死しても出来ぬ。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
“杖”の解説
杖(つえ)は、体を支え、歩行の助けとするために用いられる細長くまっすぐな、手で持つのに適した道具。長くて自分の腰の高さ程度のもので、木製、竹製である場合が多い。稀に象牙や金属で作られることもある。杖は権威の象徴とされたほか、蛇や獣を追い払う道具さらに武器としても使われた。また、白杖は視覚障害者の安全の確保のためにも用いられる。
(出典:Wikipedia)
杖
漢検準1級
部首:⽊
7画
“杖”を含む語句
洋杖
頬杖
撞木杖
竹杖
錫杖
虎杖
金剛杖
松葉杖
粥杖
息杖
側杖
仕込杖
弓杖
頤杖
杖柱
禅杖
遊杖
卯杖
刀杖
桛杖
...