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突
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つ
ふりがな文庫
“
突
(
つ
)” の例文
笹村には思っていることをあまり顔に出さないような深山の胸に横たわっている力強いあるものに
打
(
ぶ
)
ッ
突
(
つ
)
かったような気がしていた。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
農家の垣には梨の花と八重桜、畠には
豌豆
(
えんどう
)
と
蚕豆
(
そらまめ
)
、
麦笛
(
むぎぶえ
)
を鳴らす音が時々聞こえて、
燕
(
つばめ
)
が街道を斜めに
突
(
つ
)
っ
切
(
き
)
るように飛びちがった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
女同士
(
をんなどうし
)
はわあと
只
(
たゞ
)
笑
(
わら
)
ひ
聲
(
ごゑ
)
を
發
(
はつ
)
して
各自
(
てんで
)
に
對手
(
あひて
)
を
突
(
つ
)
いたり
叩
(
たゝ
)
いたりして
亂
(
みだ
)
れつゝ
騷
(
さわ
)
いだ。
突然
(
とつぜん
)
一人
(
ひとり
)
がおつぎの
髮
(
かみ
)
へひよつと
手
(
て
)
を
掛
(
か
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
と、また飛びついてきたやつは、待ちかまえていた六部が、気合いをかけた
当身
(
あてみ
)
のこぶしで、
顎
(
あご
)
をねらってひと
突
(
つ
)
きに、突きとばす。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
此女
(
このをんな
)
は
国
(
くに
)
から
連
(
つ
)
れて
来
(
き
)
たのではない、
江戸
(
えど
)
で
持
(
も
)
つた
女
(
をんな
)
か知れない、それは
判然
(
はつきり
)
分
(
わか
)
らないが、
何
(
なに
)
しろ
薄情
(
はくじやう
)
の
女
(
をんな
)
だから
亭主
(
ていしゆ
)
を
表
(
おもて
)
へ
突
(
つ
)
き出す。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
苦情
(
くじよう
)
を
持
(
も
)
ち
込
(
こ
)
みましたので、まやかしものといふことがわかつて、これも
忽
(
たちま
)
ち
突
(
つ
)
っ
返
(
かへ
)
され、
皇子
(
みこ
)
は
大恥
(
おほはぢ
)
をかいて
引
(
ひ
)
きさがりました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
すぐ
夫
(
をつと
)
は
傍
(
そば
)
から
松葉
(
まつば
)
を
拾
(
ひろ
)
ひ
上
(
あ
)
げて
穴
(
あな
)
の
中
(
なか
)
をつつ
突
(
つ
)
いた。と、
蜂
(
はち
)
はあわてて
穴
(
あな
)
から
出
(
で
)
て
來
(
き
)
たが、
忽
(
たちま
)
ち
松葉
(
まつば
)
に
向
(
むか
)
つて
威嚇的
(
ゐかくてき
)
な
素振
(
そぶり
)
を
見
(
み
)
せた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
此の
突
(
つ
)
ツ
放
(
ぱな
)
すやうな仕打をされたので、近子は
些
(
ちつ
)
と
拍子抜
(
ひやうしぬけ
)
のした氣味であつたが、
何
(
な
)
んと思つたのか、また
徐々
(
そろ/\
)
所天
(
をつと
)
の傍へ寄ツて
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「やあ、なんだい?」といって、百
姓
(
しょう
)
はほおかぶりをした
顔
(
かお
)
で
仰
(
あお
)
ぎますと、
大
(
おお
)
きな
黒
(
くろ
)
い
木
(
き
)
が
星晴
(
ほしば
)
れのした
空
(
そら
)
に
突
(
つ
)
っ
立
(
た
)
っていました。
百姓の夢
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
自分
(
じぶん
)
も
夫
(
それ
)
で
澤山
(
たくさん
)
だと
考
(
かんが
)
へて、
器械
(
きかい
)
か
何
(
なん
)
ぞと
膝
(
ひざ
)
を
突
(
つ
)
き
合
(
あは
)
せ
肩
(
かた
)
を
並
(
なら
)
べたかの
如
(
ごと
)
くに、
行
(
い
)
きたい
所
(
ところ
)
迄
(
まで
)
同席
(
どうせき
)
して
不意
(
ふい
)
と
下
(
お
)
りて
仕舞
(
しま
)
ふ
丈
(
だけ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
垣根
(
かきね
)
の
中
(
なか
)
へ
突
(
つ
)
ンのめったばっかりに、ゆっくり
見物
(
けんぶつ
)
出来
(
でき
)
るはずのおせんの
裸
(
はだか
)
がちらッとしきゃのぞけなかったんだ。——
面白
(
おもしろ
)
くもねえ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
裙
(
すそ
)
が
未
(
ま
)
だ
此
(
こ
)
の
肱
(
ひぢ
)
に
懸
(
かゝ
)
つて、
橋
(
はし
)
に
成
(
な
)
つて
床
(
ゆか
)
に
着
(
つ
)
く、
仰向
(
あふむ
)
けの
白
(
しろ
)
い
咽喉
(
のど
)
を、
小刀
(
ナイフ
)
でざつくりと、さあ、
斬
(
き
)
りましたか、
突
(
つ
)
いたんですか。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その後津村がこれらの文書を手がかりとして母の生家を
突
(
つ
)
きとめるに至った過程については、あまり
管々
(
くだくだ
)
しく書くまでもなかろう。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
(やはり、どこか
突
(
つ
)
きぬけたところのある人だ。ものごとにとらわれない、あの自然さは、ぼくなんかとは、まるで段がちがう。)
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
『
痴人
(
ばか
)
め!』
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
焦心
(
ぢれ
)
ッたさうに
御自身
(
ごじしん
)
の
頭
(
あたま
)
を
突
(
つ
)
き
出
(
だ
)
して
申
(
まを
)
されました、それから
愛
(
あい
)
ちやんに
振向
(
ふりむ
)
いて、『
何
(
なん
)
と
申
(
まを
)
す
名
(
な
)
ぢや?
子供
(
こども
)
』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「あはは、しびよ。そちは
魚
(
さかな
)
だ。いかにいばっても、そちを
突
(
つ
)
きに来る
海人
(
あま
)
にはかなうまい。そんなにこわいものがいては悲しかろう」
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
家へは帰らずジョバンニが町を三つ
曲
(
ま
)
がってある大きな
活版所
(
かっぱんじょ
)
にはいって
靴
(
くつ
)
をぬいで上がりますと、
突
(
つ
)
き当たりの大きな
扉
(
とびら
)
をあけました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
うっかりどこにでも出そうものなら、たちまち敵国の空中スパイに発見されて、こっちの新しい地下都市の
所在
(
しょざい
)
を
突
(
つ
)
き
留
(
と
)
められてしまう。
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
『
玄竹
(
げんちく
)
、
其方
(
そち
)
に
逢
(
あ
)
つたのは、いつが
初對面
(
しよたいめん
)
だツたかなう。』と、
但馬守
(
たじまのかみ
)
は
空
(
から
)
の
盃
(
さかづき
)
を
玄竹
(
げんちく
)
の
前
(
まへ
)
に
突
(
つ
)
き
出
(
だ
)
して、
銚子
(
てうし
)
の
口
(
くち
)
を
受
(
う
)
けながら
言
(
い
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「六部になった倉松は、町内の顔役で、日頃宗次郎とは、
角
(
つの
)
突
(
つ
)
き
合
(
あ
)
いばかりしていますよ。宗次郎が死んで一番伸び伸びするのは倉松で」
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「浮世には思い出もあらず」また墓標の裏の言葉が胸を
突
(
つ
)
いて出た。——我々置き去りにされたインテリはいったいどうすればいいのだ。
魚の序文
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
わたしは、つんつるてんの短い上着を着たまま、じっとそこに
突
(
つ
)
っ
立
(
た
)
って、
死刑
(
しけい
)
を言い
渡
(
わた
)
された
囚人
(
しゅうじん
)
よろしくのていで
床
(
ゆか
)
を見つめていた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
私は教会の前を曲って、その裏手の
橡
(
とち
)
の林を
突
(
つ
)
き抜けて行った。私はときどき青空を見上げた。いかにもまぶしそうに顔をしかめながら。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
『そんなでれ助だから君は駄目だよ』と突き飛ばしてやっても
突
(
つ
)
ん
踣
(
のめ
)
ったまゝ矢っ張りニコ/\していた。彼奴は余っ程馬鹿だよ
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
チョイと
突
(
つ
)
っ
張
(
ぱ
)
ってみる、いわゆる張りだね、女はそういうふうな男を勝手にしたり、また勝手にされてみたりすると、夢中になるものだ。
あの時分
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
悪い男
云々
(
うんぬん
)
を聴き
咎
(
とが
)
めて蝶子は、何はともあれ、
扇子
(
せんす
)
をパチパチさせて
突
(
つ
)
っ立っている柳吉を「この人
私
(
わて
)
の何や」と
紹介
(
しょうかい
)
した。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
いつも
憤然
(
ふんぜん
)
として
大
(
おおい
)
に
怒
(
いか
)
り、さながら自分の愛人を
侮辱
(
ぶじょく
)
された時の
騎士
(
きし
)
のごとく、
鋭
(
するど
)
い
反撃
(
はんげき
)
の
槍
(
やり
)
をふるって
突
(
つ
)
き当って行った。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
『
誰人
(
だれ
)
も
迎
(
むか
)
えに
来
(
き
)
てくれるものはないのかしら……。』
私
(
わたくし
)
はまるで
真暗闇
(
まっくらやみ
)
の
底無
(
そこな
)
しの
井戸
(
いど
)
の
内部
(
なか
)
へでも
突
(
つ
)
き
落
(
おと
)
されたように
感
(
かん
)
ずるのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
せめての申訳というではないが、何やら急に清岡の事が恋しくなって、君江は歩きながら
突
(
つ
)
と
摺寄
(
すりよ
)
って人通りをもかまわずその手を握った。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
と、
同時
(
どうじ
)
に、はげしく水の中にもりを
突
(
つ
)
っこみました。もりを引きあげたときには、みごとなウナギが突きささっていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
これでは
突
(
つ
)
けない。打てない。モンクスはまっかになっておこると、富田六段の頭へ一撃をくらわせようと、まわりだした。
柔道と拳闘の転がり試合
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
こういう職務に立つときの
彼女
(
かのじょ
)
の姿態に針一
突
(
つ
)
きの間違いもなく手間の極致を
尽
(
つく
)
して
彫
(
ほ
)
り出した
象牙
(
ぞうげ
)
細工のような非人情的な完成が見られた。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
そして
鋭
(
するど
)
い
歯
(
は
)
をむき
出
(
だ
)
しながら
子家鴨
(
こあひる
)
のそばに
鼻
(
はな
)
を
突
(
つ
)
っ
込
(
こ
)
んでみた
揚句
(
あげく
)
、それでも
彼
(
かれ
)
には
触
(
さわ
)
らずにどぶんと
水
(
みず
)
の
中
(
なか
)
に
跳
(
と
)
び
込
(
こ
)
んでしまいました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
踵
(
きびす
)
を
囘
(
かへ
)
してツト
馳出
(
はせい
)
づればお
高
(
たか
)
走
(
はし
)
り
寄
(
よ
)
つて
無言
(
むごん
)
に
引止
(
ひきと
)
むる
帶
(
おび
)
の
端
(
はし
)
振拂
(
ふりはら
)
へば
取
(
とり
)
すがり
突
(
つ
)
き
放
(
はな
)
せば
纒
(
まと
)
ひつき
芳
(
よし
)
さまお
腹
(
はら
)
だちは
御尤
(
ごもつと
)
もなれども
暫時
(
しばし
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
起きあがつて見ると、ころぶときに地べたに
突
(
つ
)
いたらしく、右の掌に
擦
(
す
)
り
傷
(
きず
)
がついてゐた。その他は別
段
(
だん
)
故
障
(
せう
)
もなかつた。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
突
(
つ
)
と立上ってバラバラとお縁側から庭先へ飛び降りた。肩上の付いた紋服、小倉の
馬乗袴
(
うまのりばかま
)
、小さな白足袋が、
山茶花
(
さざんか
)
の植込みの間に消え込んだ。
名君忠之
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
長火鉢の
猫板
(
ねこいた
)
に
片肱
(
かたひじ
)
突いて、美しい
額際
(
ひたいぎわ
)
を抑えながら、片手の
火箸
(
ひばし
)
で炭を
突
(
つ
)
ッ
衝
(
つ
)
いたり、灰を
平
(
なら
)
したりしていたが、やがてその手も動かずなる。
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
院長
(
いんちょう
)
は
片手
(
かたて
)
で
頬杖
(
ほおづえ
)
を
突
(
つ
)
きながら
考込
(
かんがえこ
)
んで、ただ
機械的
(
きかいてき
)
に
質問
(
しつもん
)
を
掛
(
か
)
けるのみである。
代診
(
だいしん
)
のセルゲイ、セルゲイチが
時々
(
ときどき
)
手
(
て
)
を
擦
(
こす
)
り
擦
(
こす
)
り
口
(
くち
)
を
入
(
い
)
れる。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
理不盡
(
りふじん
)
なる
怒
(
いかり
)
の
切先
(
きっさき
)
、
只
(
たゞ
)
一突
(
ひとつき
)
にとマーキューシオー
殿
(
どの
)
の
胸元
(
むなもと
)
をめがけて
突
(
つ
)
いてかゝりまする、
此方
(
こなた
)
も
同
(
おな
)
じく
血氣
(
けっき
)
の
勇士
(
ゆうし
)
、なにを
小才覺
(
ちょこざい
)
なと
立向
(
たちむか
)
ひ
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
だから村の人たちもあの男が行ったら、さすがの
鬼
(
おに
)
どももどてっ
腹
(
ぱら
)
を
突
(
つ
)
っこぬかれたり、首っ玉を引っこ
抜
(
ぬ
)
かれたりしてしまうだろうと話し合った。
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
此故
(
このゆゑ
)
に
腥
(
なまぐさ
)
き
血
(
ち
)
の
臭
(
にほひ
)
失
(
う
)
せて
白粉
(
おしろい
)
の
香
(
かをり
)
鼻
(
はな
)
を
突
(
つ
)
く
太平
(
たいへい
)
の
御代
(
みよ
)
にては
小説家
(
せうせつか
)
即ち
文学者
(
ぶんがくしや
)
の
数
(
かず
)
次第々々
(
しだい/\
)
に
増加
(
ぞうか
)
し、
鯛
(
たひ
)
は
花
(
はな
)
は
見
(
み
)
ぬ
里
(
さと
)
もあれど、
鯡
(
にしん
)
寄
(
よ
)
る
北海
(
ほつかい
)
の
浜辺
(
はまべ
)
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
わたしはまだ
今
(
いま
)
までに、あの
位
(
くらゐ
)
氣性
(
きしやう
)
の
烈
(
はげ
)
しい
女
(
をんな
)
は、
一人
(
ひとり
)
も
見
(
み
)
た
事
(
こと
)
がありません。もしその
時
(
とき
)
でも
油斷
(
ゆだん
)
してゐたらば、
一突
(
ひとつ
)
きに
脾腹
(
ひばら
)
を
突
(
つ
)
かれたでせう。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
毎日洋服を着て書類を入れた風呂敷
包
(
づつみ
)
を
小脇
(
こわき
)
に
挾
(
はさ
)
んで、
洋杖
(
すてつき
)
を
突
(
つ
)
いて、京都府下の富豪や寺院をてくてくと
歴訪
(
れきはう
)
する。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
日傭女
(
ひやとひをんな
)
は續けようとしてゐた。しかし、そこで、リアは振向いて私を
認
(
みと
)
めた。すると直ぐに彼女は相手を
突
(
つ
)
つついた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
柳之助
(
りゅうのすけ
)
が
亡妻
(
ぼうさい
)
の墓に雨がしょぼ/\降って居たと
葉山
(
はやま
)
に語る
条
(
くだり
)
を読むと、
青山
(
あおやま
)
墓地
(
ぼち
)
にある
春日
(
かすが
)
燈籠
(
とうろう
)
の立った
紅葉山人
(
こうようさんじん
)
の墓が、
突
(
つ
)
と眼の前に
現
(
あら
)
われた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
おのれもまた
機
(
をり
)
を得て
購
(
か
)
はんと、其家の在り
処
(
か
)
など予て問ひ尋ね置きたりしかば、直ちにそれかと覚しき店を見出して、
此家
(
こゝ
)
にこそあれと
突
(
つ
)
と入りぬ。
鼠頭魚釣り
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
修験者の地を
突
(
つ
)
き
貫
(
ぬ
)
くような叫び。竜之助は何事が起ったのかと思う——誰かこの夜中に、ここへ来たものがあるらしい。雨も風も
歇
(
や
)
みはしないのに。
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
下女部屋の
紙障
(
しょうじ
)
がさらりと開く、その音を聞くと文三は我にも無く
突
(
つ
)
と奥座敷へ入ッてしまった——我にも無く、殆ど見られては
不可
(
わるい
)
とも思わずして。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
シューラは、新しい歌を
集
(
あつ
)
めた
本
(
ほん
)
を持って
来
(
き
)
てやると、きのうクルイニンに
約束
(
やくそく
)
したのを
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
した。ポケットへ手を
突
(
つ
)
っこんでみたが、本はなかった。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
現象
(
げんしよう
)
が
極
(
きは
)
めて
稀
(
まれ
)
であるので、
正體
(
しようたい
)
がよく
突
(
つ
)
き
留
(
と
)
められてゐないが、
電氣作用
(
でんきさよう
)
に
基
(
もと
)
づくものだらうといはれてゐる。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
突
常用漢字
中学
部首:⽳
8画
“突”を含む語句
衝突
突立
突込
突掛
突出
打突
突然
突張
突切
突懸
唐突
突伏
突貫
突端
突放
突刺
突支棒
猪突
突入
頭突
...