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継
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つ
ふりがな文庫
“
継
(
つ
)” の例文
旧字:
繼
子供
(
こども
)
たちは、かってな
理屈
(
りくつ
)
をつけて、さおにさおを
継
(
つ
)
ぎ
足
(
た
)
して、どうかして
高
(
たか
)
い
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
までとどくようにしたいと
苦心
(
くしん
)
していました。
おばあさんと黒ねこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
レールを二本前の方に
継
(
つ
)
ぎ足しておいて、鉄の
環
(
かん
)
に似たものを二つ棺台の
端
(
はし
)
にかけたかと思うと、いきなりがらがらという音と共に
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私は巻煙草の灰を
舷
(
ふなばた
)
の外に落しながら、あの
生稲
(
いくいね
)
の雨の夜の記憶を、まざまざと心に描き出しました。が、三浦は
澱
(
よど
)
みなく
言
(
ことば
)
を
継
(
つ
)
いで
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「ははア、それはなんでもないことじゃ。
袴
(
はかま
)
に
継
(
つ
)
ぎのある者を見つけだして、それを人柱にすればよい。なんと名案であろうがな」
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
俗
(
ぞく
)
に
神
(
かみ
)
の
申子
(
もうしご
)
は
弱
(
よわ
)
いなどと
申
(
もう
)
しますが、
決
(
けっ
)
してそのようなものではなく、この
児
(
こ
)
も
立派
(
りっぱ
)
に
成人
(
せいじん
)
して、
父親
(
ちちおや
)
の
実家
(
じっか
)
の
後
(
あと
)
を
継
(
つ
)
ぎました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
暖簾をはいる彼女のうしろ姿を見届けて、半七は二、三軒先の荒物屋へ寄ると、まだ若い女房が火鉢のまえで
継
(
つ
)
ぎ物をしていた。
半七捕物帳:15 鷹のゆくえ
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『しかし。』と郡視学は言葉を
継
(
つ
)
いで、『
是方
(
こつち
)
から其を言出しては面白くない。町の方から言出すやうになつて来なければ面白くない。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
タネリが
指
(
ゆび
)
をくわいてはだしで
小屋
(
こや
)
を出たときタネリのおっかさんは前の草はらで
乾
(
かわ
)
かした
鮭
(
さけ
)
の
皮
(
かわ
)
を
継
(
つ
)
ぎ合せて
上着
(
うわぎ
)
をこさえていたのです。
サガレンと八月
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
その男の子——
兎三夫
(
とみお
)
君は
爾来
(
じらい
)
、母方の
姓
(
せい
)
鴨田を名乗って、途中で亡くなった母の意志を
継
(
つ
)
ぎ、さてこんなことになったのです
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
……
焚
(
たき
)
つけを入れて、炭を
継
(
つ
)
いで、
土瓶
(
どびん
)
を掛けて、茶盆を並べて、それから、
扇子
(
おおぎ
)
ではたはたと焜炉の
火口
(
ひぐち
)
を
煽
(
あお
)
ぎはじめた。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それから、あの神のてがらを記念してやる印に、
猿田彦
(
さるたひこ
)
という名まえをおまえが
継
(
つ
)
いで、あの神と二人のつもりで
私
(
わたし
)
に仕えよ
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
中婆
(
ちゅうばあ
)
が横向きに木の椅子に腰かけて、何か
継
(
つ
)
ぎ
剥
(
は
)
ぎしていた。これも明るい頭巾をかぶっていた。二人ともよく肥っていた。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
喜太郎が死ねば、河内屋の大身代は、叔母のお米か、お米の妹で佐久間町の丁子屋茂三郎に貰われている、お富に
継
(
つ
)
がせる外はなかったのです。
銭形平次捕物控:050 碁敵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
不幸にもその祖父祖母の間には一人の子供も無かつたので、藤田の
系統
(
けつとう
)
を
継
(
つ
)
がしむる為めに、二人は他の家から養子を為なければならなかつた。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
筒井はたえかねて自ら裏戸に走り出て見たが、夕はもはや夜を
継
(
つ
)
いで道のべ裏戸近くに人かげはなく、暖かい夜の
夕靄
(
ゆうもや
)
さえそぞろに下りていた。
津の国人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
そんなわけで、爺は、他人よりも余計働いたにもかかわらず、親から
承
(
う
)
け
継
(
つ
)
いだ財産まで、すっかり無くしてしまった。
山茶花
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
「暫く
彼
(
か
)
の仙院の塵を
継
(
つ
)
いで、
偏
(
ひと
)
へに此の
后闈
(
こうゐ
)
の月に宿せん」と云ったあたり、此時代の文章として十分の出来である。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
とお父さんは鼻の上へこぶしを二つ
継
(
つ
)
ぎ足して
天狗
(
てんぐ
)
の
真似
(
まね
)
をした。正三君はなんのことだやだらサッパリわからない。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「ですが、
大江匡房
(
おおえまさふさ
)
の家書家統を
継
(
つ
)
いで、
六韜
(
りくとう
)
の
奥義
(
おうぎ
)
を
究
(
きわ
)
められたとか。ご高名は、この地方でも隠れはありません」
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここに至って竜之助は女の怖るべきことを初めて悟ったかの如く、深い歎息のほかには
言句
(
ごんく
)
も
継
(
つ
)
げなかった有様でしたが、ややあって
独言
(
ひとりごと
)
のように
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と、それからそれへと
話
(
はなし
)
を
続
(
つづ
)
けて
息
(
いき
)
の
継
(
つ
)
ぐ
暇
(
ひま
)
も
無
(
な
)
い、ドクトルは
耳
(
みみ
)
をガンとして、
心臓
(
しんぞう
)
の
鼓動
(
こどう
)
さえ
烈
(
はげ
)
しくなって
来
(
く
)
る。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
頼朝が
逝去
(
せいきょ
)
するとともに、頼家が
家督
(
かとく
)
を相続したが、
朋党
(
ほうとう
)
の
軋轢
(
あつれき
)
に
禍
(
わざわ
)
いせられて、
僅
(
わずか
)
に五年にして廃せられ、
継
(
つ
)
いで伊豆の
修禅寺
(
しゅぜんじ
)
で
刺客
(
しかく
)
の手に
斃
(
たお
)
れた。
頼朝の最後
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
一挺の櫓と一枚か二枚の
継
(
つ
)
ぎ
矧
(
は
)
ぎ
帆
(
ほ
)
で、自由自在に三十六
灘
(
なだ
)
を突破しながら、「絶海遥かにめぐる赤間関」と来る。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
乳呑児
(
ちのみご
)
のまま復一を生み
遺
(
のこ
)
して病死した当家の両親に代って復一を育てながら家業を
継
(
つ
)
ぐよう親類一同から指名された家来筋の若者男女だったのだから。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
池田瑞仙は自己が寛政九年正月十三日に江戸に著き、妻沢が八月六日に、養子杏春が十一月四日に
継
(
つ
)
いで至つた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
継
(
つ
)
ぎはぎだらけの防水したカーキ色の上衣に、泥のなかをひきずりまわしたような布目もわからないコールテンのズボンをはき、採鉱用の
鉄鎚
(
てっつい
)
を腰にさし
キャラコさん:04 女の手
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
グート
息
(
いき
)
をも
継
(
つ
)
かずに
飲
(
の
)
むと、ゴロ/\/\と
喉
(
のど
)
へ
詰
(
つ
)
まつたからウーム、バターリと
仰向
(
あふむけ
)
さまに
顛倒
(
ひつくりかへ
)
つて
了
(
しま
)
ふ。
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そのうちに国王は
亡
(
な
)
くなり、王子が国王の位に即き、次いで自分もまた年をとって亡くなり、それから
幾人
(
いくにん
)
もの王が代々後を
継
(
つ
)
いで、幾千年もたちましたが
夢の卵
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
継
(
つ
)
ぐ目的で丁稚奉公に住み込んだ身の将来これを本職にしようという
覚悟
(
かくご
)
も自信もあったのではなかったただ春琴に忠実である余り彼女の好むところのものを
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「ふむ、甥っ子だが、あんでもそんな人が跡さ
継
(
つ
)
いだと聞いたっけが、跡取ってから一度もこの別荘さ来た事がねえだ。どんな人だか、誰知るものもねえだが」
青服の男
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
敢
(
あへ
)
て往路を
俯瞰
(
ふかん
)
するものなし、
荊棘
(
けいきよく
)
の中黄蜂の
巣窟
(
すうくつ
)
あり、先鋒
誤
(
あやまつ
)
て之を
乱
(
みだ
)
す、後に
継
(
つ
)
ぐもの其
襲撃
(
しうげき
)
を被ふるも
敢
(
あへ
)
て之を
避
(
さ
)
くるの
道
(
みち
)
なし、顔面
為
(
ため
)
に
腫
(
は
)
れし者
多
(
おう
)
し
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
是
(
これ
)
が器物として利用せられたのも年久しい事であろうのに、あんな古い記録の次々と
承
(
う
)
け
継
(
つ
)
がれていたばかりに、近世になるまで依然として一種の珍奇であった。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
下僕や荷物を持って居る私の旅行と違い、彼らは官命を帯び二人なり三人なり早馬で夜を日に
継
(
つ
)
いで
追蒐
(
おっか
)
けましょうからどうしても六日間で追付かれる勘定です。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
草でも木でも最も
勇敢
(
ゆうかん
)
に自分の
子孫
(
しそん
)
を
継
(
つ
)
ぎ、自分の種属を
絶
(
た
)
やさぬことに全力を
注
(
そそ
)
いでいる。だからいつまでも植物が地上に生活し、けっして
絶滅
(
ぜつめつ
)
することがない。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
たった
一人
(
ひとり
)
、
江戸
(
えど
)
で
生
(
うま
)
れて
江戸
(
えど
)
で
育
(
そだ
)
った
吉次
(
きちじ
)
が、
他
(
ほか
)
の
女形
(
おやま
)
を
尻目
(
しりめ
)
にかけて、めきめきと
売出
(
うりだ
)
した
調子
(
ちょうし
)
もよく、やがて二
代目
(
だいめ
)
菊之丞
(
きくのじょう
)
を
継
(
つ
)
いでからは
上上吉
(
じょうじょうきち
)
の
評判記
(
ひょうばんき
)
は
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「銀子さん」と梅子は語を
継
(
つ
)
ぎつ「其頃私は
貴女
(
あなた
)
の
曾
(
かつ
)
ての
傷心
(
なげき
)
に同情しましたの、何時でしたか、貴女は夜中に私の
寄宿室
(
へや
)
に
来
(
いら
)
しつて
仰
(
おつ
)
しやつたことがありませう、 ...
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
其
(
それ
)
に
継
(
つ
)
いでは
新著百種
(
しんちよひやくしゆ
)
の
末頃
(
すゑごろ
)
に
離鴛鴦
(
はなれをし
)
と
云
(
い
)
ふのを書いたが、
那
(
それ
)
が名を
成
(
な
)
す
端緒
(
たんちよ
)
であつたかと思ふ
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
アルプス仕立の羽の帽子を
冠
(
かぶ
)
ったり、ピッケルを
担
(
かつ
)
いだりしたのは少ないが、
錫杖
(
しゃくじょう
)
を打ち鳴らす修験者、
継
(
つ
)
ぎはぎをした白衣の背におひずるを
覆
(
かぶ
)
せ、御中道大行大願成就
不尽の高根
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
相
(
あひ
)
見
(
み
)
ては
面
(
おも
)
隠
(
かく
)
さるるものからに
継
(
つ
)
ぎて
見
(
み
)
まくの
欲
(
ほ
)
しき
君
(
きみ
)
かも 〔巻十一・二五五四〕 作者不詳
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
とにかく商売だって商売道と申します。
不束
(
ふつつか
)
ながらそれだけの道は尽くしたつもりでございますが、それを信じていただけなければお話には
継
(
つ
)
ぎ穂の出ようがありませんです。
親子
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「——ちゃんと、ケージのロープまで、もとの
継
(
つ
)
いだやつにつけ直しちゃったんだよ。」
土鼠と落盤
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
と、天保五年
以来
(
このかた
)
一度も
継
(
つ
)
ぎ
更
(
か
)
へた事のない頭を下げると、急に忙しさうな顔をして
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
夏じゅう寺内のK院の古池で
鮒
(
ふな
)
を釣って遊んだ
継
(
つ
)
ぎ竿、腰にさげるようにできたテグスや針など入れる箱——そういったものなど詰められるのを、さすがに淋しい気持で眺めやった。
父の出郷
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
珊瑚が
継
(
つ
)
いでいってみると、土の中は一めんに銭さしにさした銀貨ばかりであった。珊瑚は自分で自分の目が信じられないので、大成を呼んで一緒にいってしらべると、やはり銀貨であった。
珊瑚
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
着物は
友禅
(
ゆうぜん
)
メリンスを滅茶滅茶に
継
(
つ
)
ぎ
合
(
あ
)
わせた、
和洋折衷
(
わようせっちゅう
)
の道化服、頭には、普通の顔の倍程もある、張りぼての、おどけ人形の首丈けを、スッポリかぶって、その黒い
洞穴
(
ほらあな
)
みたいな口から
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「お祖父さんの子供の頃は、親のあとを
継
(
つ
)
ぐ気でいればよかったのじゃ。」
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
侍従長夫妻は、他に子供なく、一九二七年、同二九年相
継
(
つ
)
いで他界した。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
儂に代って、あの美しい夢を後の世々まで伝えて下さる人を永いこと探し求めておったのじゃ。……なよたけの話を語り
継
(
つ
)
ぐ人は貴方なのじゃ。儂の夢をとこしえの後までも語り伝えて下され。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
それを、今夜に
限
(
かぎっ
)
て、平気で聞いているお勢どのの心持が解らない、と怪しんでいる間も有ればこそ、それッと炭を
継
(
つ
)
ぐ、吹く、起こす、
燗
(
かん
)
をつけるやら、
鍋
(
なべ
)
を懸けるやら、
瞬
(
またた
)
く間に酒となッた。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
そのため夜の当直では、彼等はそろって居眠りし、一通の電報が交替の度にそのまま申し
継
(
つ
)
がれ、朝になっても完全な翻訳が出来ていなかったりする。その責任はすべて当直下士官にかかって来る。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
継
常用漢字
中学
部首:⽷
13画
“継”を含む語句
継母
後継
継子
後継者
継娘
継足
継児
継続
矢継早
継目
継嗣
継布
継合
中継
継立
継橋
跡継
継紹
引継
継上下
...