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つ
ふりがな文庫
“
津
(
つ
)” の例文
津浪
(
つなみ
)
とは
津
(
つ
)
の
浪
(
なみ
)
、
即
(
すなは
)
ち
港
(
みなと
)
に
現
(
あらは
)
れる
大津浪
(
おほつなみ
)
であつて、
暴風
(
ぼうふう
)
など
氣象上
(
きしようじよう
)
の
變調
(
へんちよう
)
から
起
(
おこ
)
ることもあるが、
最
(
もつと
)
も
恐
(
おそ
)
ろしいのは
地震津浪
(
ぢしんつなみ
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
播州の
室
(
むろ
)
ノ
津
(
つ
)
でも、遊女たちを教化している。当時の遊女たちにも、
今昔
(
こんじゃく
)
のない共通の女の悩みや反省があったことにはちがいない。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうして急に思い立ったように姉の
宅
(
うち
)
へ出掛けた。姉の宅は
四
(
よ
)
ッ
谷
(
や
)
の
津
(
つ
)
の
守坂
(
かみざか
)
の横で、大通りから一町ばかり奥へ引込んだ所にあった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
慶長のころ、鹿児島
揖宿
(
いぶすき
)
郡、山川の
津
(
つ
)
に、薩摩藩の御朱印船を預り、南蛮貿易の御用をつとめる
大迫
(
おおさこ
)
吉之丞という海商がいた。
呂宋の壺
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
それに引きかえ、この
津
(
つ
)
の国の
難波
(
なにわ
)
のさぶしさはしのんでも、きょうあすの
粟
(
あわ
)
をさがすのにもほとほと永い間のことですもの。
荻吹く歌
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
▼ もっと見る
おかみさんはこれからじゃありませんか、三代も続いた
津
(
つ
)
ノ
正
(
まさ
)
という、立派な
老舗
(
しにせ
)
のごしんぞさんになるんですもの、これまでどんな苦労を
ひとでなし
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
此一条は戯場の作り狂言のようなる事なれども、
然
(
さ
)
にあらず、我が知音中村
何某
(
なにがし
)
、其の時は
実方
(
みのかた
)
津
(
つ
)
の藩中に在る時の事にて、近辺故現に其の事を
雁
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
果して秀次関白が罪を得るに及んで、それに坐して近衛殿は九州の
坊
(
ぼう
)
の
津
(
つ
)
へ流され、菊亭殿は信濃へ流され、その
女
(
むすめ
)
の
一台
(
いちだい
)
殿は車にて渡された。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
ある
時
(
とき
)
摂津国
(
せっつのくに
)
の
難波
(
なにわ
)
の
津
(
つ
)
までおいでになりますと、
見慣
(
みな
)
れない
神
(
かみ
)
さまが、
海
(
うみ
)
を
渡
(
わた
)
って
向
(
む
)
こうからやって
来
(
き
)
ました。
命
(
みこと
)
が
赤い玉
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
予
(
よ
)
は今
備後
(
びんご
)
の
鞆
(
とも
)
の
津
(
つ
)
より松山へ渡る汽船の甲板の上で意気込んで居る。何の意気込だ。夏目先生の『坊つちやん』の遺蹟を探らうとしての意気込みだ。
坊つちやん「遺蹟めぐり」
(新字旧仮名)
/
岡本一平
(著)
看
(
み
)
そなわし、時わかずこれを試み給うや、いつまで汝われに眼を離さず我が
津
(
つ
)
を
咽
(
の
)
む間も我を捨て置き給わざるや
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
皇子
(
おうじ
)
の
大雀命
(
おおささぎのみこと
)
は、その
髪長媛
(
かみながひめ
)
が船で
難波
(
なにわ
)
の
津
(
つ
)
へ着いたところをご
覧
(
らん
)
になり、その美しいのに感心しておしまいになりました。それで
武内宿禰
(
たけのうちのすくね
)
に向かって
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
家が今の信濃町の近所にあつて、学校から帰ると、
津
(
つ
)
の
守
(
かみ
)
坂の横にある「乳屋の原」というのへ遊びにいつた。
時 処 人:――年頭雑感――
(新字新仮名)
/
岸田国士
(著)
役所に遠いのを
仮托
(
かこつけ
)
に、
猿楽町
(
さるがくちょう
)
の親の家を離れて
四谷
(
よつや
)
の
津
(
つ
)
の
守
(
かみ
)
の女の写真屋の二階に下宿した事もあった。神田の
皆川町
(
みながわちょう
)
の
桶屋
(
おけや
)
の二階に同居した事もあった。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
瑠璃子が赤阪
一
(
ひと
)
ツ
木
(
ぎ
)
で先に降り、次に春代が
四谷
(
よつや
)
左門町
(
さもんちょう
)
で降りると、運転手は
予
(
あらかじ
)
め行先を教えられているので、
塩町
(
しおちょう
)
の電車通から曲って
津
(
つ
)
の
守阪
(
かみざか
)
を降りかけた。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
津
(
つ
)
を飲みながら、またも書物を取り上げたのは、一つは所在なさと、一つは書物に対する興味、いわゆる巻を
措
(
お
)
くに忍びずというやつであろうかと思われること。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
宮
(
みや
)
から舟で
津
(
つ
)
へ上がる。
藤堂和泉守
(
とうどういずみのかみ
)
どの、三十二万九百五十
石
(
ごく
)
とは、ばかにきざんだもんだ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
まもなく平家は
葦屋
(
あしや
)
の
津
(
つ
)
を過ぎた。これは都から福原へ通った時、往還に見なれた摂津の葦屋の里と同じ名前である。そういえばこの風物も何か似かよっているようにも思える。
現代語訳 平家物語:08 第八巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
少
(
すこ
)
しばかり、
女中
(
ぢよちう
)
に
心
(
こゝろ
)
づけも
出來
(
でき
)
ましたので、それとなく、お
米
(
よね
)
さんの
消息
(
せうそく
)
を
聞
(
き
)
きますと、
蔦屋
(
つたや
)
も
蔦龍館
(
てうりうくわん
)
と
成
(
な
)
つた
發展
(
はつてん
)
で、
持
(
もち
)
の
此
(
こ
)
の
女中
(
ぢよちう
)
などは、
京
(
きやう
)
の
津
(
つ
)
から
來
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
るのださうで
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
二人は
久留米
(
くるめ
)
から、一人は因州から、一人は
福岡
(
ふくおか
)
から、一人は金沢から、一人は
柳川
(
やながわ
)
から、二人は
津
(
つ
)
から、一人は福井から、一人は佐賀から、一人は広島から、五人は桑名から
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
◎先年
伊勢
(
いせ
)
の
津
(
つ
)
へ赴き、二週間
斗
(
ばか
)
り滞在した事があった、
或
(
ある
)
夜友人に招かれて、
贄崎
(
にえさき
)
の
寿楼
(
ことぶきろう
)
で一酌を催し、
是非
(
ぜひ
)
泊れと
云
(
いっ
)
たが、少し都合が
有
(
あっ
)
て、同所を辞したのは午前一時頃である
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
ちょうど備後の
鞆
(
とも
)
の
津
(
つ
)
に滞船した時、自分で陸へ上って薬屋で幾那塩を買った、この港は例の保命酒の本場であるから、彼方此方に土蔵造りの家屋も見えて、かなり富んでいるように思われた。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
いつとはなしに、正太郎は、
鞆
(
とも
)
の
津
(
つ
)
の
袖
(
そで
)
という遊女とふかくなじんで、ついにはこれを身請けし、近くの里に妾宅をかまえて住まわせ、そこに幾日もいりびたっては、家に帰らないようになった。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
揚州の
津
(
つ
)
も見えそめて雲の峰
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
青雲
(
あをぐも
)
の
白肩
(
しらかた
)
の
津
(
つ
)
、その津に
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
津
(
つ
)
の
國
(
くに
)
の
野
(
の
)
を
思
(
おも
)
ひいで。
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
ひと口にいえば、藤原純友の使者だ。じつは、この春、瀬戸の
室
(
むろ
)
ノ
津
(
つ
)
で純友と落ちあい、いちど東国へ下って、小次郎将門と、往年の約を
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かくして四、五日は
徒
(
いたず
)
らに過ぎた。健三が
漸
(
ようや
)
く
津
(
つ
)
の
守坂
(
かみざか
)
へ出掛けた時は
六
(
む
)
ずかしいかも知れないといった姉が、もう回復期に向っていた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
門の前では
津
(
つ
)
の国の人と、和泉の国の若者はじりじりと往来しながら、それをそうしずにいられぬ毎夜の通いを続けていた。
姫たちばな
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
たしか明治二十四年頃であった、二葉亭は
四谷
(
よつや
)
の
津
(
つ
)
の
守
(
かみ
)
の女の写真屋の二階に下宿した事があった。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
老朽
(
おいく
)
ちて行くその身とは反対に、年と共にかえって若く華やかになり行くその名声をば、さしもに広い大江戸は愚か
三ヶ
(
さんが
)
の
津
(
つ
)
の隅々にまで
喧伝
(
けんでん
)
せしめた一代の名著も
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
紀州
(
きしゅう
)
、
津
(
つ
)
、
郡山
(
こおりやま
)
、
彦根
(
ひこね
)
の四藩の力でもこれをしずめるには半月以上もかかった。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
といって、おこって
一人
(
ひとり
)
ずんずん
小舟
(
こぶね
)
に
乗
(
の
)
って、
日本
(
にっぽん
)
の
国
(
くに
)
へ
逃
(
に
)
げて行きました。そして
摂津
(
せっつ
)
の
難波
(
なにわ
)
の
津
(
つ
)
まで
来
(
き
)
てそこに
住
(
す
)
みました。それが
後
(
のち
)
に、
阿加流姫
(
あかるひめ
)
の
神
(
かみ
)
という
神
(
かみ
)
さまにまつられました。
赤い玉
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
◎先代の
坂東秀調
(
ばんどうしゅうちょう
)
壮年の時分、
伊勢
(
いせ
)
の
津
(
つ
)
へ興行に赴き、同所
八幡
(
やはた
)
の娼家
山半楼
(
やまはんろう
)
の
内芸者
(
うちげいしゃ
)
、
八重吉
(
やえきち
)
と関係を結び、
折々
(
おりおり
)
遊びに行きしが、
或
(
ある
)
夜鰻を
誂
(
あつら
)
え八重吉と
一酌中
(
いっしゃくちゅう
)
、彼が
他
(
た
)
の客席へ招かれた
後
(
あと
)
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
且つ近頃三由屋が、株式で伊勢の
津
(
つ
)
に設立した、銀行の株主であるから。
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
はるばると
摂津
(
せっつ
)
の
難波
(
なにわ
)
の
津
(
つ
)
まで逃げて来ました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
青雲
(
あをぐも
)
の
白肩
(
しらかた
)
の
津
(
つ
)
、その津に
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
忘
(
わす
)
れがたみよ、
津
(
つ
)
の
國
(
くに
)
の
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
津
(
つ
)
の
國
(
くに
)
屋
(
や
)
お
菊
(
きく
)
一件
(
いつけん
)
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
すでにきのうあたり、海上の敵数千ぞうは、
室
(
むろ
)
ノ
津
(
つ
)
をうずめ、陸上軍も、福山、
三石
(
みついし
)
を抜いて、
破竹
(
はちく
)
、
播磨
(
はりま
)
ざかいへ
迫
(
せま
)
ッて来つつあるという。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
和泉
(
いずみ
)
の山奥の
百合根
(
ゆりね
)
をたずさえる一人に、べつの男は
津
(
つ
)
の国の色もくれないの
鯛
(
たい
)
の
折
(
おり
)
をしもべに担わせた。こうして通う一人は津の国の
茅原
(
かやはら
)
という男だった。
姫たちばな
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
道をきくべき酒屋も
煙草屋
(
たばこや
)
もないので、迷い迷って
遂
(
つい
)
に
津
(
つ
)
ノ
守阪
(
かみざか
)
の
中途
(
ちゅうと
)
に出てしまった。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そうして指定の日が来た時、約束通りまた
津
(
つ
)
の
守坂
(
かみざか
)
へ出掛けた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私欲
(
しよく
)
に
遣
(
つか
)
ひ候
段
(
だん
)
不仁
(
ふじん
)
不義
(
ふぎ
)
の
仕方
(
しかた
)
なり因て三ヶの
津
(
つ
)
構
(
かまひ
)
の上
中追放
(
ちうつゐはう
)
申付る又
兼事
(
かねこと
)
は同罪とは申ながら
元來
(
ぐわんらい
)
愚
(
おろか
)
なる
生得
(
しやうとく
)
と相見え
淺果
(
あさはか
)
なる致し方故
輕追放
(
けいつゐはう
)
の上江戸
構
(
かま
)
ひ申付る次に宅兵衞事は吾助等が
巧
(
たく
)
みは人外なれども其の巧みに
陷
(
おちい
)
り兼と
密通
(
みつつう
)
したるは汝が
愚
(
おろか
)
なる故なり然ば金子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
途中も陸海両軍は、緊密な連絡をたもちながら、東上をすすめて行くときまり、五月十日、
鞆
(
とも
)
ノ
津
(
つ
)
を一せいに
発
(
た
)
った。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼と
阿蘇惟直
(
あそこれなお
)
とは、鎌倉の令で河内の千早攻めに参戦を命ぜられていた。で、備前の
鞆
(
とも
)
ノ
津
(
つ
)
までは舟行していたが、急に引っ返してしまったのである。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
海上は、これも五月二十一日の夕ごろ、波間も見せぬほどな大船列が、
室
(
むろ
)
ノ
津
(
つ
)
にかかり、やがて夜は、
烏賊釣舟
(
いかつりぶね
)
のような無数の灯を近々と見せていた。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(こんどの船都合は、この
飾磨
(
しかま
)
に上がる
旅客
(
きゃく
)
もなし、少しの積荷は、沖待ちの船頭から受取ったので、船はすぐここから
室
(
むろ
)
の
津
(
つ
)
へ廻し、先を急ぐので)
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「はやく、敵が来て、このお城が陥ちてしまえば、いい。そうすれば、帰れるかもしれない……。あの
室
(
むろ
)
の
津
(
つ
)
へ」
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
舟は
難波
(
なにわ
)
ノ
津
(
つ
)
(大阪)の
平沙
(
へいさ
)
や芦やまばら屋根を横に見つつ、まだ
午
(
ひる
)
まえも早目に、
長柄
(
ながら
)
の河口に着いていた。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
津
常用漢字
中学
部首:⽔
9画
“津”を含む語句
難波津
天津
摂津
国府津
十津川
大津
高津
摂津大掾
御津
牛津
常磐津
会津
津々
直江津
中津川
室津
富津
津々浦々
天津乙女
粟津子
...