“百合根”の読み方と例文
読み方割合
ゆりね100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
和泉いずみの山奥の百合根ゆりねをたずさえる一人に、べつの男はの国の色もくれないのたいおりをしもべに担わせた。こうして通う一人は津の国の茅原かやはらという男だった。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
ねぎ糸蒟蒻いとごんにゃく、豆腐はよいとして、生麩なまふ生湯葉なまゆば百合根ゆりね、白菜等々、———敏子はそれらをわざと一度に運んで来ないで、ときどき、少しずつ、なくなると後から後からと附け足した。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
耶馬台やまとの宮の若者たちは、眼をますとうわさに聴いた鹿の美女を見ようとして宮殿の花園へ押しよせて来た。彼らのある者は彼女に食わすがために、鹿の好む大バコや、百合根ゆりねを持っていた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)