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遂
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つ
ふりがな文庫
“
遂
(
つ
)” の例文
其後
(
そのご
)
は
物
(
もの
)
ごとに
念
(
ねん
)
を
入
(
い
)
れて、
遂
(
つ
)
ひに
麁想
(
そそう
)
をせぬやうに
成
(
な
)
りぬ、
世間
(
せけん
)
に
下女
(
げぢよ
)
つかふ
人
(
ひと
)
も
多
(
おほ
)
けれど、
山村
(
やまむら
)
ほど
下女
(
げぢよ
)
の
替
(
かは
)
る
家
(
いゑ
)
は
有
(
あ
)
るまじ、
月
(
つき
)
に
二人
(
ふたり
)
は
平常
(
つね
)
の
事
(
こと
)
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
違
(
ちげ
)
えねえ、側に居たなア、何を云やアがるんで、
耄碌
(
もうろく
)
ウしてえるんだ、あん
畜生
(
ちきしょう
)
、ま師匠腹を
立
(
たっ
)
ちゃア
往
(
い
)
けねえヨ、己は
遂
(
つ
)
い
慌
(
あわ
)
てるもんだから
凹
(
へこ
)
まされたんだ
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
約一年
許
(
ばか
)
りもこうしてやっていたが、此の土地は非常に湿気が多い為め、
遂
(
つ
)
い急性のトラホームを
患
(
わずら
)
った。
私の経過した学生時代
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
飛んでもない別のことをまくしたてた
挙句
(
あげく
)
に「お前のようなスネークにはもう二度と会わん」と云って、
遂
(
つ
)
い又散々殴ったり蹴飛ばしたりして泣きほろめいて戻ってきた。
小さな部屋
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
狂熱
(
きょうねつ
)
し
易
(
やす
)
い弱い脳の私は刺戟されて、
遂
(
つ
)
いうつらうつらと酔った様になってしまう、
真黄
(
まっきい
)
な濃厚な絵具を
野
(
の
)
一面にブチ
撒
(
ま
)
けたらしい菜の花と、例の光線が強く反射して私の眼はクラクラと
眩
(
まぶ
)
しい。
菜の花物語
(新字新仮名)
/
児玉花外
(著)
▼ もっと見る
「何アに、先生、えら
酔殺
(
よつぱらつ
)
たもんだで、
遂
(
つ
)
ひ、
陥
(
はま
)
り込んだだア」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
遂
(
つ
)
ひ逢はざりし
人
(
ひと
)
の面影
詩集夏花
(新字旧仮名)
/
伊東静雄
(著)
その
後
(
ご
)
は物ごとに念を入れて、
遂
(
つ
)
ひに
麁想
(
そさう
)
をせぬやうに成りぬ、世間に下女つかふ人も多けれど、
山村
(
やまむら
)
ほど下女の替る家は有るまじ、月に二人は
平常
(
つね
)
の事
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一体私は頭の悪い方で——今でも
然
(
そ
)
うだが——それに不勉強の方であったから、学校での信用も次第と無くなり、
遂
(
つ
)
いに予科二年の時落第という運命に立ち至った。
私の経過した学生時代
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
即ち自分は作家として何事にも観察者の立場に立つために
遂
(
つ
)
いに恋を失ったと。なぜなら自らの恋情に当っても直ちに観察者として自らを凝視解剖する冷酷な眼を逃れることができない。
意慾的創作文章の形式と方法
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
察
(
さつ
)
して
下
(
くだ
)
さりませ
私
(
わたくし
)
は
今日
(
けふ
)
まで
遂
(
つ
)
ひに
原田
(
はらだ
)
の
身
(
み
)
に
就
(
つ
)
いて
御耳
(
おみゝ
)
に
入
(
い
)
れました
事
(
こと
)
もなく、
勇
(
いさむ
)
と
私
(
わたし
)
との
中
(
なか
)
を
人
(
ひと
)
に
言
(
い
)
ふた
事
(
こと
)
は
御座
(
ござ
)
りませぬけれど、
千度
(
ちたび
)
も
百度
(
もゝたび
)
も
考
(
かんが
)
へ
直
(
なほ
)
して
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
遂
(
つ
)
ひドシャ降りではあるけれど足が
他処
(
ほか
)
へ向いてしまふ。
竹藪の家
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
優子
(
ゆうこ
)
不審
(
いぶか
)
しげに
打
(
うち
)
まもりて
八重
(
やへ
)
は
何
(
なに
)
が
氣
(
き
)
に
障
(
さわ
)
つてか
思
(
おも
)
ひもよらぬ
怨
(
うら
)
み
言
(
ごと
)
つもりて
見
(
み
)
よかし
何
(
なに
)
の
隔
(
へだ
)
てゞ
隱
(
かく
)
しだてをするものぞ
母
(
かあ
)
さまにさへ
申
(
まを
)
さぬことも
遂
(
つ
)
ひに
話
(
はな
)
さぬ
時
(
とき
)
はなきを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
學校
(
がくかう
)
は
好
(
す
)
きにも
好
(
す
)
きにも
遂
(
つ
)
ひに
世話
(
せわ
)
をやかしたる
事
(
こと
)
なく、
朝
(
あさ
)
めし
喰
(
た
)
べると
馳
(
か
)
け
出
(
だ
)
して三
時
(
じ
)
の
退校
(
ひけ
)
に
道草
(
みちくさ
)
のいたづらした
事
(
こと
)
なく、
自慢
(
じまん
)
では
無
(
な
)
けれど
先生
(
せんせい
)
さまにも
褒
(
ほ
)
め
物
(
もの
)
の
子
(
こ
)
を
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
合點
(
がてん
)
が
行
(
い
)
つたら
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
歸
(
かへ
)
れ、
主人
(
あるじ
)
の
留守
(
るす
)
に
斷
(
ことはり
)
なしの
外出
(
ぐわいしゆつ
)
、これを
咎
(
とが
)
められるとも
申譯
(
まをしわけ
)
の
詞
(
ことば
)
は
有
(
あ
)
るまじ、
少
(
すこ
)
し
時刻
(
じこく
)
は
遲
(
おく
)
れたれど
車
(
くるま
)
ならば
遂
(
つ
)
ひ一ト
飛
(
とび
)
、
話
(
はな
)
しは
重
(
かさ
)
ねて
聞
(
き
)
きに
行
(
ゆ
)
かう
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
本当に己れは木の
股
(
また
)
からでも出て来たのか、
遂
(
つ
)
いしか親類らしい者に
逢
(
あ
)
つた事も無い
わかれ道
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これほど
邪慳
(
じやけん
)
の人ではなかりしをと女房あきれて、女に魂を奪はるればこれほどまでも浅ましくなる物か、女房が歎きは更なり、
遂
(
つ
)
ひには
可愛
(
かわゆ
)
き子をも餓へ死させるかも知れぬ人
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これほど
邪慳
(
じやけん
)
の
人
(
ひと
)
ではなかりしをと
女房
(
にようぼう
)
あきれて、
女
(
をんな
)
に
魂
(
たましひ
)
を
奪
(
うば
)
はるれば
是
(
こ
)
れほどまでも
淺
(
あさ
)
ましくなる
物
(
もの
)
か、
女房
(
にようぼう
)
が
歎
(
なげ
)
きは
更
(
さら
)
なり、
遂
(
つ
)
ひには
可愛
(
かわゆ
)
き
子
(
こ
)
をも
餓
(
う
)
へ
死
(
じに
)
させるかも
知
(
し
)
れぬ
人
(
ひと
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
折
(
をり
)
ふしは
遂
(
つ
)
ひに
今
(
いま
)
まで
見
(
み
)
し
事
(
こと
)
もなき
日本全圖
(
にほんぜんづ
)
などヽいふ
物
(
もの
)
をお
民
(
たみ
)
がお
使
(
つか
)
ひの
留間
(
るす
)
の
間
(
ま
)
に
繰
(
く
)
り
開
(
ひろ
)
けて
居
(
ゐ
)
る
事
(
こと
)
もあり、
新聞紙
(
しんぶんし
)
の
上
(
うへ
)
にも
札幌
(
さつぽろ
)
とか
北海道
(
ほくかいだう
)
とか
言
(
い
)
ふ
文字
(
もじ
)
には
逸
(
いち
)
はやく
目
(
め
)
のつく
樣子
(
やうす
)
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其身
(
そのみ
)
もほろりとし、
可愛
(
かあゆ
)
き
事
(
こと
)
いふて
泣
(
な
)
かし
給
(
たま
)
ふな、
鎌倉
(
かまくら
)
へ
行
(
ゆ
)
きて
歸
(
かへ
)
らぬとは
誰
(
た
)
れが
言
(
い
)
ひしか、
夫
(
それ
)
こそは
嘘
(
うそ
)
にて、
遂
(
つ
)
ひ
一寸
(
ちよつと
)
あそびに
行
(
ゆ
)
き、
其
(
その
)
うちに
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
まする
程
(
ほど
)
に、おとなしう
待
(
ま
)
ちて
給
(
たま
)
はれ
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
萬一
(
もし
)
身
(
み
)
にそぐなはぬ
事
(
こと
)
ならばと
案
(
あん
)
じられまして、
此事
(
このこと
)
をおもふに
今宵
(
こよひ
)
の
淋
(
さび
)
しき
事
(
こと
)
、
居
(
い
)
ても
起
(
た
)
ちてもあられぬほどの
情
(
なさけ
)
なさより、
言
(
い
)
ふてはならぬと
存
(
ぞん
)
じましたれど、
遂
(
つ
)
ひ
此樣
(
このやう
)
に
申上
(
まうしあげ
)
て
仕舞
(
しまひ
)
ました
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
唯
(
たゞ
)
ぼんやりと
過
(
すご
)
しまする
身
(
み
)
の、
遂
(
つ
)
ひには
倦
(
あ
)
かれまするやうに
成
(
な
)
りて、
悲
(
かな
)
しかるべき
事
(
こと
)
今
(
いま
)
おもふても
愁
(
つ
)
らし、
私
(
わたくし
)
は
貴郎
(
あなた
)
のほかに
頼母
(
たのも
)
しき
親兄弟
(
おやきようだい
)
も
無
(
な
)
し、
有
(
あ
)
りてから
父
(
ちゝ
)
の
與
(
よ
)
四
郎
(
らう
)
在世
(
ざいせ
)
のさまは
知
(
し
)
り
給
(
たま
)
ふ
如
(
ごと
)
く
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“遂”の解説
遂(すい)は、夏代に建国された諸侯国。舜の末裔の虞遂が受封された。夏・殷・西周・春秋時代に存続した。春秋時代に魯に服属した。周の釐王元年(紀元前681年)斉の桓公により滅亡した。遂の滅亡で魯の荘公に圧力をかけた。遂についての歴史的記載は主に孔子の『春秋』による。
(出典:Wikipedia)
遂
常用漢字
中学
部首:⾡
12画
“遂”を含む語句
遂々
仕遂
遂行
添遂
韓遂
討遂
為遂
褚遂良
完遂
毛遂
爲遂
成遂
不遂
未遂入水
遣遂
遂高
遂良
遂次
遂得
遂事
...