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辛
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つ
ふりがな文庫
“
辛
(
つ
)” の例文
優しい親切な人で、「恭やん、淋しいことおへんか、田舎へ帰りとうおすやろ、お父つあんから
便
(
たより
)
おすか?
辛
(
つ
)
ろても辛抱おし。」
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
云うに云われぬ切なさ
辛
(
つ
)
らさが。たった一度に皆落ちかかるよ。残る一つの頼みの綱なら。赤い煉瓦の院長様よと。出来ぬ算段して来て見れば。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
住み
倦
(
う
)
めば山に
遯
(
のが
)
るる心安さもあるべし。鏡の
裏
(
うち
)
なる狭き宇宙の小さければとて、
憂
(
う
)
き事の降りかかる十字の
街
(
ちまた
)
に立ちて、行き
交
(
か
)
う人に気を配る
辛
(
つ
)
らさはあらず。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
世間からは私までが
夜叉
(
やしや
)
のやうに謂はれる、私がまた其れが死ぬよりも
辛
(
つ
)
らかツたんですけれども、
房
(
これ
)
がゐてゝ見りや、貴方、
豈夫
(
まさか
)
に別れることも出來ないじやありませんか。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
冷やかすだけならいゝが、多少は小言めく。いや味になることすらある。
辛
(
つ
)
らかつたらうと思ふ。が、このことばかりは、彼女が、日記のなかで、しみじみ後悔の言葉として書き綴つてゐる。
妻の日記
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
▼ もっと見る
いつか貞子と一緒の旅行の途次、ミネの郷里によって、閑子を知っている貞子が、野村の妻と閑子とをくらべ合せる自然さをミネは十分のみこみながら、何となくひけ目を感じて
辛
(
つ
)
らかった。
妻の座
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
毎晩負けて土蔵へ入れられる
辛
(
つ
)
らさに、たうとう家出をした。
石の思ひ
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
医者の来たことを知ると、妻は更に
辛
(
つ
)
らそうに
喘
(
あえ
)
いで訴えた。
美しき死の岸に
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
「何事も天命です。誰も怨む者はありません。ただ
年端
(
としは
)
の行かぬ
倅
(
せがれ
)
にこの上の苦労をかけるのが
辛
(
つ
)
らさに死にます。どうぞよろしくお頼み申します」
鉄鎚
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
毎晩負けて土蔵へ入れられる
辛
(
つ
)
らさに、とうとう家出をした。
石の思い
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
それから
後
(
のち
)
というものフッツリとお二人のお姿が京、大阪の
中
(
うち
)
にお見えになりませぬとやら。その後の御様子を聞くすべもないこの胸の
中
(
うち
)
の苦しさ
辛
(
つ
)
らさ。
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「カチューシャ可愛や別れの
辛
(
つ
)
らさ」という同一文句の繰返しばかりで埋めた学生用ノート・ブックの数十冊——(大芸術家を以て任ずる失職活動俳優の自称「創作」)
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
無理な出世の
報
(
むく
)
いよなんどと。白い眼をされ舌さし出され。うしろ指をば
指
(
さ
)
さるる
辛
(
つ
)
らさ。御門構えの
估券
(
こけん
)
にかかわる。そこで情実、
権柄
(
けんぺい
)
ずくだの。縁故
辿
(
たど
)
った手数をつくして。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
“辛”の解説
辛(しん、かのと)は、十干の8番目である。
陰陽五行説では金性の陰に割り当てられており、ここから日本では「かのと」(金の弟)ともいう。
(出典:Wikipedia)
辛
常用漢字
中学
部首:⾟
7画
“辛”を含む語句
辛々
辛苦
辛抱
辛労
塩辛
唐辛
辛夷
鹽辛
鹽辛聲
辛酉
唐辛子
世智辛
苦辛
辛子
居辛
辛防
御辛抱
辛未
辛而
辛気臭
...