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尽
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つ
ふりがな文庫
“
尽
(
つ
)” の例文
旧字:
盡
空
(
そら
)
を
焦
(
こが
)
す
狼火
(
のろし
)
……そして
最後
(
さいご
)
に
武運
(
ぶうん
)
いよいよ
尽
(
つ
)
きてのあの
落城
(
らくじょう
)
……四百
年後
(
ねんご
)
の
今日
(
こんにち
)
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
してみる
丈
(
だけ
)
でも
気
(
き
)
が
滅入
(
めい
)
るように
感
(
かん
)
じます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
孔子は子路ほど早く見切をつけず、なお
尽
(
つ
)
くせるだけの手段を尽くそうとする。子路は孔子に早く
辞
(
や
)
めてもらいたくて仕方が無い。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
昔
(
むかし
)
、ある
国
(
くに
)
に
金持
(
かねも
)
ちの
王
(
おう
)
さまがありました。その
御殿
(
ごてん
)
はたいそうりっぱなもので、ぜいたくのあらんかぎりを
尽
(
つ
)
くしていました。
北海の白鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その時、こっち岸の河原は
尽
(
つ
)
きてしまって、もっと川を溯るには、どうしてもまた水を渉らなければならないようになりました。
鳥をとるやなぎ
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
鶴ヶ岳と白沢山の間に大白沢山と地図に記してあるが、これは平ヶ岳の尾根が
尽
(
つ
)
きた処であって山というよりは平地と見るべきであろう
平ヶ岳登攀記
(新字新仮名)
/
高頭仁兵衛
(著)
▼ もっと見る
その兵は敗れ、その財は
尽
(
つ
)
きてそのときなお起るの精力を蓄うるものであります。これはまことに国民の試練の時であります。
デンマルク国の話:信仰と樹木とをもって国を救いし話
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
古今来
(
ここんらい
)
を
空
(
むな
)
しゅうして、
東西位
(
とうざいい
)
を
尽
(
つ
)
くしたる世界のほかなる世界に片足を踏み込んでこそ——それでなければ
化石
(
かせき
)
になりたい。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
愛想
(
あいそ
)
の
尽
(
つ
)
きた
獣
(
けだもの
)
だな、
汝
(
おのれ
)
、
苟
(
いやし
)
くも諸生を教へる松川の妹でありながら、十二にもなつて何の事だ、
何
(
ど
)
うしたらまたそんなに学校が
嫌
(
いや
)
なのだ。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
未明
(
みめい
)
食事を
終
(
おは
)
りて出立し又
水流
(
すいりう
)
を
溯
(
さかのぼ
)
る、無数の瀑布を
経過
(
けいくわ
)
して五千五百呎の
高
(
たかき
)
に至れば水流
全
(
まつた
)
く
尽
(
つ
)
き、源泉は
岩罅
(
かんこ
)
より
混々
(
こん/\
)
として出で
来
(
きた
)
る
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
その間、博士は、或る時は山師とあざけられ、また或る時は資金は
尽
(
つ
)
きて、ナイフやフォークまで売り払わねばならなかったこともあった。
火星探険
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
アカシアの並木は
何処
(
どこ
)
まで行っても
尽
(
つ
)
きないように見えた。私はとうとう或る大きなアカシアを
撰
(
えら
)
んでその前に立ち止まった。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
わたしの勉強に対する母の
配慮
(
はいりょ
)
が、わずかこの数語に
尽
(
つ
)
きていることは、わたしも心得ているから、別に口答えをする必要はないと思った。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
そのうちに
都夫良
(
つぶら
)
はとうとうひどい
手傷
(
てきず
)
を負いました。みんなも矢だねがすっかり
尽
(
つ
)
きてしまいました。それで
都夫良
(
つぶら
)
は
目弱王
(
まよわのみこ
)
に向かって
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
このまますてておけば、
今
(
いま
)
にこの
世
(
よ
)
の中にねずみの
種
(
たね
)
は
尽
(
つ
)
きてしまうことになるのです。いったいどうしたらいいでしょう。
猫の草紙
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
中村の町の
尽
(
つ
)
きるところ、月輪一刀流
月輪軍之助
(
つきのわぐんのすけ
)
の道場では、江戸へつかわすふしぎな人選の儀が行なわれているのだった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そして、咲耶子を道の
尽
(
つ
)
きるところまで
追
(
お
)
いこんで、ここぞと、
気合
(
きあ
)
いをあわせて、二
槍
(
そう
)
一
緒
(
しょ
)
に彼女の
胸板
(
むないた
)
へ
突
(
つ
)
いていった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
実際に力
尽
(
つ
)
きて
然
(
しか
)
る後に
斃
(
たお
)
るるはこれまた人情の
然
(
しか
)
らしむるところにして、その趣を
喩
(
たと
)
えていえば、父母の大病に回復の望なしとは知りながらも
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
ムヽー、
彼
(
あれ
)
だけの
手当
(
てあて
)
に
及
(
およ
)
んでも息が出んと
申
(
まう
)
せば
最早
(
もはや
)
全
(
まつた
)
く
命数
(
めいすう
)
が
尽
(
つ
)
きたのかも知れぬて、
何
(
ど
)
うしても
気
(
き
)
が
附
(
つ
)
かぬか。
華族のお医者
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
すでに
為
(
な
)
すべからざるを知るといえども、
我
(
わ
)
が
事
(
つか
)
うるところの
存
(
そん
)
せん
限
(
かぎ
)
りは一日も政府の任を
尽
(
つ
)
くさざるべからずとて
極力
(
きょくりょく
)
計画
(
けいかく
)
したるところ少なからず
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
この親切なるかつ
明鬯
(
めいちょう
)
平易なる手紙は甚だ余の心を
獲
(
え
)
たものであつて、余の考も殆どこの手紙の中に
尽
(
つ
)
きて居る。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
話の種も
尽
(
つ
)
きて、退屈したお互いに顔を情けなく見かわしながら店番していると、いっそ恥かしい想いがした。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
一言
(
いちげん
)
にして
尽
(
つ
)
くせば、自分の
昵近
(
じっこん
)
な人の間に何か不吉なことがあると、それが必らず前兆になって現われる。いかなる前兆となって現われるかというに叩く音!
不吉の音と学士会院の鐘
(新字新仮名)
/
岩村透
(著)
そこでも
彼
(
かれ
)
は
宿
(
やど
)
から
出
(
で
)
ずに、
終日
(
しゅうじつ
)
相変
(
あいかわ
)
らず
長椅子
(
ながいす
)
の
上
(
うえ
)
に
転
(
ころ
)
がり、
相変
(
あいかわ
)
らず
友
(
とも
)
の
挙動
(
きょどう
)
に
愛想
(
あいそう
)
を
尽
(
つ
)
かしている。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
勝は外を通ってる人の声を聞いても時々
気疎
(
けうと
)
いことがありますぞな。ようあんな
下卑
(
げび
)
たことを大きな声で
喋舌
(
しゃべ
)
ってげらげら笑っておられると愛想が
尽
(
つ
)
きてしまう。
入江のほとり
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
一三一
上皇
(
じやうくわう
)
の
幸福
(
さいはひ
)
いまだ
尽
(
つ
)
きず。重盛が忠信ちかづきがたし。今より
一三二
支干
(
えと
)
一
周
(
めぐり
)
を待たば、重盛が
命数
(
よはひ
)
既に尽きなん。
他
(
かれ
)
死
(
し
)
せば一族の
幸福
(
さいはひ
)
此の時に亡ぶべし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
またむかし
武田勝頼
(
たけだかつより
)
が
三河
(
みかわ
)
の
長篠城
(
ながしのじょう
)
を囲み、城中
食
(
しょく
)
尽
(
つ
)
きもはや
旬日
(
じゅんじつ
)
を支え得なかった時、
鳥居強右衛門
(
とりいすねえもん
)
が
万苦
(
ばんく
)
を
冒
(
おか
)
して重囲を
潜
(
くぐ
)
り、
徳川家康
(
とくがわいえやす
)
に
見
(
まみ
)
えて救いを乞い
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
女に
扮
(
ふん
)
した役者は
花道
(
はなみち
)
の
尽
(
つ
)
きるあたりまで出て
後
(
うしろ
)
を
見返
(
みかへ
)
りながら
台詞
(
せりふ
)
を述べた。
其
(
そ
)
の
後
(
あと
)
に
唄
(
うた
)
がつづく。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「飛んでもございません。だいいち、刃物も持っては居りません。ただ、心を
尽
(
つ
)
くして話しましたら、また考えも変わるだろうと、それだけが、望みでございました」
乳を刺す:黒門町伝七捕物帳
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
しかしその市の
尽
(
つ
)
くる処、すなわち町
外
(
は
)
ずれはかならず抹殺してはならぬ。僕が考えには武蔵野の詩趣を描くにはかならずこの町
外
(
はず
)
れを一の
題目
(
だいもく
)
とせねばならぬと思う。
武蔵野
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
それでも彼女の名前を当てにして病院に尋ねて来る患者は、まだなかなか
尽
(
つ
)
きない。私の病院は彼女のために存在していたのじゃないか知らんと疑われるくらいである。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
案のごとくその坊主きょうもきて、餅を取りて食うこと昨日のごとし。餅
尽
(
つ
)
きてのちその白石をも同じように口に入れたりしが、大いに驚きて小屋を飛び出し姿見えずなれり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
而して又た日暮れ
途
(
みち
)
尽
(
つ
)
くるに及びては年金なるものありて以て晩年を閑遊するに足る。
主のつとめ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
三の戸まで何ほどの
里程
(
みちのり
)
かと問いしに、三里と答えければ、いでや一走りといきせき
立
(
たっ
)
て進むに、
峠
(
とうげ
)
一つありて登ることやや長けれども
尽
(
つ
)
きず、雨はいよいよ強く面をあげがたく
突貫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
裾
(
すそ
)
曳摺
(
ひきず
)
りて
奥様
(
おくさま
)
といへど、女は
竟
(
つい
)
に女
也
(
なり
)
当世
(
たうせい
)
の
臍繰
(
へそくり
)
要訣
(
えうけつ
)
に
曰
(
いわ
)
く出るに
酒入
(
さけい
)
つても
酒
(
さけ
)
、つく/\
良人
(
やど
)
が
酒浸
(
さけびた
)
して
愛想
(
あいそう
)
の
尽
(
つ
)
きる事もございますれど、
其代
(
そのかは
)
りの一
徳
(
とく
)
には
月々
(
つき/\
)
の
遣払
(
つかひはら
)
ひに
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
僕の
所謂
(
いはゆる
)
「話」らしい話のない小説はどう云ふ小説を指してゐるか、なぜ又僕はかう云ふ小説に興味を持つてゐるか、——それ等は大体上に書いた数十行の文章に
尽
(
つ
)
きてゐるであらう。
文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
道は
尽
(
つ
)
き、林に入った。見張台に行く方向である。あの健康な展望が、私の心をまぎらして呉れるかも知れない。私は、空を仰いだ。入り組んだ
梢
(
こずえ
)
を通す
斑
(
まだら
)
の光線が、私の顔に当った。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
「八ヶ嶽山上窩人に対しては、
深讐
(
しんしゅう
)
綿々
尽
(
つ
)
く
期
(
とき
)
無
(
な
)
けん、これ水狐族の遺訓たり」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
主人岩太郎も、今度はよくよくこの風流な石灯籠に
愛憎
(
あいそ
)
を
尽
(
つ
)
かした様子です。
銭形平次捕物控:245 春宵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼は財力も
尽
(
つ
)
きるといっしょに
白痴
(
はくち
)
のようになって
行衛
(
ゆくえ
)
知れずになった。「
赫耶姫
(
かぐやひめ
)
!」G氏は創造する金魚につけるはずのこの名を呼びながら、
乞食
(
こじき
)
のような
服装
(
ふくそう
)
をして
蒼惶
(
そうこう
)
として去った。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
取り返しのつかないようないやな心持がした。どうせああいう種類の女だ。かまうものかとも思った。それから今考えても自分に愛想の
尽
(
つ
)
きるような気持を起させるのはその翌日のことだ。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
どうしてああもさっぱりと都の生活に愛想を
尽
(
つ
)
かしておしまいになったのかは手前などが
詮索
(
せんさく
)
しても仕方がございませんが、……手前にはどうしても
解
(
げ
)
せぬことがひとつあるのでございます。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
一つの花が咲き、次の
蕾
(
つぼみ
)
が咲き、株上のいくつかの花が残らず咲き
尽
(
つ
)
くすまで見て、
二十日
(
はつか
)
もかかったというのであろう。いくら牡丹でも、一
輪
(
りん
)
の花が
二十日
(
はつか
)
間も
萎
(
しぼ
)
まず咲いているわけはない。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
終
(
つい
)
には大坂の
商賈
(
しょうこ
)
鴻
(
こう
)
の
池
(
いけ
)
、加島屋、辰巳屋などいえるものどもに借財して
一時
(
いっとき
)
の乏しきを救うといえども、またその利息返償に一層の苦を増し、
終
(
つい
)
に窮迫、せんかた
尽
(
つ
)
きて、家中の禄をかりあげ
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
両眼殆んど凍傷に
罹
(
かか
)
りたるか、色朱の
如
(
ごと
)
く、また足は氷雪の上を
引摺
(
ひきず
)
りしため、全く凍傷に罹る等実に散々の
体
(
てい
)
に打ち悩まされ、ここに気力全く
尽
(
つ
)
き
果
(
は
)
てて、終に
何時
(
いつ
)
となく、人事不省に
陥
(
おちい
)
りたり
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
梅も大方は
散
(
ちり
)
尽
(
つ
)
くした頃であるが、名にし負う信濃路は二月の末から
降
(
ふり
)
つづく大雪で宿屋より外へは
一歩
(
ひとあし
)
も踏出されぬ位、日々炉を囲んで春の寒さに
顫
(
ふる
)
えていると、ある日の夕ぐれ、山の猟師が一匹
木曽の怪物:――「日本妖怪実譚」より
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
手力
(
たぢから
)
のほこりも
尽
(
つ
)
きて
弱心
(
よわこゝろ
)
なやむひととき
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
尽
(
つ
)
くして倒れれば、天命です。
雨の玉川心中:01 太宰治との愛と死のノート
(新字新仮名)
/
山崎富栄
(著)
尽
(
つ
)
きせぬ
恨
(
うらみ
)
に 泣くねは
共々
(
ともども
)
七里ヶ浜の哀歌
(新字新仮名)
/
三角錫子
(著)
わが
為
(
な
)
さむこと世に
尽
(
つ
)
きて
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
私
(
わたくし
)
の
岩屋
(
いわや
)
の
修行
(
しゅぎょう
)
というのは、つまり
斯
(
こ
)
うした
失敗
(
しっぱい
)
とお
叱言
(
こごと
)
の
繰
(
く
)
りかえしで、
自分
(
じぶん
)
ながらほとほと
愛想
(
あいそ
)
が
尽
(
つ
)
きる
位
(
くらい
)
でございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
尽
常用漢字
中学
部首:⼫
6画
“尽”を含む語句
愛想尽
尽頭
立尽
燃尽
射尽
大尽
蕩尽
尽瘁
不尽
無尽蔵
心尽
尽日
御尽力
曲尽
国尽
尽未来際
無尽講
町尽
埋尽
不尽山
...