)” の例文
と是から船を出して矢切の渡口へ船をけ、上へあがり、おしのゝ門口へ参りました、音羽は勝手を存じて居りまするから中へ這入り
茶に、黒に、ちりちりに降るしもに、冬は果てしなく続くなかに、細い命を朝夕あさゆうに頼み少なくなぐ。冬は五年の長きをいとわず。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
コイルの一つ(二百三フィートの長さの銅線のコイル)を平たいコイルになぎ、また他のコイルは(前のと同じ長さのコイルで、同種な木の片に巻いた)
這奴しゃついまだ黄金丸が牙にかからず、なほこの辺を徘徊はいかいして、かかる悪事を働けるや。いで一突きに突止めんと、気はあせれども怎麼にせん、われは車にけられたれば、心のままに働けず。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
まず、二十艘の火船を先頭にたて、そのあとに、四隻の兵船をけた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仙「ハヽア此の鴻の台は上矢切だ、此辺こゝに悪い奴がかくれて居るのかも知れねえ、何か手係りになる事も有ろうから、船を市川口へけよう」
と云われ、二人はワナ/\ふるえて居りますと、此の時矢切の渡場わたしばへ舟をけてあがりましたのは荷足の仙太でございます。