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付
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つ
ふりがな文庫
“
付
(
つ
)” の例文
又
御身
(
おんみ
)
の位地として相当の準備なくては
叶
(
かな
)
はず、第一病婦の始末だに、
尚
(
なほ
)
付
(
つ
)
きがたき今日の場合、
如何
(
いかん
)
ともせんやうなきを察し給へ。
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
いや、
一旦
(
いったん
)
はもう
杭
(
くい
)
を打つたんですが、近所が去年焼けたもんですから、又なんだかごた
付
(
つ
)
いて……。一体どうなるんでせうかねえ。
赤い杭
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
此大勢
(
このたいせい
)
を
以
(
もつ
)
て
推算
(
すゐさん
)
すると、
朝鮮
(
てうせん
)
、
臺灣等
(
たいわんとう
)
の
輸入超過
(
ゆにふてうくわ
)
を
合算
(
がつさん
)
しても、
年末迄
(
ねんまつまで
)
には一
億
(
おく
)
六七千
萬圓
(
まんゑん
)
と
云
(
い
)
ふ
大凡
(
おほよそ
)
の
豫想
(
よさう
)
が
付
(
つ
)
いたのであつた。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
上等にするとその時フライ鍋で
人参
(
にんじん
)
と
玉葱
(
たまねぎ
)
とジャガ芋をよく
炒
(
い
)
り
付
(
つ
)
けて牛肉と一緒に今のブラウンソースへ入れて一時間も煮ますが
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
卯平
(
うへい
)
は
久振
(
ひさしぶり
)
で
故郷
(
こきやう
)
に
歳
(
とし
)
を
迎
(
むか
)
へた。
彼等
(
かれら
)
の
家
(
いへ
)
の
門松
(
かどまつ
)
は
只
(
たゞ
)
短
(
みじか
)
い
松
(
まつ
)
の
枝
(
えだ
)
と
竹
(
たけ
)
の
枝
(
えだ
)
とを
小
(
ちひ
)
さな
杙
(
くひ
)
に
縛
(
しば
)
り
付
(
つ
)
けて
垣根
(
かきね
)
の
入口
(
いりくち
)
に
立
(
た
)
てたのみである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
丸で
女
(
をんな
)
が
御白粉
(
おしろい
)
を
付
(
つ
)
ける時の
手付
(
てつき
)
と一般であつた。実際彼は必要があれば、
御白粉
(
おしろい
)
さへ
付
(
つ
)
けかねぬ程に、肉体に
誇
(
ほこり
)
を置く人である。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私
(
わたし
)
は、
霜
(
しも
)
に
睡
(
ねむり
)
をさました
劍士
(
けんし
)
のやうに、
付
(
つ
)
け
燒
(
や
)
き
刃
(
ば
)
に
落
(
お
)
ちついて
聞
(
き
)
きすまして、「
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だ。
火
(
ひ
)
が
近
(
ちか
)
ければ、あの
音
(
おと
)
が
屹
(
きつ
)
とみだれる。」
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
黒い
路
(
みち
)
がまたひょっくり草の中にあらわれました。そして達二の兄さんが、とつぜん、眼の前に立ちました。達二はしがみ
付
(
つ
)
きました。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「ふん。
昔
(
むかし
)
も
今
(
いま
)
もあるもんじゃねえ。
隣近所
(
となりきんじょ
)
のこたァ、
女房
(
にょうぼう
)
がするに
極
(
きま
)
ッてらァな。
行
(
い
)
って、こっぴどくやっ
付
(
つ
)
けて
来
(
き
)
ねえッてことよ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
斯く爲しつつ空中の鳥を目掛けて
投
(
な
)
げる時は、
網
(
あみ
)
を以て之を
覆
(
おほ
)
ふと同樣、翼を
抑
(
おさ
)
へ体を
締
(
し
)
め
付
(
つ
)
け鳥をして
飛揚
(
ひやう
)
する事を得ざらしむ。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
「時間器械の部屋の中というと、あの焼跡の地下室に
据
(
すえ
)
付
(
つ
)
けてある、あれのことだね。君が僕に
入
(
はい
)
れといったあの器械の中のことだね」
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
古木
(
こぼく
)
の
樣
(
やう
)
な
醜
(
みにく
)
き
腕
(
うで
)
を
延
(
のば
)
して、
鐵車
(
てつしや
)
の
檻
(
おり
)
を
引握
(
ひきつか
)
み、
力任
(
ちからまか
)
せに
車
(
くるま
)
を
引倒
(
ひきたほ
)
さんとするのである。
猛犬稻妻
(
まうけんいなづま
)
は
猛然
(
まうぜん
)
として
其
(
その
)
手
(
て
)
に
噛
(
か
)
み
付
(
つ
)
いた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
そのうちに、どこからか、
彼
(
かれ
)
らに
向
(
む
)
かって、
空気銃
(
くうきじゅう
)
をうったものがあります。一
羽
(
わ
)
のすずめは、
羽
(
はね
)
の
付
(
つ
)
け
根
(
ね
)
のあたりを
傷
(
きず
)
つけられました。
温泉へ出かけたすずめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
『いや、御手数です。大した事はなかったんですが……かなり骨を折せやあがった……私は一人を
遣
(
や
)
っ
付
(
つ
)
けておいてこいつを』
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
謂ふ心は、両足を
地面
(
ぢべた
)
に
喰
(
く
)
つ
付
(
つ
)
けてゐて歌ふ詩といふ事である。実人生と何等の間隔なき心持を以て歌ふ詩といふ事である。
弓町より
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
かつて或る暴風雨の日に
俄
(
にわか
)
に
鰻
(
うなぎ
)
が
喰
(
く
)
いたくなって、その頃名代の
金杉
(
かなすぎ
)
の
松金
(
まつきん
)
へ風雨を犯して
綱曳
(
つなひ
)
き
跡押
(
あとおし
)
付
(
つ
)
きの
俥
(
くるま
)
で
駈付
(
かけつ
)
けた。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
彼
(
かれ
)
は
詮方
(
せんかた
)
なくお
眠
(
やす
)
みなさい、とか、
左樣
(
さやう
)
なら、とか
云
(
い
)
つて
出
(
で
)
て
來
(
こ
)
やうとすれば、『
勝手
(
かつて
)
にしやがれ。』と
怒鳴
(
どな
)
り
付
(
つ
)
ける
權幕
(
けんまく
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
殊に日が暮れているとはいえ人家や、電車道に近い薄明るい処で、これだけの思い切った仕事を
遣
(
や
)
っ
付
(
つ
)
けている以上、生やさしい度胸ではない。
近眼芸妓と迷宮事件
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
殊に
此年
(
ことし
)
に入ってからはお母さんの
急
(
せ
)
っ
付
(
つ
)
き方が
頻繁
(
ひんぱん
)
になった。絶えず機会を覗っているらしい。次のような問答は僕の度々洩れ聞くところだ。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
若
(
わか
)
き
血潮
(
ちしほ
)
の
漲
(
みな
)
ぎりに、私は
微醺
(
びくん
)
でも
帶
(
お
)
びた時のやうにノンビリした
心地
(
こゝち
)
になツた。友はそんなことは氣が
付
(
つ
)
かぬといふ
風
(
ふう
)
。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
そのうちに荒田老に
付
(
つ
)
き
添
(
そ
)
っていた鈴田が、平木中佐と何かしめしあわせたあと、朝倉先生の近くによって来てたずねた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
気
(
き
)
が
付
(
つ
)
いて
伊香刀美
(
いかとみ
)
が
振
(
ふ
)
り
返
(
かえ
)
ってみますと、すぐうしろの
松
(
まつ
)
の木の
枝
(
えだ
)
に、ついぞ
見
(
み
)
たこともないような、
美
(
うつく
)
しい
真
(
ま
)
っ
白
(
しろ
)
な
着物
(
きもの
)
が
掛
(
か
)
けてありました。
白い鳥
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
是
(
これ
)
から
長家
(
ながや
)
の者が五六人
付
(
つ
)
いて出かけましたが、お寺は
貧窮山難渋寺
(
ひんきゆうさんなんじふじ
)
と
云
(
い
)
ふので、
本堂
(
ほんだう
)
には
鴻雁寺
(
こうがんじ
)
が二
挺
(
てう
)
点
(
とも
)
つて
居
(
ゐ
)
る。金
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
浜には
津軽
(
つがる
)
や
秋田
(
あきた
)
へんから集まって来た
旅雁
(
りょがん
)
のような漁夫たちが、
鰊
(
にしん
)
の
建網
(
たてあみ
)
の修繕をしたり、
大釜
(
おおがま
)
の
据
(
す
)
え
付
(
つ
)
けをしたりして、黒ずんだ自然の中に
生まれいずる悩み
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
カキツバタの語原は書きつけ花の意で、その
転訛
(
てんか
)
である。すなわち、書きつけは
摺
(
す
)
り
付
(
つ
)
けることで、その
花汁
(
かじゅう
)
をもって布を
摺
(
す
)
り
染
(
そ
)
めることである。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
足
(
あし
)
をばた/\やつて
大聲
(
おほごゑ
)
を
上
(
あ
)
げて
泣
(
な
)
いて、それで
飽
(
あ
)
き
足
(
た
)
らず
起上
(
おきあが
)
つて
其處
(
そこ
)
らの
石
(
いし
)
を
拾
(
ひろ
)
ひ、四方八方に
投
(
な
)
げ
付
(
つ
)
けて
居
(
ゐ
)
た。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
火
(
ひ
)
に
慣
(
な
)
れないものは
火
(
ひ
)
を
恐
(
おそ
)
れるために、
小火
(
ぼや
)
の
中
(
うち
)
にこれを
押
(
おさ
)
へ
付
(
つ
)
けることが
出來
(
でき
)
ずして
大事
(
だいじ
)
に
至
(
いた
)
らしめることが
多
(
おほ
)
い。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
一所
(
ひとつところ
)
に土橋がかかっていた。その下に
枯蘆
(
かれあし
)
が茂っていた。また一所に
樋
(
ひ
)
の口があった。枯れた
苔
(
こけ
)
が
食
(
く
)
っ
付
(
つ
)
いていた。
隠亡堀
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「あら、
長
(
ちやう
)
ちやんも
居
(
ゐ
)
たの。学校がお休み………あら、さう。」
其
(
そ
)
れから
付
(
つ
)
けたやうに、ほゝゝほと笑つて、さて
丁寧
(
ていねい
)
に手をついて
御辞儀
(
おじぎ
)
をしながら
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
紅
(
あか
)
い
木
(
こ
)
の
実
(
み
)
を
摘取
(
つみと
)
ると、すぐそれが
汚
(
けが
)
れて
了
(
しま
)
ひ、ちよいと
草木
(
くさき
)
の
根
(
ね
)
を
穿
(
ほじ
)
つても、この
手
(
て
)
が
付
(
つ
)
くと
凋
(
しぼ
)
んでゆく。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
そういいながら吉は釣瓶の尻の重りに
縛
(
しば
)
り
付
(
つ
)
けられた
欅
(
けやき
)
の
丸太
(
まるた
)
を取りはずして、その代わり石を縛り付けた。
笑われた子
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
惡
(
わ
)
るくすると
取
(
とり
)
かへしの
付
(
つ
)
かぬ
事
(
こと
)
になると
申
(
まをし
)
まして、
夫
(
そ
)
れで
其時
(
そのとき
)
申
(
まをし
)
ました、
私
(
わたし
)
が
郷里
(
きやうり
)
の
幼
(
おさ
)
な
友達
(
ともだち
)
に
是
(
こ
)
れ/\
斯
(
か
)
う
言
(
い
)
ふ
娘
(
こ
)
が
有
(
あ
)
つて、
肝
(
かん
)
もちの、はつきりとして
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
崇拝者ポトカ伯夫人がニースから
駆
(
か
)
け
付
(
つ
)
けると、
瀕死
(
ひんし
)
のショパンは、この同国人に何か歌ってくれと言った。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
『
福鼠
(
ふくねずみ
)
はさぞ
心地
(
こゝろもち
)
が
惡
(
わる
)
いだらう』と
愛
(
あい
)
ちやんは
思
(
おも
)
ひました、『
只
(
たゞ
)
眠
(
ねむ
)
つてるばかりで
氣
(
き
)
が
付
(
つ
)
かないんだわ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
男はまさしく餓えたように女のそばに
喰
(
く
)
っ
付
(
つ
)
き廻っていて、物憂い昼間の仕事台に向っていたときの男とは別人のような元気と精力をもっているようにおもわれた。
香爐を盗む
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
舟
(
ふね
)
がまた一
間半
(
けんはん
)
ばかり
岸
(
きし
)
を
離
(
はな
)
れた
時
(
とき
)
、
玄竹
(
げんちく
)
は
下男
(
げなん
)
を
促
(
うなが
)
して
兩掛
(
りやうが
)
けを
擔
(
かつ
)
がせ、
大急
(
おほいそ
)
ぎで
岸
(
きし
)
へ
駈
(
か
)
け
付
(
つ
)
けて
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
山田
(
やまだ
)
とも
付
(
つ
)
かず
石橋
(
いしばし
)
とも付かずでお茶を
濁
(
にご
)
して
居
(
ゐ
)
たのです、
其頃
(
そのころ
)
世間
(
せけん
)
に
持囃
(
もてはや
)
された
読物
(
よみもの
)
は、
春
(
はる
)
のや
君
(
くん
)
の
書生気質
(
しよせいかたぎ
)
、
南翠
(
なんすゐ
)
君
(
くん
)
の
何
(
なん
)
で有つたか、
社会小説
(
しやくわいせうせつ
)
でした、それから
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
其時
(
そのとき
)
村
(
むら
)
の
内
(
うち
)
に
一人
(
ひとり
)
の
老人
(
としより
)
がありまして、
其塲
(
そのば
)
に
驅
(
か
)
け
付
(
つ
)
けて
參
(
まい
)
り、
錢
(
おあし
)
を
呑
(
の
)
んだと
云
(
い
)
ふ
話
(
はなし
)
を
聞
(
きい
)
たが
就
(
つい
)
ては、
私
(
わたくし
)
が
實驗
(
じつけん
)
があるから、
其
(
そ
)
れをば
何卒
(
どうぞ
)
行
(
や
)
ツて
見
(
み
)
て
呉
(
く
)
れ、
其法
(
そのはう
)
と
申
(
まう
)
すは
手療法一則:(二月例会席上談話)
(旧字旧仮名)
/
荻野吟子
(著)
付
(
つ
)
て飛石に
押
(
おし
)
たるものならんか右二ヶ條の
趣
(
おもむ
)
き
而已
(
のみ
)
にても心付べき
筈
(
はず
)
なり
是
(
これ
)
調
(
しら
)
べし人の
過
(
あやま
)
りにして
勿々
(
なか/\
)
罪は斷し
難
(
がた
)
し且又其夜傳吉が參りし
占
(
うらな
)
ひ者を呼で傳吉の歸りし
刻限
(
こくげん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
だから、木村博士を怪しいと考えたのですが、木村博士が盗賊をするのはおかしいと思い、死体を見ると、果たして
黒子
(
ほくろ
)
が
付
(
つ
)
け
黒子
(
ぼくろ
)
だったので、替え玉だなと思ったのです。
紫外線
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
額のつまった、眼元口元の
凜々
(
りゝ
)
しい顔に子供らしい怒りを含んで、つッと立った儘弟と私の方をきり/\
睨
(
ね
)
め
付
(
つ
)
けている。信一は一と縮みに縮み上って蒼くなるかと思いの外
少年
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
けれども藩士の禄券と云うものは悪銭身に
付
(
つ
)
かずと
云
(
い
)
うような
訳
(
わ
)
けで、
終
(
つい
)
にはなくして
仕舞
(
しま
)
って何もありはしない。
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
に
中津
(
なかつ
)
藩の穏かであったと云うことは間違いない話です。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
日本海軍の
起源
(
きげん
)
は、安政初年の
頃
(
ころ
)
より長崎にて
阿蘭人
(
オランダじん
)
の
伝
(
つた
)
うるところにして、
伝習
(
でんしゅう
)
およそ六七年、学生の
伎倆
(
ぎりょう
)
も
略
(
ほぼ
)
熟
(
じゅく
)
したるに
付
(
つ
)
き、
幕議
(
ばくぎ
)
、
遠洋
(
えんよう
)
の渡航を
試
(
こころみ
)
んとて
軍艦
(
ぐんかん
)
咸臨丸
(
かんりんまる
)
を
艤装
(
ぎそう
)
し
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
警官
(
けいくわん
)
を
出張
(
しゆつちやう
)
さして
嚴
(
げん
)
に
取締
(
とりしまり
)
を
付
(
つ
)
けたのであるが、それでも
參詣人
(
さんけいにん
)
は一
向
(
かう
)
减
(
げん
)
じ
無
(
な
)
い。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
そうした彼の思想は父信秀の代からのもので政略や
付
(
つ
)
け
焼刃
(
やきば
)
ではないようだ。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蕉風の
付
(
つ
)
け
合
(
あひ
)
に関する議論は樋口
功
(
いさを
)
氏の「芭蕉研究」に
頗
(
すこぶ
)
る明快に述べられてゐる。尤も僕は樋口氏のやうに、発句は蕉門の
竜象
(
りゆうざう
)
を始め蕪村も甚だ芭蕉には劣つてゐなかつたとは信ぜられない。
芭蕉雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
祖母に
強求
(
ねだ
)
る、
一寸
(
ちょっと
)
渋る、
首玉
(
くびったま
)
へ
噛
(
かじ
)
り
付
(
つ
)
いて、ようようと二三度鼻声で
甘垂
(
あまた
)
れる、と、もう祖母は
海鼠
(
なまこ
)
の様になって、お
由
(
よし
)
——母の名だ——
彼様
(
あんな
)
に言うもんだから、買って来てお遣りよ、という。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
以前何かの折に一寸引合に出した事のある米国の劇場監督チヤールズ・フロオマンは、恐ろしい
厳
(
やかま
)
し
屋
(
や
)
で、相手が誰であらうと、自分の指図に従はないものは手厳しく
遣
(
や
)
つ
付
(
つ
)
けるので名高い男だつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
君
(
きみ
)
が
死
(
し
)
を
以
(
もつ
)
て
貼
(
は
)
り
付
(
つ
)
けたビラの
跡
(
あと
)
はまだ
生々
(
なま/\
)
しい。
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
學海居士
(
ガクカイコジ
)
の
評文
(
ひようぶん
)
の
目
(
め
)
に
付
(
つ
)
きたるも
之
(
これ
)
を
以
(
もつ
)
てなり。
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
付
常用漢字
小4
部首:⼈
5画
“付”を含む語句
心付
取付
追付
打付
見付
押付
言付
縁付
仰付
喰付
落付
寄付
片付
云付
申付
目付
顔付
貼付
近付
引付
...