“旅雁”の読み方と例文
読み方割合
りょがん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
浜には津軽つがる秋田あきたへんから集まって来た旅雁りょがんのような漁夫たちが、にしん建網たてあみの修繕をしたり、大釜おおがまけをしたりして、黒ずんだ自然の中に
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)
老博士は、ビヤホールの廻転ドアから、くるりと排出され、よろめき、その都会の侘びしい旅雁りょがんの列に身を投じ、たちまち、もまれ押されて、泳ぐような恰好で旅雁と共に流れて行きます。
愛と美について (新字新仮名) / 太宰治(著)
然し北国の寒さは私たち五人の暖みでは間に合わない程寒かった。私は一人の病人と頑是がんぜないお前たちとをいたわりながら旅雁りょがんのように南を指してのがれなければならなくなった。
小さき者へ (新字新仮名) / 有島武郎(著)