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詰
>
つ
ふりがな文庫
“
詰
(
つ
)” の例文
でっぷり
肥
(
こ
)
えた中年の人間が——倉庫係のおじさんだ——ぼくたちのぎっしり
詰
(
つ
)
まっているボール
函
(
ばこ
)
を手にとって、
蓋
(
ふた
)
を明けたのだ。
もくねじ
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
私
(
わたくし
)
の
樣
(
やう
)
なものには
到底
(
たうてい
)
悟
(
さとり
)
は
開
(
ひら
)
かれさうに
有
(
あ
)
りません」と
思
(
おも
)
ひ
詰
(
つ
)
めた
樣
(
やう
)
に
宜道
(
ぎだう
)
を
捕
(
つら
)
まへて
云
(
い
)
つた。それは
歸
(
かへ
)
る
二三日
(
にさんち
)
前
(
まへ
)
の
事
(
こと
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
呼吸
(
いき
)
を
詰
(
つ
)
めて、うむと
堪
(
こら
)
へて
凍着
(
こゞえつ
)
くが、
古家
(
ふるいへ
)
の
煤
(
すゝ
)
にむせると、
時々
(
とき/″\
)
遣切
(
やりき
)
れなく
成
(
な
)
つて、
潛
(
ひそ
)
めた
嚔
(
くしやめ
)
、ハツと
噴出
(
ふきだ
)
しさうで
不氣味
(
ぶきみ
)
な
眞夜中
(
まよなか
)
。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
髷
(
まげ
)
は短く
詰
(
つ
)
めて
結
(
ゆ
)
つてゐる。
月題
(
さかやき
)
は薄い。一度
喀血
(
かくけつ
)
したことがあつて、口の悪い男には
青瓢箪
(
あをべうたん
)
と云はれたと云ふが、
現
(
げ
)
にもと
頷
(
うなづ
)
かれる。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
忽
(
たちま
)
ち、
潮
(
うしほ
)
は
泡立
(
あわだ
)
ち、
波
(
なみ
)
は
逆卷
(
さかま
)
いて、
其邊
(
そのへん
)
海嘯
(
つなみ
)
の
寄
(
よ
)
せた
樣
(
やう
)
な
光景
(
くわうけい
)
、
私
(
わたくし
)
は
一生懸命
(
いつせうけんめい
)
に
鐵鎖
(
てつさ
)
を
握
(
にぎ
)
り
詰
(
つ
)
めて、
此處
(
こゝ
)
千番
(
せんばん
)
に
一番
(
いちばん
)
と
氣
(
き
)
を
揉
(
も
)
んだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
と
詰
(
つ
)
めよられて、おどろきあわてつつも、口きき大家と言われるだけあって、喜左衛門はすぐに平静に返ってはっきりと応対する。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
書記官は
一際
(
ひときわ
)
妙な声でいわれますには「そのマナサルワ湖に着くまでに経た道はどこであるか」と猫の鼠を追うがごとくに問い
詰
(
つ
)
めた。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
と、断るのが、多いし、上杉の藩士を
詰
(
つ
)
めさせては、赤穂との対立になるし、素姓の知れない人間は、敵方の諜者を入れこむ
惧
(
おそ
)
れがある。
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
幾日も/\越後屋に
詰
(
つ
)
めて、どんな小さい手掛りでもと搜した平次は、お
此
(
この
)
の初七日の濟んだ日、到頭投げる外は無いと思ひ定めました。
銭形平次捕物控:159 お此お糸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「長崎ばってん江戸べらぼうか。ばってんは英語の but and の
詰
(
つ
)
まったものだというが、巧い
抉
(
こ
)
じつけじゃないか?」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
この
煮物
(
にもの
)
をさましていくつもの
塊
(
かたまり
)
に切り、その切り口へあなをあけて、毒薬を
詰
(
つ
)
め、その上へチーズを厚くぬってふたをした。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
何かしら思い
詰
(
つ
)
めているのか放心して
仮面
(
めん
)
のような虚しさに
蒼
(
あお
)
ざめていた顔が、
瞬間
(
しゅんかん
)
カッと血の色を
泛
(
うか
)
べて、ただごとでない
激
(
はげ
)
しさであった。
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
私
(
わたし
)
は、
町
(
まち
)
の
香水製造場
(
こうすいせいぞうじょう
)
に
雇
(
やと
)
われています。
毎日
(
まいにち
)
、
毎日
(
まいにち
)
、
白
(
しろ
)
ばらの
花
(
はな
)
から
取
(
と
)
った
香水
(
こうすい
)
をびんに
詰
(
つ
)
めています。そして、
夜
(
よる
)
、おそく
家
(
うち
)
に
帰
(
かえ
)
ります。
月夜と眼鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
守衛は何人か
交替
(
こうたい
)
に
門側
(
もんがわ
)
の
詰
(
つ
)
め所に
控
(
ひか
)
えている。そうして武官と文官とを問わず、教官の
出入
(
ではいり
)
を見る度に、
挙手
(
きょしゅ
)
の礼をすることになっている。
保吉の手帳から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
閑
(
かん
)
中の
余技
(
よぎ
)
として
樂
(
たの
)
しむ
僕達
(
ぼくたち
)
の
棋戰
(
きせん
)
でさへ負けては
樂
(
たの
)
しからず、
惡
(
あく
)
手を
指
(
さ
)
したり
讀
(
よ
)
みの不足で
詰
(
つ
)
みを
逸
(
いつ
)
したりした時など
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
と見て
居
(
ゐ
)
ると
金
(
かね
)
を
七八
(
なゝやツつ
)
づゝ
大福餅
(
だいふくもち
)
の
中
(
なか
)
へ
入
(
い
)
れ
上
(
うへ
)
から
餡
(
あん
)
を
詰
(
つ
)
め
餅
(
もち
)
で
蓋
(
ふた
)
をいたしてギユツと
握固
(
にぎりかた
)
めては口へ
頬張
(
ほゝば
)
り
目
(
め
)
を
白
(
しろ
)
ツ
黒
(
くろ
)
にして
呑込
(
のみこ
)
んで
居
(
ゐ
)
る。金
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
壁
(
かべ
)
の小さい柱鏡に
疲
(
つか
)
れた僕の顔と、
頬
(
ほお
)
のふくれた彼女の顔が並んだ。僕は
沁々
(
しみじみ
)
とした気持ちで彼女の抜き
衿
(
えり
)
を女学生のように
詰
(
つ
)
めさせてやった。
魚の序文
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
間もなく蕈も大ていなくなり理助は炭俵一ぱいに
詰
(
つ
)
めたのをゆるく両手で
押
(
お
)
すようにしてそれから
羊歯
(
しだ
)
の葉を五六枚のせて
縄
(
なわ
)
で上をからげました。
谷
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
枷
(
かせ
)
にして
詰
(
つ
)
め寄るとなにとぞどこへなとお
遣
(
や
)
りなされて下さりませ一生独り身で
暮
(
く
)
らす私に足手まといでござりますと
涼
(
すず
)
しい顔つきで云うのである
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
拳闘
(
けんとう
)
の
某氏
(
ぼうし
)
のように責任を感じて
丸坊主
(
まるぼうず
)
になったひともいましたが、やはり
気恥
(
きはず
)
かしさや
僻
(
ひが
)
みもあり張り
詰
(
つ
)
めた気も
一遍
(
いっぺん
)
に折れた、がっかりさで
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
往来
(
おうらい
)
の人たちは、ふしぎな
看板
(
かんばん
)
とおもしろそうな
口上
(
こうじょう
)
に
釣
(
つ
)
られて、ぞろぞろ
見世物小屋
(
みせものごや
)
へ
詰
(
つ
)
めかけて
来
(
き
)
て、たちまち、まんいんになってしまいました。
文福茶がま
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
鐵砲
(
てつぽう
)
に
彈藥
(
だんやく
)
が
裝填
(
そうてん
)
してあれば
引金
(
ひきがね
)
を
外
(
はづ
)
すことによつて
彈丸
(
たま
)
が
遠方
(
えんぽう
)
に
飛
(
と
)
ぶが、もし
彈藥
(
だんやく
)
が
裝填
(
そうてん
)
してなく
或
(
あるひ
)
は
單
(
たん
)
に
彈丸
(
たま
)
だけ
詰
(
つ
)
めて
火藥
(
かやく
)
を
加
(
くは
)
へなかつたなら
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
紅木公爵夫人がこう尋ねますと、青眼先生はグッと
行
(
ゆ
)
き
詰
(
つ
)
まりました。そうしてさも苦しそうに返事をしました——
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
湯煮た魚の身を細かく切ってマイナイスで和えて
詰
(
つ
)
めてよし、牛肉や鳥肉の細かにしたのを
和
(
あえ
)
て詰てもよいのです。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
つまり一口にいえば、今の日本の若い娘たちが、最も
退屈
(
たいくつ
)
を感じて『
詰
(
つ
)
まンないの』というような場所であった。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
いいえ、
放
(
はな
)
すものか、
江戸中
(
えどじゅう
)
に、
女
(
おんな
)
の
数
(
かず
)
は
降
(
ふ
)
る
程
(
ほど
)
あっても、
思
(
おも
)
い
詰
(
つ
)
めたのはお
前
(
まえ
)
一人
(
ひとり
)
。ここで
会
(
あ
)
えたな、
日頃
(
ひごろ
)
お
願
(
ねが
)
い
申
(
もう
)
した、
不動様
(
ふどうさま
)
の
御利益
(
ごりやく
)
に
違
(
ちが
)
いない。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
家来とは何だと
云
(
い
)
うと、「イヤ事急なれば皆この城中に
詰
(
つ
)
める方々にお
賄
(
まかない
)
を下さるので
人数
(
にんず
)
を調べて居る処です。 ...
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
廊下の
往
(
ゆ
)
き
詰
(
つ
)
めに暗室があって、そこに
棺桶
(
かんおけ
)
があって紙を
貼
(
は
)
り、
故
(
もと
)
の奉化府州判の
女
(
むすめ
)
麗卿の
柩
(
ひつぎ
)
と書いてあった。
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
三日
(
みつか
)
の
間
(
あひだ
)
城内
(
じやうない
)
へ
詰
(
つ
)
め
切
(
き
)
りでございまして、
漸
(
やうや
)
う
歸宅
(
きたく
)
いたしますと
町方
(
まちかた
)
の
病家
(
びやうか
)
から、
見舞
(
みまひ
)
の
催促
(
さいそく
)
が
矢
(
や
)
を
射
(
い
)
るやうで、
其處
(
そこ
)
をどうにか
切
(
き
)
り
拔
(
ぬ
)
けてまゐりました。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
もし昭青年がちょっとでも言葉に
詰
(
つ
)
まったら、いたく打ちのめし、引き
括
(
くく
)
って女と一緒に寺門
監督
(
かんとく
)
の上司へ
突出
(
つきだ
)
そうと、手ぐすね引いて
睨
(
ね
)
めつけています。
鯉魚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
籠長持
(
かごながもち
)
に
詰
(
つ
)
め込んである荷物を、政吉と父の兼松とが
後先
(
あとさき
)
に担い、師匠は大きな風呂敷包みを
背負
(
しょ
)
いました。
幕末維新懐古談:14 猛火の中の私たち
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
と云いながら、雲は無いがなんとなく
不透明
(
ふとうめい
)
な白みを持っている
柔和
(
やわらか
)
な青い色の
天
(
そら
)
を、じーっと
眺
(
なが
)
め
詰
(
つ
)
めた。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「幸い、御家老も
詰
(
つ
)
めあって居られますことゆえ、彼とも申し
談
(
だん
)
じ、思召しに叶うよう、相勤めましょう」
無惨やな
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
無情
(
つれな
)
かりし妾をこそ
憎
(
にく
)
め、
可惜
(
あたら
)
武士
(
ものゝふ
)
を世の外にして、樣を變へ給ふことの恨めしくも亦痛はしけれ。茲
開
(
あ
)
け給へ、思ひ
詰
(
つ
)
めし一念、聞き給はずとも言はでは
已
(
や
)
まじ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
今だに
一
(
ひと
)
つ
話
(
ばなし
)
に
残
(
のこ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのは、
此際
(
このさい
)
の事です、
何
(
なん
)
でも雑誌を売らなければ
可
(
い
)
かんと
云
(
い
)
ふので、
発行日
(
はつかうび
)
には
石橋
(
いしばし
)
も
私
(
わたし
)
も
鞄
(
かばん
)
の中へ
何十部
(
なんじふぶ
)
と
詰
(
つ
)
め
込
(
こ
)
んで、
而
(
さう
)
して学校へ出る
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
見ること聞くことが気に
触
(
さわ
)
ったり、家へ帰ってきてもまた同じく一生
世
(
よ
)
を面白くなく渡るのは、とかく
詰
(
つ
)
まらぬことに感情の作用をたくましくするにあることを思えば
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
その群衆は、
普通
(
ふつう
)
、路上に形作らるるものに比べては、かなり大きいものであった。しかも、それが岸に
在
(
あ
)
っては堤防に、橋の上では
欄杆
(
らんかん
)
へとギシギシと
押
(
お
)
し
詰
(
つ
)
められている。
死者を嗤う
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
Sとは、
極度
(
きよくど
)
に
切
(
き
)
り
詰
(
つ
)
めた
生活
(
せいくわつ
)
をして、
献身的
(
けんしんてき
)
に
運動
(
うんどう
)
をしてゐた、
若
(
わか
)
い
一人
(
ひとり
)
の
鬪士
(
とうし
)
だつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
詰
(
つ
)
め
襟
(
えり
)
のホックをかけずに着慣れた学校服を脱ぎ捨てて、君は
厚衣
(
あつし
)
を羽織る身になった。
生まれいずる悩み
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
彼女
(
かのじょ
)
は
私
(
わたくし
)
の
母
(
はは
)
と一
緒
(
しょ
)
に、
例
(
れい
)
の
海岸
(
かいがん
)
の
私
(
わたくし
)
の
隠
(
かく
)
れ
家
(
が
)
に
詰
(
つ
)
め
切
(
き
)
って、それはそれは
親身
(
しんみ
)
になってよく
尽
(
つく
)
してくれ、
私
(
わたくし
)
の
病気
(
びょうき
)
が
早
(
はや
)
く
治
(
なお
)
るようにと、
氏神様
(
うじがみさま
)
へ
日参
(
にっさん
)
までしてくれるのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
何か見
詰
(
つ
)
めてでもゐると、
黒瞳
(
くろめ
)
が
凝如
(
じつ
)
と
据
(
すわ
)
ツてとろけて了ひそうになツてゐる………
然
(
さ
)
うかと思ふと、
伏
(
ふし
)
目に物など見詰めてゐて、ふと
頭
(
あたま
)
を擡げた時などに、
甚
(
ひど
)
く
狼狽
(
うろた
)
えたやうな
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
俵(タワラ)ならば、おそらく何でもかんでも
詰
(
つ
)
め込むために存在するものだから、先ず文字づらだけからいえば、成長しても私のような
出鱈目
(
でたらめ
)
な生活をするような男にはなるまい。
親馬鹿入堂記
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
「礼と云い礼と云う。
玉帛
(
ぎょくはく
)
を云わんや。
楽
(
がく
)
と云い楽と云う。
鐘鼓
(
しょうこ
)
を云わんや。」などというと大いに
欣
(
よろこ
)
んで聞いているが、
曲礼
(
きょくれい
)
の細則を説く段になるとにわかに
詰
(
つ
)
まらなさそうな顔をする。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「どうしたことなの、
坊
(
ぼっ
)
ちゃん、お宅がこんなに早く引揚げなさるなんて?」と夫人は、両方の鼻の穴へ
嗅
(
か
)
ぎ
煙草
(
たばこ
)
を
詰
(
つ
)
め
込
(
こ
)
みながら言った。わたしはその顔を見て、ほっと胸が軽くなった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
草花の
枯
(
か
)
れたのやらが、一種汚らしい美しさで、ぎっしりと
詰
(
つ
)
まっていた。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
この他人の苦惱と犧牲の樣が、私の心を自分の惱みを獨りで思ひ
詰
(
つ
)
めてゐることから
移
(
うつ
)
した。ダイアナは兄のことを、「死のやうに動かし難い」と云つてゐた。彼女は誇張したのではなかつたのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
目を
瞑
(
つむ
)
って私につかまっていてくださいと言うと、すなおにその通りにしていて、ほどなく
金碧
(
きんぺき
)
光り
耀
(
かがや
)
く
常世
(
とこよ
)
の浜に到着した、という
風
(
ふう
)
にも語ることになっていて、それをさも有りなんと息を
詰
(
つ
)
めて
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
足
(
あし
)
の
爪先
(
つまさき
)
に
詰
(
つ
)
まつた
泥
(
どろ
)
を
落
(
おと
)
すことさへ
仕
(
し
)
なかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
早
(
はや
)
く
早
(
はや
)
くと
客
(
きやく
)
ァ
詰
(
つ
)
めこむし。
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「疲れはしないけれど、標本になって
閉
(
と
)
じこめられていたので、気が
詰
(
つ
)
まったよ。なんか気持ちがからりとすることはないだろうかね」
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
詰
常用漢字
中学
部首:⾔
13画
“詰”を含む語句
腸詰
引詰
詰問
行詰
重詰
詰寄
押詰
差詰
追詰
見詰
後詰
鑵詰
橋詰
大詰
壜詰
敷詰
鮨詰
詰合
問詰
相詰
...