)” の例文
新字:
……まア、あたじけない! みんんでしまうて、いてかうわたしためたゞてきをものこしておいてはくれぬ。……おまへくちびるはうぞ。
この小鳥ことりむれには、かならず一づゝ先達せんだつとりがあります。そのとりそら案内者あんないしやです。澤山たくさんいてとりむれ案内あんないするとりはうきます。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
『いえ、わたしはあなたがなん仰有おつしやつても、あなたにいてゆくのです。それよりほかわたしくみちはないんです。』
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
にん兵士へいしはそれをながら二三分間ぷんかん彷徨うろ/\してましたが、やがてしづかにものあといてすゝんできました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
「どうぞこちらへ。」とそのは云つた。周圍に高いドアのある四角な廣間をよぎつて、私は、彼女にいて行つた。彼女は、とある部屋に私を案内した。
『ほんとにお聟さんはないの。……ほんとのことを言つて御覽。』と、小池もあとからいて石段を下りた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
さうなつたら、私は祖父おぢいが買つて下すつたこの家で自害しますよ。故郷へ歸つて清から隱居を貰つて生きてゐたり、福岡三界へいて行つたりする氣には些ともなれないよ。
孫だち (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
そが初めの内こそ憐れと思ひて香花かうげ手向たむくる人もあれ、やがて星移りとしれば、冷え行く人のなさけれて顧みる人もなく、あはれ何れをそれと知る由もなく荒れ果てなんず
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
家の後始末をしたり、父親に因果をふくめたり、可能なら子供の一人二人も預かってもらい、とにかく仲間にいてゆかねばならぬと思うのだが、すぐその一方では疲れきった心身と
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)
が、私が追々と土地の事情が解つて來るにれて、此神經過敏の理由も讀めて來た。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
昨日の朝は家のものが一人いて、近所の子供や親達と一緒に學校へ行きました。今朝は送りにだけ行つて、試みに獨りで歸らせることにしました。
競技ゲームまゐれ』と女王樣ぢよわうさまあいちやんにまをされました、あいちやんはおどろきのあま一言ひとことをもませんでしたが、しづかにあといて毬投場まりなげばきました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
空涙そらなみだこぼしたかてあかん。」といふかと思ふと、京子はすツくと立ち上つて、次の室から臺所の方へ歩き出したので、道臣もお時も周章あわてた風で其の後にいた。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
をかへ上げて下さつて、ソフィイは後からいて來て、そして、あたしたちみんな馬車に乘つて、こゝよかもつと廣くて立派なホテルつていふ綺麗きれいな大きなおうちに行きましたのよ。
思へば先君の被官内人、幾百人と其の數を知らざりしが、世の盛衰にれて、多くは身を浮草の西東、もとの主人に弓引くものさへある中に、世を捨ててさへ昔を忘れぬ爾が殊勝さよ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
馬鹿ばかなツ、いてゆくつたつて、何處どこくといふんです。』
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
世界せかい如何どんはてまでも、わしの殿御とのごとしていてゆきませう。
そのへんは、どつちをいてもふかやまばかりで、ぢいやにでもいてかなければ、とても幼少ちひさ時分じぶんとうさんがひとりでかれるところではありませんでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
かれつてうごしました、福鼠ふくねずみ其後そのあといてきました、三月兎ぐわつうさぎ福鼠ふくねずみ場所ばしようつりました、あいちやんは厭々いや/\ながら三月兎ぐわつうさぎところきました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
『君の行くとこへ、何處どこへでもいて行かアね。……何處どこへでも連れてつてお呉れ。』
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
で、私は何處もみなよく配置され、立派なものだつたので、到る所で感嘆しながら、二階や階下を彼女の背後うしろいてまはつた。正面の大きな部屋は、特別に素晴すばらしいと私は思つた。
心愈〻亂るゝにれて、亂脈打てる胸の中に迷ひの雲は愈〻擴がり、果は狂氣の如くいらちて、時ならぬ鳴弦の響、劍撃の聲に胸中の渾沌をすまさんと務むれども、心茲にあらざれば見れども見えず
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
もしかして案内あんないするとり方角はうがく間違まちがへて、鳥屋とやあみにでもかゝらうものなら、いてとりなんありましてもみなおなじやうにそのあみくび突込つゝこんでしまひます。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
『あんたの行きなはるところへなら、何處どこでもいて行きまんがな。わたへかて、……』
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)