)” の例文
薄暗い燈火が只一廊下の一ところに灯っている、そして廊下の左右には幾個いくつかの部屋があると見えて扉に付いている白い取手が茫然ぼんやりと彼の眼に見えた。
人間製造 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
見事な、しかし心持地味なお納戸なんどの着物に、派手なコバルト色のパラソル、新しいフェルト草履ぞうり、バスケット一という姿の彼女がションボリと玄関に立った。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
いやそれでも足りないと見え、二の瀟洒とした廻転書架が、部屋の片隅に置かれてある。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
僕が南洋土産の巨大おおき擬金剛石アレキサンドリアを一持っております。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
幅一間、高さ一間半、そんなにも大きい頑丈な書棚が、三並列して置かれてある。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
火炉と釜との背後うしろにあたって、大きな棚が置いてある。一ではない、三である。で正面の部屋の壁は、棚ですっかり埋められている。棚には幾個か段がある。段には壺が載せてある。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)