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躡
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つ
ふりがな文庫
“
躡
(
つ
)” の例文
この勢いに、安井勢は
潰
(
つい
)
え去り、怒濤の羽柴軍の“
躡
(
つ
)
け”に
委
(
まか
)
せて追われたが、突然、蜂ヶ峰方面から駈け下って来た隊伍なき捨身の一群が
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
帝
大理少卿
(
たいりしょうけい
)
嵓を
遣
(
や
)
りて、燕王及び諸将士の罪を
赦
(
ゆる
)
して、本国に帰らしむることを
詔
(
みことのり
)
し、燕軍を散ぜしめて、而して大軍を
以
(
もっ
)
て
其
(
その
)
後
(
あと
)
に
躡
(
つ
)
かしめんとす。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
これを
纒
(
まと
)
めてドロンと決めようと思うんだが、
往掛
(
いきが
)
けの駄賃に幸三郎が金を持って居るから跡を
躡
(
つ
)
けて此処まで来たが、首尾好く座敷へ忍び込んだが
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
富山の友人から貰ったトムと云う大きな
西洋犬
(
せいよういぬ
)
が、主人
父子
(
おやこ
)
の後を
遅々
(
のそのそ
)
と
躡
(
つ
)
いて行った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“退き”をいそぐ佐久間軍主力の殿軍と、尾撃すべく“
躡
(
つ
)
け”を早めていた羽柴方の先鋒とは、初めて電雷一触の叫喚をここに起したのであった。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
躡
(
つ
)
けさせ、無心を云って若し貸さない時には殺してお金を
奪
(
と
)
ってくんなまし、
私
(
わっし
)
が解死人に立つッて、帰り道まで教えたんざますが、何うしたら宜うございましょう
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
鋭い眼でじろりと睨まれて、気の弱いお清は思わず
立縮
(
たちすく
)
んだ。
其間
(
そのま
)
にお杉は出て行く。お葉も後から
躡
(
つ
)
いて行った。正午に近い冬の日は明るく晴れて、蒼い空には黒い鳥の
一群
(
ひとむれ
)
が飛んで渡った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「——賤ヶ嶽の
繰引
(
くりびき
)
に、
余吾
(
よご
)
ノ
湖
(
うみ
)
ばたで、羽柴勢の
躡
(
つ
)
けを、猛烈にしッぱろうた合戦のもようを、ひとつ、ここに居る法斎どのから聞こうではないか」
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と是れから二手に分れて八橋周馬は堀切の八ツ橋畠へ帰り、山田藤六は蟠竜軒へ
躡
(
つ
)
けてまいりました。
此方
(
こちら
)
は左様の事とは知らず帰ってまいりますと、
多勢
(
おおぜい
)
のお弟子が
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
まア和尚
様
(
さん
)
お
聴
(
きゝ
)
になって下せえまし、お嬢様は粂どんに逢いてえ一心から、
莫大
(
ばくでえ
)
の
金子
(
かね
)
を
持
(
もっ
)
て家出をしたから、大方泥坊に
躡
(
つ
)
けられて途中で
遣
(
や
)
るの遣らねえのといったもんだから
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
汝は
眼
(
まなこ
)
があるから若旦那を知ってべえ、若旦那てえことを知ってながら跡を
躡
(
つ
)
けてって、洲崎の土手で若旦那さまを騙し殺しに殺すべえと思って、斬り掛けやアがったとは、何んてハア何うも
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
躡
漢検1級
部首:⾜
25画
“躡”を含む語句
追躡
機躡