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盡
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つ
ふりがな文庫
“
盡
(
つ
)” の例文
新字:
尽
曉
(
あかつき
)
の
頃
(
ころ
)
になつて
漸
(
やうや
)
く
水
(
みづ
)
も
盡
(
つ
)
きたので、
二人
(
ふたり
)
は
其
(
その
)
中
(
なか
)
に
入
(
い
)
り、
今
(
いま
)
は
何處
(
いづく
)
と
目的
(
めあて
)
もなく、
印度洋
(
インドやう
)
の
唯中
(
たゞなか
)
を
浪
(
なみ
)
のまに/\
漂流
(
たゞよ
)
つて
居
(
を
)
るのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
夜
(
よる
)
の
燭火
(
ともしび
)
は
燃
(
も
)
え
盡
(
つ
)
きて、
嬉
(
うれ
)
しげな
旦
(
あした
)
めが
霧立
(
きりた
)
つ
山
(
やま
)
の
巓
(
いたゞき
)
にもう
足
(
あし
)
を
爪立
(
つまだ
)
てゝゐる。
速
(
はや
)
う
往
(
い
)
ぬれば
命
(
いのち
)
助
(
たす
)
かり、
停
(
とゞ
)
まれば
死
(
し
)
なねばならぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
下
(
くだ
)
るわ、/\、/\。
流
(
なが
)
れは
何處
(
どこ
)
まで
行
(
い
)
つても
盡
(
つ
)
きないのかしら?『
今
(
いま
)
までに
私
(
わたし
)
は
幾
(
いく
)
哩
(
マイル
)
落
(
お
)
ちたかしら?』と
愛
(
あい
)
ちやんは
聲高
(
こわだか
)
に
云
(
い
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
その上、嫁のお倉は永年の貧苦に愛想を
盡
(
つ
)
かして飛出し、人もあらうに又六を頼つて、兩國の小屋の木戸番に迄なり下がりました
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
すなはちこの
徑路
(
こみち
)
盡
(
つ
)
く、汝そこにて疲れを休むることをうべし、わが汝に答ふるは是のみ、しかして我この事の
眞
(
まこと
)
なるを知る。 九四—九六
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
▼ もっと見る
忘
(
わす
)
れ
給
(
たま
)
ひしお
詞
(
ことば
)
なり
ト
おもふは
我
(
わ
)
が
身
(
み
)
の
妬
(
ねた
)
みにやお
主樣
(
しうさま
)
ゆゑには
身
(
み
)
を
殺
(
ころ
)
して
忠義
(
ちうぎ
)
を
盡
(
つ
)
くす
人
(
ひと
)
さへ
有
(
あ
)
るを
我
(
われ
)
一人
(
ひとり
)
にて
憂
(
う
)
きを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
けれども
小六
(
ころく
)
はさう
云
(
い
)
ふ
話
(
はなし
)
が
盡
(
つ
)
きても、まだ
遣
(
や
)
つて
來
(
き
)
た。それで
仕舞
(
しまひ
)
には、
友達
(
ともだち
)
が、
小六
(
ころく
)
は、
退屈
(
たいくつ
)
の
餘
(
あま
)
りに
訪問
(
はうもん
)
をして、
談話
(
だんわ
)
の
復習
(
ふくしふ
)
に
耽
(
ふけ
)
るものだと
評
(
ひやう
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
要
(
えら
)
ねえぞ
仕事
(
しごと
)
に
出
(
で
)
りや
毎日
(
まえんち
)
かうだ」
勘次
(
かんじ
)
は
梅干
(
うめぼし
)
を
少
(
すこ
)
しづゝ
嘗
(
な
)
め
減
(
へ
)
らした。
辨當
(
べんたう
)
が
盡
(
つ
)
きてから
勘次
(
かんじ
)
は
鰯
(
いわし
)
をおつぎへ
挾
(
はさ
)
んでやつた。さうして
自分
(
じぶん
)
でも一
口
(
くち
)
たべた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
其處
(
そこ
)
でも
彼
(
かれ
)
は
宿
(
やど
)
から
出
(
で
)
ずに、
終日
(
しゆうじつ
)
相變
(
あひかは
)
らず
長椅子
(
ながいす
)
の
上
(
うへ
)
に
轉
(
ころ
)
がり、
相變
(
あひかは
)
らず
友
(
とも
)
の
擧動
(
きよどう
)
に
愛想
(
あいさう
)
を
盡
(
つ
)
かしてゐる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
西
(
にし
)
は
神通川
(
じんつうがは
)
の
堤防
(
ていばう
)
を
以
(
もつ
)
て
劃
(
かぎり
)
とし、
東
(
ひがし
)
は
町盡
(
まちはづれ
)
の
樹林
(
じゆりん
)
境
(
さかひ
)
を
爲
(
な
)
し、
南
(
みなみ
)
は
海
(
うみ
)
に
到
(
いた
)
りて
盡
(
つ
)
き、
北
(
きた
)
は
立山
(
りふざん
)
の
麓
(
ふもと
)
に
終
(
をは
)
る。
此間
(
このあひだ
)
十
里
(
り
)
見通
(
みとほ
)
しの
原野
(
げんや
)
にして、
山水
(
さんすゐ
)
の
佳景
(
かけい
)
いふべからず。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そしてそれが
朽敗
(
きうはい
)
または
燒失
(
せうしつ
)
すれば、また
直
(
たゞち
)
にこれを
再造
(
さいざう
)
した。が、
伐
(
き
)
れども
盡
(
つ
)
きぬ
自然
(
しぜん
)
の
富
(
とみ
)
は、
終
(
つひ
)
に
國民
(
こくみん
)
をし、
木材以外
(
もくざいいぐわい
)
の
材料
(
ざいれう
)
を
用
(
もち
)
ふるの
機會
(
きくわい
)
を
得
(
え
)
ざらしめた。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
大忠
(
だいちう
)
は
(九〇)
拂辭
(
ふつじ
)
する
所
(
ところ
)
無
(
な
)
く、
(九一)
悟言
(
ごげん
)
は
(九二)
撃排
(
げきはい
)
する
所
(
ところ
)
無
(
な
)
く、
廼
(
すなは
)
ち
後
(
のち
)
に
其
(
その
)
辯知
(
べんち
)
を
申
(
の
)
ぶ。
此
(
こ
)
れ
親近
(
しんきん
)
せられて
疑
(
うたか
)
はれず・
(九三)
之
(
これ
)
が
難
(
じ
)
を
盡
(
つ
)
くすを
知
(
う
)
る
所以
(
ゆゑん
)
也
(
なり
)
。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
松並木
(
まつなみき
)
が
盡
(
つ
)
きると、
石
(
いし
)
だたみのだら/\
坂
(
ざか
)
があつて、
其
(
そ
)
の
邊
(
へん
)
から
兩側
(
りやうがは
)
に
茶店
(
ちやみせ
)
が
並
(
なら
)
んでゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
愛憎
(
あいそ
)
を
盡
(
つ
)
かすことが出来るであろう、と、そう思った末に考えついたのは、あのようなみめうるわしい女であっても、その体から
排泄
(
はいせつ
)
するものは、われ/\と同じ
汚物
(
おぶつ
)
であろう
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
夫婦
(
ふうふ
)
は
困
(
こま
)
つてしまひました。そして、
鳥屋
(
とりや
)
へもつて
行
(
い
)
つて
賣
(
う
)
りました、けれどそれが
運
(
うん
)
の
盡
(
つ
)
きでした。その
嘴
(
くち
)
からの
言葉
(
ことば
)
で、とうとう
二人
(
ふたり
)
は
捕
(
つかま
)
つて、
暗
(
くら
)
い
暗
(
くら
)
い
牢獄
(
ろうごく
)
のなかへ
投
(
な
)
げこまれました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
それでは
其棄權
(
そのきけん
)
した
跡
(
あと
)
を
讓受
(
ゆづりう
)
けやうとて、
掘
(
ほ
)
り
掛
(
か
)
けると、なる
程
(
ほど
)
、
貝層
(
かいそう
)
は五六
寸
(
すん
)
にして
盡
(
つ
)
きる。が、
其下
(
そのした
)
の
土
(
つち
)
の
具合
(
ぐあひ
)
が
未
(
ま
)
だシキとも
見
(
み
)
えぬので、
根氣好
(
こんきよ
)
く
掘下
(
ほりさ
)
げて
見
(
み
)
ると、
又
(
また
)
新
(
あたら
)
しき
貝層
(
かいそう
)
がある。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
するものも長庵の
宅
(
たく
)
の前は
忍
(
しの
)
んで通る樣になりければ
引
(
ひつ
)
かけ
上手
(
じやうず
)
の長庵も百
方
(
ぱう
)
術
(
じゆつ
)
盡
(
つ
)
き
爲
(
なす
)
事なく
困
(
こま
)
り果てぞ居たりける爰に又長庵が
故郷
(
こきやう
)
岩井村にては
親
(
おや
)
の作十も
病死
(
びやうし
)
し
弟
(
おとゝ
)
十兵衞の代と成けるが或時
近邊
(
きんぺん
)
より出火して
家屋
(
かをく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その
幸
(
さち
)
常久
(
とは
)
に
盡
(
つ
)
きざれば
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
盡
(
つ
)
きぬ
光
(
ひかり
)
の
泉
(
いづみ
)
より
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
お輝の照代は、そのまゝ力が
盡
(
つ
)
きて、ヘタヘタと、碎かれた人形のやうに、娘お幾の燃えるやうな
茜裏
(
あかねうら
)
の布團の上に
崩折
(
くづを
)
れてしまひました。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
水煙
(
みづけむり
)
を
立
(
た
)
てました——
※
(
ねえ
)
さんは三
月兎
(
ぐわつうさぎ
)
と
其
(
そ
)
の
友達
(
ともだち
)
とが
何時
(
いつ
)
になつても
盡
(
つ
)
きない
麺麭
(
ぱん
)
を
分配
(
ぶんぱい
)
した
時
(
とき
)
に、
茶碗
(
ちやわん
)
の
鳴
(
な
)
るのを
聞
(
き
)
き
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
おゝ、
限
(
かぎ
)
りない
美
(
うつく
)
しさには
富
(
と
)
みながら、
其
(
その
)
美
(
うつく
)
しさは
只
(
たゞ
)
一
代限
(
だいかぎ
)
り、
死
(
し
)
ねば
種
(
たね
)
までも
盡
(
つ
)
くるとは、
貧乏
(
しがな
)
い/\
運命
(
うんめい
)
!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
……
貴下
(
あなた
)
の
前
(
まへ
)
でござりますが、
我
(
われ
)
ながら
愛想
(
あいそ
)
の
盡
(
つ
)
きた
不身持
(
ふみもち
)
でござりまして、
毎々
(
まい/\
)
男
(
をとこ
)
の
面目玉
(
めんぼくだま
)
が
溝漬
(
どぶづけ
)
の
茄子
(
なす
)
に
成
(
な
)
らうとする
處
(
ところ
)
を、
幾度
(
いくたび
)
お
救
(
すくひ
)
を
頂
(
いたゞ
)
いたか
分
(
わか
)
りません。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
まだかまだかと
塀
(
へい
)
の
廻
(
まわ
)
りを七
度
(
た
)
び
廻
(
まわ
)
り、
欠伸
(
あくび
)
の
數
(
かず
)
も
盡
(
つ
)
きて、
拂
(
はら
)
ふとすれど
名物
(
めいぶつ
)
の
蚊
(
か
)
に
首筋
(
くびすぢ
)
額
(
ひたい
)
ぎわしたゝか
螫
(
さゝ
)
れ、三五
郎
(
らう
)
弱
(
よわ
)
りきる
時
(
とき
)
、
美登利
(
みどり
)
立出
(
たちい
)
でゝいざと
言
(
い
)
ふに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
夫婦
(
ふうふ
)
は
日
(
ひ
)
の
前
(
まへ
)
に
笑
(
ゑ
)
み、
月
(
つき
)
の
前
(
まへ
)
に
考
(
かんが
)
へて、
靜
(
しづ
)
かな
年
(
とし
)
を
送
(
おく
)
り
迎
(
むか
)
へた。
今年
(
ことし
)
ももう
盡
(
つ
)
きる
間際
(
まぎは
)
迄
(
まで
)
來
(
き
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
最早
(
もはや
)
袂別
(
わかれ
)
の
時刻
(
じこく
)
も
迫
(
せま
)
つて
來
(
き
)
たので、いろ/\の
談話
(
はなし
)
はそれからそれと
盡
(
つ
)
くる
間
(
ま
)
も
無
(
な
)
かつたが、
兎角
(
とかく
)
する
程
(
ほど
)
に、ガラン、ガラ、ガラン、ガラ、と
船中
(
せんちゆう
)
に
布
(
ふ
)
れ
廻
(
まは
)
る
銅鑼
(
どら
)
の
響
(
ひゞき
)
が
囂
(
かまびす
)
しく
聽
(
きこ
)
えた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
『いや、
其所
(
そこ
)
は
駄目
(
だめ
)
で、
貝層
(
かいそう
)
は
直
(
ぢ
)
きに
盡
(
つ
)
きて
了
(
しま
)
うです』と
幻翁
(
げんおう
)
はいふ。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
深沼
(
ふけぬま
)
の
岸
(
きし
)
に
盡
(
つ
)
き
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
願ふと云ふも
忍
(
しの
)
び
泣
(
なき
)
殊
(
こと
)
に他人に有ながら當家へ
養子
(
やうし
)
に來た日より
厚
(
あつ
)
く
深切
(
しんせつ
)
盡
(
つ
)
くして呉し支配人なる久八へ
鳥渡成
(
ちよつとなり
)
とも
書置
(
かきおき
)
せんと
有
(
あり
)
あふ
硯
(
すゞり
)
引寄
(
ひきよ
)
せて涙ながらに
摺流
(
すりなが
)
す
墨
(
すみ
)
さへ
薄
(
うす
)
き
縁
(
え
)
にしぞと
筆
(
ふで
)
の
命毛
(
いのちげ
)
短
(
みじ
)
かくも
漸々
(
やう/\
)
認
(
したゝ
)
め
終
(
をは
)
りつゝ
封
(
ふう
)
じる
粘
(
のり
)
より
法
(
のり
)
の
道
(
みち
)
心ながら
締直
(
しめなほ
)
す帶の
博多
(
はかた
)
の一本
獨鈷
(
どつこ
)
眞言
(
しんごん
)
成ねど
祕密
(
ひみつ
)
の爲
細腕
(
ほそうで
)
成ども我一心長庵如き何の其
岩
(
いは
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それから四半刻ばかり經つて、線香が
燃
(
も
)
え
盡
(
つ
)
きると、鐵砲は獨りでドンと鳴つた。彈丸は寸分の狂ひもなく、唐紙を突き拔けて、半兵衞の首筋から胴へ——
銭形平次捕物控:155 仏像の膝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
美
(
うつく
)
しうて、
賢
(
かしこ
)
うて、
予
(
わし
)
を
思
(
おも
)
ひ
死
(
じに
)
さする
程
(
ほど
)
に
賢過
(
かしこす
)
ぎた
美人
(
びじん
)
ゆゑ、
恐
(
おそ
)
らくは
冥利
(
みゃうり
)
が
盡
(
つ
)
き、よもや
天國
(
てんごく
)
へは
登
(
のぼ
)
れまい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
棒
(
ぼう
)
ッ
切
(
き
)
れや
枯葉
(
かれは
)
の
積
(
つ
)
み
堆
(
かさ
)
なつた
上
(
うへ
)
に
下
(
お
)
りて
來
(
き
)
て、
水
(
みづ
)
の
流
(
なが
)
れは
此處
(
こゝ
)
に
盡
(
つ
)
きました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
同
(
おな
)
じ
年
(
とし
)
十一月
(
じふいちぐわつ
)
のはじめ、
鹽原
(
しほばら
)
へ
行
(
い
)
つて、
畑下戸
(
はたおり
)
の
溪流瀧
(
けいりうたき
)
の
下
(
した
)
の
淵
(
ふち
)
かけて、
流
(
ながれ
)
の
廣
(
ひろ
)
い
溪河
(
たにがは
)
を、
織
(
お
)
るが
如
(
ごと
)
く
敷
(
し
)
くが
如
(
ごと
)
く、もみぢの、
盡
(
つ
)
きず、
絶
(
た
)
えず、
流
(
なが
)
るゝのを
見
(
み
)
た
時
(
とき
)
と、——
鹽
(
しほ
)
の
湯
(
ゆ
)
の
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
客樣
(
きやくさま
)
を
乘
(
の
)
せやうが
空車
(
から
)
の
時
(
とき
)
だらうが
嫌
(
い
)
やとなると
用捨
(
ようしや
)
なく
嫌
(
い
)
やに
成
(
なり
)
まする、
呆
(
あき
)
れはてる
我
(
わが
)
まゝ
男
(
をとこ
)
、
愛想
(
あいそ
)
が
盡
(
つ
)
きるでは
有
(
あ
)
りませぬか、さ、お
乘
(
の
)
りなされ、お
供
(
とも
)
をしますと
進
(
すゝ
)
められて
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
どんな
解答
(
かいたふ
)
にしろ
一
(
ひと
)
つ
拵
(
こし
)
らへて
置
(
お
)
かなければならないと
思
(
おも
)
ひながらも、
仕舞
(
しまひ
)
には
根氣
(
こんき
)
が
盡
(
つ
)
きて、
早
(
はや
)
く
宜道
(
ぎだう
)
が
夕食
(
ゆふめし
)
の
報知
(
しらせ
)
に
本堂
(
ほんだう
)
を
通
(
とほ
)
り
拔
(
ぬ
)
けて
來
(
き
)
て
呉
(
く
)
れゝば
好
(
い
)
いと、
夫
(
それ
)
ばかり
氣
(
き
)
に
掛
(
か
)
かつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
日
(
ひ
)
うらゝかに、
風
(
かぜ
)
清
(
きよ
)
き
甲板
(
かんぱん
)
で、
大佐
(
たいさ
)
や、
濱島
(
はまじま
)
や、
春枝夫人
(
はるえふじん
)
や、
轟大尉
(
とゞろきたいゐ
)
や、
其他
(
そのた
)
乘組
(
のりくみ
)
の
士官
(
しくわん
)
水兵等
(
すいへいら
)
を
相手
(
あひて
)
に、
私
(
わたくし
)
の
小説
(
せうせつ
)
にも
似
(
に
)
たる
經歴談
(
けいれきだん
)
は、
印度洋
(
インドやう
)
の
波
(
なみ
)
のごとく
連綿
(
れんめん
)
として
盡
(
つ
)
くる
時
(
とき
)
もなかつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それに
合槌
(
あひづち
)
を打つて、——私も長い間の
岡惚
(
をかぼれ
)
だけれど、今度といふ今度は、錢形の親分に
愛想
(
あいそ
)
が
盡
(
つ
)
きた、下手人どころの沙汰ぢやない、玉ちやんがどうして殺されたか
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
愛想
(
あいそ
)
も
盡
(
つ
)
かさず、こいつを
病人
(
びやうにん
)
あつかひに、
邸
(
やしき
)
へ
引取
(
ひきと
)
つて、
柔
(
やはら
)
かい
布團
(
ふとん
)
に
寢
(
ね
)
かして、
寒
(
さむ
)
くはないの、と
袖
(
そで
)
をたゝいて、
清心丹
(
せいしんたん
)
の
錫
(
すゞ
)
を
白
(
しろ
)
い
指
(
ゆび
)
でパチリ……に
至
(
いた
)
つては、
分
(
ぶん
)
に
過
(
す
)
ぎたお
厚情
(
こゝろざし
)
。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
わたし
)
の
此子
(
このこ
)
は
言
(
い
)
はゞ
私
(
わたし
)
の
爲
(
ため
)
の
守
(
まも
)
り
神
(
がみ
)
で、
此樣
(
こん
)
な
可愛
(
かあい
)
い
笑顏
(
ゑがほ
)
をして、
無心
(
むしん
)
な
遊
(
あそび
)
をして
居
(
ゐ
)
ますけれど、
此無心
(
このむしん
)
の
笑顏
(
ゑがほ
)
が
私
(
わたし
)
に
教
(
をし
)
へて
呉
(
く
)
れました
事
(
こと
)
の
大層
(
たいそう
)
なは、
殘
(
のこ
)
りなく
口
(
くち
)
には
言
(
い
)
ひ
盡
(
つ
)
くされませぬ
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「靜かにしてくれ、私はもう、精も根も
盡
(
つ
)
き果てた、——この
儘
(
まゝ
)
、死なしてくれ」
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
可憐
(
いとほし
)
の
念
(
ねん
)
むらむらと
堪
(
た
)
へがたく、
君
(
きみ
)
ゆゑにこそ
斯
(
か
)
くまでに
身
(
み
)
を
盡
(
つ
)
くす
我
(
われ
)
、
木石
(
ぼくせき
)
ならぬ
令孃
(
ひめ
)
に
憎
(
に
)
くかるべき
筈
(
はず
)
なし、
此荊棘
(
このいばら
)
の
中
(
なか
)
すくひ
出
(
だ
)
してと、
影
(
かげ
)
も
未
(
ま
)
だなる
戀
(
こひ
)
に
竹
(
たけ
)
の
柱
(
はしら
)
の
詫住居
(
わびずまゐ
)
を
思
(
おも
)
ひぬ。
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
(
それ
)
が、
消
(
き
)
え
殘
(
のこ
)
つた。
頓
(
やが
)
て
盡
(
つ
)
きがたの
蝋燭
(
らふそく
)
に、ひく/\と
呼吸
(
いき
)
をする。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
盡
(
つ
)
くしたる
心
(
こゝろ
)
はおのづから
御覽
(
ごらん
)
じしるべし、
姿
(
すがた
)
むくつけく
器量
(
きりやう
)
世
(
よ
)
におとりしとて
厭
(
い
)
とはせ
給
(
たま
)
はゞ、
我
(
わ
)
れも
男
(
をとこ
)
のはしなり、
聞
(
き
)
かれ
參
(
まゐ
)
らせずとて
只
(
たゞ
)
やはある、
他人
(
よそ
)
の
眺
(
なが
)
めの
妬
(
ねた
)
ましきよりはと
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
最
(
も
)
う
此
(
こ
)
の
上
(
うへ
)
は、とお
秋
(
あき
)
は
男
(
をとこ
)
のせり
詰
(
つ
)
めた
劍幕
(
けんまく
)
と、
働
(
はたら
)
きのない
女
(
をんな
)
だと
愛想
(
あいそ
)
を
盡
(
つ
)
かされようと
思
(
おも
)
ふ
憂慮
(
きづかひ
)
から、
前後
(
ぜんご
)
の
辨別
(
わきまへ
)
もなく、
着
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
た
棒縞
(
ぼうじま
)
の
袷
(
あはせ
)
を
脱
(
ぬ
)
いで
貸
(
か
)
すつもりで、
樹
(
き
)
の
蔭
(
かげ
)
ではあつたが、
垣
(
かき
)
の
外
(
そと
)
で
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此處
(
こヽ
)
に
涙
(
なみだ
)
を
盡
(
つ
)
くして
語
(
かた
)
り
明
(
あか
)
せば、
夢
(
ゆめ
)
とや
言
(
い
)
はん
春
(
はる
)
の
夜
(
よ
)
あげ
方
(
がた
)
ちかく、
鳥
(
とり
)
がね
空
(
そら
)
に
聞
(
きこ
)
えて
扨
(
さて
)
も
忙
(
せは
)
しなし、
君
(
きみ
)
は
都
(
みやこ
)
に
我
(
わ
)
れは
鎌倉
(
かまくら
)
に、
引
(
ひき
)
はなれて
又
(
また
)
何時
(
いつ
)
かは
逢
(
あ
)
ふべき、
定離
(
ぢやうり
)
の
例
(
ため
)
しを
此處
(
こヽ
)
に
見
(
み
)
れば
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お
父樣
(
とつさま
)
にも
勘藏
(
かんざう
)
にも
乳母
(
ばあや
)
には
別
(
べつ
)
しての
事
(
こと
)
いろ/\と
苦勞
(
くらう
)
をかけまして
今更
(
いまさら
)
おもへば
恥
(
はづ
)
かしいやらお
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
やら
幼心
(
をさなごゝろ
)
のあと
先
(
さき
)
見
(
み
)
ずに
程
(
ほど
)
のない
無分別
(
むふんべつ
)
さりながら
盡
(
つ
)
きぬ
命
(
いのち
)
かや
事
(
こと
)
も
無
(
な
)
く
助
(
たす
)
かりしを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此折
(
このおり
)
何
(
なに
)
とも
思
(
おも
)
はれず、
切
(
せ
)
めて
歸
(
かへ
)
りは
鳥
(
とり
)
でも
喰
(
た
)
べてと
機嫌
(
きげん
)
を
取
(
と
)
られるほど
物
(
もの
)
がなしく、
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
すやうにして一
散
(
さん
)
に
家路
(
いゑぢ
)
を
急
(
いそ
)
げば、
興
(
けふ
)
こと/\く
盡
(
つ
)
きて
與
(
よ
)
四
郎
(
らう
)
は
唯
(
たゞ
)
お
美尾
(
みを
)
が
身
(
み
)
の
病氣
(
いたつき
)
に
胸
(
むね
)
をいためぬ。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
この一
家
(
け
)
に
令孃
(
ひめ
)
ありと
見
(
み
)
て
心
(
こヽろ
)
を
盡
(
つ
)
くす
者
(
もの
)
なく、
有
(
あ
)
るは
甚之助殿
(
じんのすけどの
)
と
我
(
わ
)
れ
計
(
ばかり
)
なる
不憫
(
いぢら
)
しさよ、いざや
此心
(
このこヽろ
)
筆
(
ふで
)
に
言
(
い
)
はして、
時機
(
あは
)
よくは
何處
(
いづこ
)
へなりとも
暫時
(
しばし
)
伴
(
とも
)
なひ、
其上
(
そのうへ
)
にての
策
(
さく
)
は
又
(
また
)
如何樣
(
いかやう
)
にもあるべく
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
假令
(
たとへ
)
身
(
み
)
にかへ
命
(
いのち
)
にかへても
盡
(
つ
)
くし
參
(
まゐ
)
らする
心
(
こゝろ
)
なるを、よしなき
御遠慮
(
ごゑんりよ
)
はお
置
(
お
)
き
下
(
くだ
)
されたしと
恨
(
うら
)
み
顏
(
がほ
)
なり、これ
程
(
ほど
)
までに
思
(
おも
)
ひくるゝ、
其心
(
そのこゝろ
)
知
(
し
)
らぬにも
有
(
あ
)
らぬを、この
頃
(
ごろ
)
の
不愛想
(
ぶあいさう
)
我
(
わ
)
が
心
(
こゝろ
)
の
悶
(
もだ
)
ゆるまゝに
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さはいへど
人妻
(
ひとづま
)
ならば
及
(
およ
)
ぶまじことなり
確
(
たしか
)
めて
後
(
のち
)
斷念
(
だんねん
)
せんのみ、
浮
(
うき
)
たる
戀
(
こひ
)
に
心
(
こゝ
)
ろを
盡
(
つ
)
くす
輕忽
(
あわつけ
)
しさよとも
覺
(
おぼ
)
さんなれど、
父祖傳來
(
ふそでんらい
)
の
舊交
(
きうかう
)
ありとて、
其人
(
そのひと
)
の
心
(
こゝろ
)
みゆる
物
(
もの
)
ならず、
家格
(
かかく
)
に
隨
(
したが
)
ひ
門地
(
もんち
)
を
尊
(
たつと
)
び
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
盡
部首:⽫
14画
“盡”を含む語句
縱横無盡
氣盡
町盡
心盡
蕩盡
燒盡
盡力
大盡
理不盡
無盡
立盡
無盡藏
盡未來
賣盡
盡候趣聞召
盡処
盡日
盡果
狩盡
盡頭
...