トップ
>
攣
>
つ
ふりがな文庫
“
攣
(
つ
)” の例文
羞
(
はずか
)
しさで唇までが
引
(
ひ
)
き
攣
(
つ
)
って言うことを聴かないように思えた、「私、あなたを愛してますわ。どうしてあんなに私を
苛
(
いじ
)
めるの?」
大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
神経性の
痙攣
(
けいれん
)
が下唇の端をぴくぴくと引っ
攣
(
つ
)
らせ、くしゃくしゃになった
縮
(
ちぢ
)
れ
髪
(
げ
)
が、まるで
鬣
(
たてがみ
)
のように
額
(
ひたい
)
に垂れかかっている。
紅い花
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
清水は、半面
攣
(
つ
)
れたような四角い顔をハンケチで拭いて、それをズボンのポケットにしまいながら、声を落して云った。
刻々
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
足が
攣
(
つ
)
る! おやよろける! が、きっとする! 用心しろよ! ……待ったり、どうも今夜はいけない! それ、な、そうだろう、肝腎の手がさ
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
脣
(
くちびる
)
も時時ひき
攣
(
つ
)
るらしい。その上ほのかに
静脈
(
じやうみやく
)
の浮いた、
華奢
(
きやしや
)
な
顳顬
(
こめかみ
)
のあたりには薄い汗さへも光つてゐる。……
わが散文詩
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
痙
(
ひ
)
き
攣
(
つ
)
ッて、今はもう、一あしも進めなくなるのを、やッとのことで、町家の並んだ、夜更けの
巷路
(
こうじ
)
まで出ると
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
姉さまのお顔に戦災で引つ
攣
(
つ
)
れができてゐるわけでも、片眼がつぶれておいでのわけでも、
虱
(
しらみ
)
だらけの
乞食
(
こじき
)
のなりをしておいでのわけでも、またはそれとあべこべに
死児変相
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
死んでいる掌は筋が
攣
(
つ
)
っていて、それを押し開いて握らせるのが容易でない代わり、一度握ってしまうと機械のようにその掌に固く固く支えていた。そこで、正勝は蔦代の死体を抱き起こした。
恐怖城
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
有「貴方ね、疝癪で腰が
攣
(
つ
)
って歩けません」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お敏は次第に眼が
据
(
すわ
)
って、手足をぴくぴく引き
攣
(
つ
)
らせると、もうあの婆が口忙しく畳みかける問に応じて、息もつかずに、秘密の答を
饒舌
(
しゃべ
)
り続けると云う事です。
妖婆
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と、いうような、定かならぬうめきが、聴えたようであったが、闇を掴むかの如く、
犠牲者
(
ぎせいしゃ
)
の両手が、伸びて、
痙
(
ひ
)
き
攣
(
つ
)
ッて、やがて、全身を突っ張ったまま、ドタリと斜めうしろに
仆
(
たお
)
れた。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
押し問答の間に、半面が
攣
(
つ
)
れたような四角い顔をした清水は
刻々
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
父親の、まぼろしの顔が物すさまじく
痙
(
ひ
)
き
攣
(
つ
)
るのが、まざまざと見られる。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
が、その大きく見開いた眼の中と云ひ、引き歪めた唇のあたりと云ひ、或は又絶えず引き
攣
(
つ
)
つてゐる頬の肉の
震
(
ふる
)
へと云ひ、良秀の心に
交々
(
こも/″\
)
往来する恐れと悲しみと驚きとは、歴々と顔に描かれました。
地獄変
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
攣
漢検1級
部首:⼿
23画
“攣”を含む語句
痙攣
引攣
痙攣的
胃痙攣
拘攣
攣痙
攣筋
攣縮
痙攣性
痙攣風