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弔
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つ
ふりがな文庫
“
弔
(
つ
)” の例文
緑の枝を手折りて、車の上に揷し、農夫はその下に眠りたるに、馬は車の片側に
弔
(
つ
)
り下げたる一束の
秣
(
まぐさ
)
を食ひつゝ、ひとり
徐
(
しづか
)
に歩みゆけり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
忽
(
たちま
)
ち一種の恐怖に襲われて目を
開
(
あ
)
くと、
痘痕
(
とうこん
)
のまだ新しい、赤く引き
弔
(
つ
)
った鉄の顔が、触れ合うほど近い所にある。五百は覚えず
咽
(
むせ
)
び泣いた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
片隅には天井から網が
弔
(
つ
)
つてある。其の傍には
爹児
(
テエル
)
に児を塗つた雨外套、
為事着
(
しごとぎ
)
、長靴、水を透さない鞣革の帽子、羊皮の大手袋などが弔つてある。
聖ニコラウスの夜
(新字旧仮名)
/
カミーユ・ルモンニエー
(著)
引き
弔
(
つ
)
つてゐた手足のあがきが好くなるだらう。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
骨組の
逞
(
たくま
)
しい大男で、頭に
烏帽子
(
ゑぼし
)
を戴き、身に
直垂
(
ひたゝれ
)
を著、
奴袴
(
ぬばかま
)
を
穿
(
は
)
いて、
太刀
(
たち
)
を
弔
(
つ
)
つてゐる。能呂は隊の行進を停めて、其男を呼び寄せさせた。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
その天井には半ば皮剥ぎたる兎二つ
弔
(
つ
)
り下げたり。初め心付かざりしが、その窪みたる處には一人の坐せるあり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
わたくしは腕が引き
弔
(
つ
)
る。○それは痛風です。○
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
主客は一間を取り散らした儘にして置いて、次の間に
弔
(
つ
)
つてあつた蚊屋に這入つて寝たらしい。時計は一時を打つた。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
法皇の
兵
(
つはもの
)
は騎馬にて門の傍に控へたり。門の内なる小き園には五色の紙燈を
弔
(
つ
)
り、正面なる大理石階には萬點の燭を點せり。
階
(
きざはし
)
を
升
(
のぼ
)
るときは奇香衣を襲ふ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
己の胸の底へ引き
弔
(
つ
)
るようにひびく。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
水の上には小さい樽が二つ三つ浮いてゐる。水船のある所の上に棚が
弔
(
つ
)
つてあつて、そこにコツプが伏せてある。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
夕飯が済んでから見に行つた。寒い晩のことで、皆毛皮などを着込んで見物してゐる。
刀
(
たう
)
を
弔
(
つ
)
つて来てゐるものなんぞは殆ど無い。そこへ小久大将が来られた。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
檐
(
のき
)
に高く
弔
(
つ
)
ってある
鸚鵡
(
おうむ
)
や
秦吉了
(
いんこ
)
の
籠
(
かご
)
、下に置き並べてある
白鳩
(
しらはと
)
や朝鮮鳩の籠などを眺めて、それから奥の方に幾段にも積み
畳
(
かさ
)
ねてある小鳥の籠に目を移した。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
兼ての
手筈
(
てはず
)
に女の来てちよつとこちらへと案内するは、同じ二階の四畳半に
網行燈
(
あみあんどう
)
微暗
(
ほのくら
)
く、
蚊
(
か
)
の少き土地とて
蚊幮
(
かや
)
は
弔
(
つ
)
らねど、
布団
(
ふとん
)
一つに枕二つ、こりや場所が違ひませうと
そめちがへ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
身
(
み
)
の
丈
(
たけ
)
五尺五六寸の、
面長
(
おもなが
)
な、色の白い男で、四十五歳にしては老人らしい所が無い。濃い、細い
眉
(
まゆ
)
は
弔
(
つ
)
つてゐるが、
張
(
はり
)
の強い、鋭い目は眉程には弔つてゐない。広い
額
(
ひたひ
)
に
青筋
(
あをすぢ
)
がある。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
これは爺さんが飼っているので、巣は東側の外壁に
弔
(
つ
)
り下げてあるのであった。
鶏
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
子供に行水を遣わせて、自分も使う。
蚊遣
(
かやり
)
をしながら夕食を食べる。食後に遊びに出た子供が遊び
草臥
(
くたび
)
れて帰る。女中が勝手から出て来て、極まった所に床を取ったり、
蚊帳
(
かや
)
を
弔
(
つ
)
ったりする。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
自分の
願望
(
ぐわんまう
)
の
秤
(
はかり
)
も、一方の皿に便利な国を載せて、一方の皿に夢の故郷を載せたとき、便利の皿を
弔
(
つ
)
つた
緒
(
を
)
をそつと引く、白い、優しい手があつたにも
拘
(
かかは
)
らず、
慥
(
たし
)
かに夢の方へ傾いたのである。
妄想
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
こう云って置いて、石田は居間に帰って、刀を
弔
(
つ
)
って、帽を
被
(
かぶ
)
って玄関に出た。玄関には島村が磨いて置いた長靴がある。それを庭に卸して
穿
(
は
)
く。がたがたいう音を聞き附けて婆あさんが出て来た。
鶏
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
弔
常用漢字
中学
部首:⼸
4画
“弔”を含む語句
弔詞
御弔
弔辞
弔問
弔文
弔慰
弔儀
弔旗
弔合戦
弔歌
弔鐘
弔問客
追弔紀念
往弔
弔辭
弔鐘形
弔香爐
弔魂碑
弔魂祭
弔供養
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