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告
>
つ
ふりがな文庫
“
告
(
つ
)” の例文
「バケツさん、どうぞご
機嫌
(
きげん
)
ようお
暮
(
く
)
らしなさい。」と、ねずみは
別
(
わか
)
れを
告
(
つ
)
げて、ふたたびさびしい
町裏
(
まちうら
)
の
方
(
ほう
)
を
指
(
さ
)
して
出
(
で
)
かけました。
ねずみとバケツの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と
言
(
い
)
って、あたりを
見𢌞
(
みまわ
)
した
時
(
とき
)
の
袖子
(
そでこ
)
は
何
(
なに
)
がなしに
悲
(
かな
)
しい
思
(
おも
)
いに
打
(
う
)
たれた。その
悲
(
かな
)
しみは
幼
(
おさな
)
い
日
(
ひ
)
に
別
(
わか
)
れを
告
(
つ
)
げて
行
(
ゆ
)
く
悲
(
かな
)
しみであった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
この老人は
応対
(
おうたい
)
のうまいというのが
評判
(
ひょうばん
)
の人であったから、ふたりの
使
(
つか
)
いがこの人にむかっての
告
(
つ
)
げ
人
(
びと
)
の
口上
(
こうじょう
)
はすこぶる
大役
(
たいやく
)
であった。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
わたしは
検事
(
けんじ
)
と二人になった。じっとわたしの顔を見つめながらかれは、わたしが
雌牛
(
めうし
)
をぬすんだとがで
告発
(
こくはつ
)
されていることを
告
(
つ
)
げた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
昨
(
さく
)
三十七
年
(
ねん
)
十二
月
(
ぐわつ
)
某夜
(
ばうや
)
の
事
(
こと
)
なりき、
例
(
れい
)
の
如
(
ごと
)
く
灌水
(
くわんすゐ
)
を
了
(
を
)
へて
蓐
(
じよく
)
に
入
(
い
)
り
眠
(
ねむり
)
に
就
(
つ
)
きし
間
(
ま
)
もなく、
何者
(
なにもの
)
か
來
(
きた
)
りて
余
(
よ
)
に
七福
(
しちふく
)
を
與
(
あた
)
ふと
告
(
つ
)
げたりと
夢
(
ゆめ
)
む。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
▼ もっと見る
それを見るや
否
(
いな
)
や、雲を
霞
(
かすみ
)
と、
僧正谷
(
そうじょうがたに
)
へとんで帰った竹童。
果心居士
(
かしんこじ
)
の
荘園
(
そうえん
)
へかけこむがはやいか、めずらしい今の話を
告
(
つ
)
げるつもりで
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
只
(
たゞ
)
一人
(
ひとり
)
で
定
(
さだ
)
めて
淋
(
さび
)
しく、
待兼
(
まちかね
)
て
居
(
を
)
る
事
(
こと
)
だらうと、
思
(
おも
)
つたので、
私
(
わたくし
)
は
大佐
(
たいさ
)
に
別
(
わかれ
)
を
告
(
つ
)
げて、
此處
(
こゝ
)
を
立去
(
たちさ
)
る
事
(
こと
)
に
决
(
けつ
)
した。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
するうち、
牛若
(
うしわか
)
が
毎晩
(
まいばん
)
おそく
僧正
(
そうじょう
)
ガ
谷
(
たに
)
へ行って、あやしい
者
(
もの
)
から
剣術
(
けんじゅつ
)
をおそわっているということを
和尚
(
おしょう
)
さんに
告
(
つ
)
げ
口
(
ぐち
)
したものがありました。
牛若と弁慶
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
此一分間
(
このいつぷんかん
)
といつたのは、
最
(
もつと
)
も
長引
(
ながび
)
く
場合
(
ばあひ
)
を
顧慮
(
こうりよ
)
してのことであつて、
大抵
(
たいてい
)
の
場合
(
ばあひ
)
に
於
(
おい
)
ては
二十秒間位
(
にじゆうびようかんぐらゐ
)
で
危險
(
きけん
)
な
震動
(
しんどう
)
は
終
(
をは
)
りを
告
(
つ
)
げるものである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
欺
(
あざむ
)
くに詞なければ、
実
(
じつ
)
をもて
告
(
つ
)
ぐるなり。必ずしもあやしみ給ひそ。吾は
九三
陽世
(
うつせみ
)
の人にあらず、
九四
きたなき
霊
(
たま
)
のかりに
形
(
かたち
)
を見えつるなり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
間
(
ま
)
もなく
小六
(
ころく
)
が
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
て、
醫者
(
いしや
)
は
丁度
(
ちやうど
)
徃診
(
わうしん
)
に
出掛
(
でか
)
ける
所
(
ところ
)
であつた、
譯
(
わけ
)
を
話
(
はな
)
したら、では
今
(
いま
)
から一二
軒
(
けん
)
寄
(
よ
)
つてすぐ
行
(
い
)
かうと
答
(
こた
)
へた、と
告
(
つ
)
げた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
れいのいじくねわるいお
姑
(
しゅうと
)
は、おなじたくらみをしましたが、王さまは、まだその
告
(
つ
)
げ口をほんきにとり上げるまでの決心はつきませんでした。
六羽の白鳥
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
あけては
夫
(
をつと
)
にも
告
(
つ
)
げられねば、
病氣
(
びやうき
)
の
介抱
(
かいはう
)
を
斷
(
ことわ
)
ると
云
(
い
)
ふわけに
行
(
ゆ
)
かないので、あい/\と、
内
(
うち
)
に
殘
(
のこ
)
る
事
(
こと
)
に
成
(
な
)
つたのは、
俎
(
まないた
)
のない
人身御供
(
ひとみごくう
)
も
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
で。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
衞國
(
ゑいこく
)
の
法
(
はふ
)
、
竊
(
ひそか
)
に
君
(
きみ
)
の
車
(
くるま
)
に
駕
(
が
)
する
者
(
もの
)
は
罪
(
つみ
)
、
(一〇七)
刖
(
げつ
)
に
至
(
いた
)
る、
既
(
すで
)
にして
彌子
(
びし
)
の
母
(
はは
)
病
(
や
)
む。
人
(
ひと
)
聞
(
き
)
き、
往
(
ゆ
)
いて
夜
(
よる
)
之
(
これ
)
を
告
(
つ
)
ぐ。
彌子
(
びし
)
矯
(
いつは
)
つて
君
(
きみ
)
の
車
(
くるま
)
に
駕
(
が
)
して
出
(
い
)
づ。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
蛇姫様のお
告
(
つ
)
げだといって、作平に家督をつがせ、じぶんがその女房におさまってうまうまお家を乗っとろうなどと企てるなんてえのは見あげた度胸。
顎十郎捕物帳:15 日高川
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
そして
老先生
(
らうせんせい
)
が
權藏
(
ごんざう
)
に
告
(
つ
)
げた
言葉
(
ことば
)
、あれが
其註解
(
そのちゆうかい
)
です、そして
權藏
(
ごんざう
)
其人
(
そのひと
)
を
以
(
もつ
)
て
先生
(
せんせい
)
は
實物教育
(
じつぶつけういく
)
の
標本
(
へうほん
)
としたのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
ロミオの
名
(
な
)
をでも
告
(
つ
)
ぐる
舌
(
した
)
は
天人
(
てんにん
)
の
聲
(
こゑ
)
と
聞
(
きこ
)
ゆる。……これ、
乳母
(
うば
)
、
何
(
なん
)
の
消息
(
しらせ
)
ぢゃ?
持
(
も
)
ってゐやるは
何
(
なん
)
ぢゃ? ロミオが
取
(
と
)
って
來
(
こ
)
いと
言
(
い
)
やった
綱
(
つな
)
かや?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
お
品
(
しな
)
がそれ
程
(
ほど
)
苦勞
(
くらう
)
した
米穀
(
べいこく
)
の
問題
(
もんだい
)
が
其
(
そ
)
の
死後
(
しご
)
四五
年間
(
ねんかん
)
の
惨憺
(
さんたん
)
たる
境遇
(
きやうぐう
)
から
漸
(
やうや
)
く
解決
(
かいけつ
)
が
告
(
つ
)
げられようとしたのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
よく見ると、それがあの
盗賊
(
とうぞく
)
どもではありませんか。甚兵衛はびっくりして、見られないように
逃
(
に
)
げだしてきました。そして
猿
(
さる
)
にそのことを
告
(
つ
)
げました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
伯母
(
をば
)
さんあの
太夫
(
たゆう
)
さん
呼
(
よ
)
んで
來
(
き
)
ませうとて、はたはた
驅
(
か
)
けよつて
袂
(
たもと
)
にすがり、
投
(
な
)
げ
入
(
い
)
れし一
品
(
しな
)
を
誰
(
た
)
れにも
笑
(
わら
)
つて
告
(
つ
)
げざりしが
好
(
この
)
みの
明烏
(
あけがらす
)
さらりと
謠
(
うた
)
はせて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
翁
(
おきな
)
も
少
(
すこ
)
し
安心
(
あんしん
)
して、
例
(
れい
)
の
五人
(
ごにん
)
の
人
(
ひと
)
たちの
集
(
あつま
)
つてゐるところに
行
(
い
)
つて、そのことを
告
(
つ
)
げますと、みな
異存
(
いぞん
)
のあらうはずがありませんから、すぐに
承知
(
しようち
)
しました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
愉快度に過ぎて帰る事を忘れたれども小山夫婦が遅くなるとて
別
(
わかれ
)
を
告
(
つ
)
ぐるに自分独り留まらん事なり
難
(
がた
)
く
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
持行
(
もちゆき
)
見
(
み
)
せければ利兵衞の妻は見覺えのあるお
菊
(
きく
)
が
簪
(
かんざ
)
しなる
故
(
ゆゑ
)
大
(
おほい
)
に
驚
(
おどろ
)
き夫利兵衞に
斯
(
かく
)
と
告
(
つ
)
げしに利兵衞も是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私
(
わたくし
)
の
山
(
やま
)
の
修行
(
しゅぎょう
)
は
随分
(
ずいぶん
)
長
(
なが
)
くつづきましたが、やがて
又
(
また
)
この
修行場
(
しゅぎょうば
)
にも
別
(
わか
)
れを
告
(
つ
)
ぐべき
時節
(
じせつ
)
がまいりました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
憐
(
あわ
)
れであるから金を恵むというも、一円や二円の額ならその申し開きも受け取れるが、数千の金を出すにいま述ぶるがごとき申し訳けは取り上げがたいと
告
(
つ
)
げた。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
若
(
も
)
しや
哀
(
あは
)
れな勞働者は其の唄の
終
(
をは
)
らぬ
中
(
うち
)
、
惡魔
(
あくま
)
のやうな機械の
運轉
(
うんてん
)
の
渦中
(
くわちう
)
に
身躰
(
からだ
)
を
卷込
(
まきこ
)
まれて、唄の
文句
(
もんく
)
の其の
通
(
とほ
)
り、
長
(
なが
)
くもない
生涯
(
しようがい
)
の
終
(
をはり
)
を
告
(
つ
)
げたのではあるまいか。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
うむ、そんなら
貴樣
(
きさま
)
がこないだ
途中
(
とちう
)
で、
南京米
(
なんきんまい
)
をぬき
盗
(
と
)
つたのを
巡査
(
じゆんさ
)
に
告
(
つ
)
げるがいいかと
言
(
ゆ
)
ふんです
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
また彼女は彼等の思つてることでさへも見拔くことが出來て、各々の耳に世界中で一番好きな人の名を囁き、彼等が一番欲しがつてゐるものを
告
(
つ
)
げたと云ふのである。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
兎角、さればと言いて頬ひげをなでたり。これにて
高下
(
こうげ
)
の
印
(
しるし
)
あらわれたり。そのうえ兎角お城に向かいて剣をふる。いかで勝つことを得ん。これ運命の
告
(
つ
)
ぐる前表也と——。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
また或るものは神秘なる神の
告
(
つ
)
げに基づいて、しばしば迷うている男たちを
頓悟
(
とんご
)
させ啓発せしめた事跡は、記録には載らぬのを原則とするが、しかも相応に記録せられている。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「あなたが先日あの方にあげた品ですね、あれをあの方は、こんな
粗末
(
そまつ
)
なものを
貰
(
もら
)
ったって何にもなりゃしないって
蔭口
(
かげぐち
)
云
(
い
)
ってましたよ。」などと
告
(
つ
)
げる第三者があるとします。
岡本一平論:――親の前で祈祷
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
誠
(
まこと
)
に
汝
(
なんじ
)
らに
告
(
つ
)
ぐ、なんじらイスラエルの
町々
(
まちまち
)
を
巡
(
めぐ
)
り
尽
(
つく
)
さぬうちに
人
(
ひと
)
の
子
(
こ
)
は
来
(
きた
)
るべし。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
彼女は原っぱの
界
(
さかい
)
の木戸を押し
開
(
あ
)
ける。そして、
告
(
つ
)
げ
口
(
ぐち
)
をしたエルネスチイヌを従えて、はいって来た。
生籬
(
いけがき
)
のそばを通る時、彼女は
茨
(
いばら
)
の枝をへし折り、
棘
(
とげ
)
だけ残して葉をもぎ取った。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
或日、
老僕
(
ろうぼく
)
、先生の家に至りしに、二三の
来客
(
らいかく
)
ありて、
座敷
(
ざしき
)
の真中に
摺鉢
(
すりばち
)
に
鰯
(
いわし
)
のぬたを
盛
(
も
)
り、
側
(
かたわ
)
らに
貧乏徳利
(
びんぼうとくり
)
二ツ三ツありたりとて、
大
(
おおい
)
にその
真率
(
しんそつ
)
に驚き、帰りて
家人
(
かじん
)
に
告
(
つ
)
げたることあり。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
みんなは、悪漢どもが島に
滞在
(
たいざい
)
していることを知らないのだ。
凶悪無残
(
きょうあくむざん
)
な
海蛇
(
うみへび
)
ら! かれらはどんな
惨虐
(
さんぎゃく
)
な行為を一同の上に加えるだろう、早く
告
(
つ
)
げなければならない、どうあっても死なれない。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
剰
(
あまつ
)
さえ人夫らの
中
(
うち
)
に、寒気と風雨とに恐れ、ために物議を生じて、四面
朦朧
(
もうろう
)
咫尺
(
しせき
)
を
弁
(
べん
)
ぜざるに乗じて、
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか下山せしものありたるため、翌日落成すべき建築もなお
竣工
(
しゅんこう
)
を
告
(
つ
)
ぐる
能
(
あた
)
わざる
等
(
とう
)
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
既
(
も
)
う
大丈夫
(
だいじやうぶ
)
だといふ
所
(
ところ
)
で、
望生
(
ぼうせい
)
に一
體
(
たい
)
如何
(
どう
)
したのかと
問
(
と
)
うて
見
(
み
)
ると、
草刈
(
くさかり
)
の
中
(
なが
)
に、
子供
(
こども
)
が
居
(
ゐ
)
て、
去年
(
きよねん
)
の
暮
(
くれ
)
、
此處
(
こゝ
)
へ
大穴
(
おほあな
)
を
開
(
あ
)
けたのは、
此人達
(
このひとたち
)
だと
告
(
つ
)
げた
爲
(
ため
)
に、いくらお
前達
(
まへたち
)
が
猫
(
ねこ
)
を
冠
(
かぶ
)
つても
駄目
(
だめ
)
だと
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
さう
云
(
い
)
ふやうに
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
ると、
我國
(
わがくに
)
の
經濟界
(
けいざいかい
)
の
基礎
(
きそ
)
は
堅固
(
けんご
)
のものに
非
(
あ
)
らずして
早晩
(
さうばん
)
變動
(
へんどう
)
すべき
状態
(
じやうたい
)
のものであつたので、
恰
(
あたか
)
も
或
(
あ
)
る
人
(
ひと
)
が
自分
(
じぶん
)
の
收入
(
しうにふ
)
では
生計費
(
せいけいひ
)
に
不足
(
ふそく
)
を
告
(
つ
)
ぐるを
以
(
もつ
)
て
毎月
(
まいつき
)
借入金
(
かりいれきん
)
をして
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
死を
告
(
つ
)
げ知らすせはしさに、響は
絶
(
た
)
えず
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
姫ありとしも
告
(
つ
)
げざりし。
騎士と姫
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
夕
(
ゆふ
)
告
(
つ
)
げわたる鐘の音に
北村透谷詩集
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
村
(
むら
)
の
人
(
ひと
)
は、べつに、たたるものもないが、おばあさんが
死
(
し
)
んだけれど、だれも、
墓
(
はか
)
を
建
(
た
)
ててやるものがないということを
告
(
つ
)
げました。
おばあさんと黒ねこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
即
(
すなは
)
ち
明治二十七年
(
めいじにじゆうしちねん
)
六月二十日
(
ろくがつはつか
)
の
東京地震
(
とうきようぢしん
)
は
最初
(
さいしよ
)
から
十五秒間
(
じゆうごびようかん
)
で
著
(
いちじる
)
しい
震動
(
しんどう
)
は
終
(
をは
)
りを
告
(
つ
)
げ、
大正十四年
(
たいしようじゆうよねん
)
の
但馬地震
(
たじまぢしん
)
は
二十秒間
(
にじゆうびようかん
)
で
全部
(
ぜんぶ
)
殆
(
ほと
)
んど
收
(
をさ
)
まり
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
少なくともわたしにはそう
想像
(
そうぞう
)
されたから、もはやわたしの
素性
(
すじょう
)
を
告
(
つ
)
げたり、バルブレンのおっかあに手紙をやったりされるおそれがなくなった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
社の内から走りだしてきた
巫女
(
みこ
)
の少女が、かれの姿をみるとこう
告
(
つ
)
げた。だが、宮内はゆううつな顔をうつむけたまま
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
告
(
つ
)
げ
人
(
びと
)
を帰したお政は、いささか気もおちついたものの、おちついた
思慮
(
しりょ
)
が働くと、さらに
別種
(
べっしゅ
)
の
波瀾
(
はらん
)
が胸にわく。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「
斯
(
か
)
うなると
少
(
すこ
)
し
遣場
(
やりば
)
に
困
(
こま
)
るのね」と
訴
(
うつた
)
へる
樣
(
やう
)
に
宗助
(
そうすけ
)
に
告
(
つ
)
げた。
實際
(
じつさい
)
此所
(
こゝ
)
を
取
(
と
)
り
上
(
あ
)
げられては、
御米
(
およね
)
の
御化粧
(
おつくり
)
をする
場所
(
ばしよ
)
が
無
(
な
)
くなつて
仕舞
(
しま
)
ふのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此
(
この
)
談話
(
だんわ
)
が
叔
(
をは
)
ると、
私
(
わたくし
)
は
大佐
(
たいさ
)
に
別
(
わかれ
)
を
告
(
つ
)
げ、
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
に
送
(
おく
)
られて、
前
(
まへ
)
の
不思議
(
ふしぎ
)
なる
道
(
みち
)
を
※
(
す
)
ぎて、
秘密造船所
(
ひみつぞうせんじよ
)
の
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
且
(
かつ
)
性來
(
せいらい
)
記憶力
(
きおくりよく
)
に
乏
(
とぼ
)
しき
余
(
よ
)
は、
此等
(
これら
)
の
病症
(
びやうしやう
)
の
爲
(
ため
)
に
益
(
ます/\
)
其
(
その
)
※退
(
げんたい
)
するを
感
(
かん
)
じ、
治療法
(
ちれうはふ
)
に
苦心
(
くしん
)
せる
時
(
とき
)
、
偶
(
たま/\
)
冷水浴
(
れいすゐよく
)
を
爲
(
な
)
して
神
(
かみ
)
に
祷願
(
たうぐわん
)
せば
必
(
かなら
)
ず
功驗
(
こうけん
)
ある
可
(
べ
)
しと
告
(
つ
)
ぐる
人
(
ひと
)
あり。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
かくて
餘物
(
よぶつ
)
を
覩
(
み
)
るや。
皆
(
みな
)
丘山
(
きうざん
)
もたゞならず、
乃
(
すなは
)
ち
自
(
みづか
)
ら
射
(
い
)
る。
射
(
い
)
るに
從
(
したが
)
うて、
𥶡
(
りん
)
盡
(
こと/″\
)
く
蟲
(
むし
)
の
心
(
むなもと
)
を
貫
(
つらぬ
)
く。
以
(
もつ
)
て
飛衞
(
ひゑい
)
に
告
(
つ
)
ぐ。
先生
(
せんせい
)
、
高踏
(
かうたふ
)
して
手
(
て
)
を
取
(
と
)
つて
曰
(
いは
)
く、
汝得之矣
(
なんぢこれをえたり
)
。
術三則
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
告
常用漢字
小5
部首:⼝
7画
“告”を含む語句
密告
報告
告別
広告
告白
忠告
名告
宣告
御告
告口
布告
警告
告訴
告知
告文
諭告
勧告
誣告
春告鳥
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