)” の例文
つひには溜息ためいききてその目を閉づれば、片寝にめるおもて内向うちむけて、すその寒さをわびしげに身動みうごきしたりしが、なほ底止無そこひなき思のふちは彼を沈めてのがさざるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
妻の喜はあふるるばかりなるに引易ひきかへて、遊佐は青息あをいききて思案にれたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
宮はその人ののがれ去りしこそたのみの綱は切られしなれと、はや留るべき望も無く、まして立帰るべき力は有らで、罪のむくいは悲くも何時まではかなきこの身ならんと、打俯うちふし、打仰ぎて、太息ためいきくのみ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)