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呴
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つ
ふりがな文庫
“
呴
(
つ
)” の例文
竟
(
つひ
)
には
溜息
(
ためいき
)
呴
(
つ
)
きてその目を閉づれば、片寝に
倦
(
う
)
める
面
(
おもて
)
を
内向
(
うちむ
)
けて、
裾
(
すそ
)
の寒さを
佗
(
わび
)
しげに
身動
(
みうごき
)
したりしが、
猶
(
なほ
)
も
底止無
(
そこひな
)
き思の
淵
(
ふち
)
は彼を沈めて
逭
(
のが
)
さざるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
妻の喜は
溢
(
あふ
)
るるばかりなるに
引易
(
ひきか
)
へて、遊佐は
青息
(
あをいき
)
呴
(
つ
)
きて思案に
昏
(
く
)
れたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
宮はその人の
遁
(
のが
)
れ去りしこそ
頼
(
たのみ
)
の綱は切られしなれと、はや留るべき望も無く、まして立帰るべき力は有らで、罪の
報
(
むくい
)
は悲くも何時まで
儚
(
はかな
)
きこの身ならんと、
打俯
(
うちふ
)
し、打仰ぎて、
太息
(
ためいき
)
呴
(
つ
)
くのみ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
呴
部首:⼝
8画