)” の例文
「それは三年ばかり、以前に、私が南洋から持って帰ったもので、今は馴れていますが非常な猛鳥で、怒ると犬やこうしぐらいはき殺します」
幽霊屋敷の殺人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
垣根の傍に花をんでいた鶏は、この物音に驚いて舞起つもあれば、鳴いて垣根の下をもぐるもあり、手桶の水は葱畠ねぎばたけの方へ流れて行きました。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
半月も過ぎて秋も深まり、百舌鳥もずの鋭いき声が庭園を横切るかと思えば、裏の山の実をいばむ渡り鳥が群れ啼いて空を渡り、時雨しぐれる日が多かった。
(新字新仮名) / 富田常雄(著)
雀来よ、雀来よ来よ、いとせめてめよこの米、ひもじくばふふめこの米、みましらが饑ゑずしあらば、うまからば、うれしくかはゆく鳴くならば、白玉あはれ。
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
真実まつたくでございますよ、お坊さんの癖に、こんな物までつくなんて、お上人様方のお若い時分には、ほんとに不味まづい物ばかし召食めしあがつてたぢやありませんか。」
機嫌のよしあしは籠のそばに寄って行くと、籠のはりがねをついたり咥えたりして騒ぐ、そんな時は甘いようなくすぐったいような顔附をしている。鳥でもこれほどに狎れるものかと思う。
人真似鳥 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
いとよきさちのみはやくみ去る時
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
追ふものが無ければ鶏も遠慮なく、垣根の傍に花をむもあり、鳴くもあり、座敷の畳に上つて遊ぶのもあつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
雀来よ、雀来よ来よ、いとせめてめよこの米、ひもじくばふふめこの米、みましらが饑ゑずしあらば、うまからば、うれしくかはゆく鳴くならば、白玉あはれ。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
博士がひとりで二万両の金のありかを探して自分の物にしようとしたので、弟の理学士がいかりのあまり、飼い馴らしていた南洋鸚哥いんこはしに毒を塗って、兄をつかせて殺したのである。
幽霊屋敷の殺人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
香もなき枇杷の花を
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
簑蟲みて飛びてゆく
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
む粟の薄日うすびあはれとほうやれと追ふ鳥すらや眼には見なくに
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
白玉か米の粒かと見つるらむ雀声立ててむは寒霰かんあられ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
常にまれて生れ得ぬ種の、嬰児あかごの、なげく音。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ゑて毛虫けむし嗟歎なげかひのほろほろてうよ。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ひとり
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)