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竭
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つ
ふりがな文庫
“
竭
(
つ
)” の例文
甲州街道は大部分
繃帯
(
ほうたい
)
した都落ちの人々でさながら縁日のようでした。途中で
根
(
こん
)
竭
(
つ
)
きて首を
縊
(
くく
)
ったり、倒れて死んだ者もあります。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
いずれはさりともと思うてまた河を廻りて西に着くほどに、河の中にて力
竭
(
つ
)
きて空しく流れ
失
(
う
)
せぬ、心多き物は今生後生ともに叶わぬなり
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「国歌の人を鼓舞して忠誠を貫かしめ人を
劇奨
(
げきしょう
)
して
孝貞
(
こうてい
)
を
竭
(
つ
)
くさしめ」云々「
豈
(
あに
)
翅
(
ただ
)
に花を賞し月を
愛
(
め
)
で春霞に
思
(
おもい
)
を
遣
(
や
)
り風鳥に心を傾くる」
人々に答ふ
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
ネチネチとトロ火で
油煎
(
あぶらいり
)
されるように痛めつけられたら精も根も
竭
(
つ
)
きて
節々
(
ふしぶし
)
までグタグタになってしまうと、恐れを成さずにはいられまい。
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
さうして
刺
(
とげ
)
の
生
(
は
)
えた
野茨
(
のばら
)
さへ
白
(
しろ
)
い
衣
(
ころも
)
を
飾
(
かざ
)
つて
快
(
こゝろ
)
よいひた/\と
抱
(
だ
)
き
合
(
あふ
)
ては
互
(
たがひ
)
に
首肯
(
うなづ
)
きながら
竭
(
つ
)
きない
思
(
おもひ
)
を
私語
(
さゝや
)
いて
居
(
ゐ
)
るのに
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
「水は海に
竭
(
つ
)
き、河は
涸
(
か
)
れて乾く」とは砂漠地にて常に目撃する現象である(海とは真の海ではない、池の如くすべて水の
溜
(
たま
)
れる処をいうのである)
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
で、私の臆病には自分ながら
愛想
(
あいそ
)
の
竭
(
つ
)
きる位で、倫敦へ帰った
後
(
のち
)
も、例の貴婦人の怖い顔が明けても暮れても
我眼
(
わがめ
)
に
彷彿
(
ちらつ
)
いて、滅多に忘れる
暇
(
ひま
)
がない。
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
吾れ一たびはこの矛盾に泣きぬ。而してやがて「世にある限り
爾
(
なんぢ
)
が最善を
竭
(
つ
)
くすべし、神を見たるもの竟に死なず」
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
丈夫見る所有り、意を決してこれを為す、富岳崩るといえども、刀水
竭
(
つ
)
くといえども、また
誰
(
たれ
)
かこれを
移易
(
いえき
)
せんや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
悉くを調べたわけでないから、老師読書の範囲を
竭
(
つ
)
くすことは固より出来ぬが、克明に覚書きせられてあるのを見ると、師の心懸けを仰ぐことが出来る。
洪川禅師のことども
(新字新仮名)
/
鈴木大拙
(著)
五百らは路用の金が
竭
(
つ
)
きた。江戸を発する時、多く金を携えて行くのは危険だといって、金銭を
長持
(
ながもち
)
五十
荷
(
か
)
余りの底に
布
(
し
)
かせて
舟廻
(
ふなまわ
)
しにしたからである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
(三六)
亢
(
かう
)
を
批
(
う
)
ち
虚
(
きよ
)
を
擣
(
つ
)
き、
(三七)
形
(
かたち
)
格
(
そむ
)
き
勢
(
いきほひ
)
禁
(
きん
)
ずれば、
則
(
すなは
)
ち
自
(
おのづか
)
ら
爲
(
た
)
めに
解
(
と
)
けん
耳
(
のみ
)
。
今
(
いま
)
梁
(
りやう
)
・
趙
(
てう
)
・
相攻
(
あひせ
)
む。
輕兵
(
けいへい
)
鋭卒
(
えいそつ
)
、
必
(
かなら
)
ず
外
(
そと
)
に
竭
(
つ
)
き、
(三八)
老弱
(
らうじやく
)
内
(
うち
)
に
罷
(
つか
)
れん。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
それから最後のこの大声! 一体十字架の刑を受けて死ぬる者は、長時間の苦痛の後だんだんと体力が弱り
竭
(
つ
)
き、しまいには声も出ないようになって死ぬる。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
余藩老成瀬正肥ニイツテ曰クコノ任ニ
堪
(
たゆ
)
ル者ハワガ客樹堂ナリト。正肥コレヲ然リトナス。君乃チ命ヲ奉ジテ単身東ニ赴キ周旋力ヲ
竭
(
つ
)
クス。居ルコト五十余日。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
... 正月そうそうお金さんもとんだ目に
逢
(
あ
)
いなすったね」胃吉「マア何にしろ今日はお互に遊びたいものだ。私たちだって
稀
(
たま
)
に休息もしなければ根気が
竭
(
つ
)
きていよいよ働けない。 ...
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
忘れても世の中に、
血属
(
ちすじ
)
は一人の父にさへ、離れたる身の、宿業を謹みて、春衛殿に、愛想
竭
(
つ
)
かさるるな。我をいづこと、求めむ心の出でなむには、それだけ多くを、良人に尽くせ。
移民学園
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
「
私
(
わし
)
がいたために、病人ができる、借金はできる、長い間苦しんだが、やっと、その数が
竭
(
つ
)
きて私は他へ移ることになったから、これから、お前さんの主人の運も開けて、借金も返される」
貧乏神物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そこで吾輩も殆んど筆を
投
(
とう
)
ぜざるを得なくなった。刀折れ、矢
竭
(
つ
)
きた形だね。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
宮は
猶脱
(
なほのが
)
るるほどに、帯は
忽
(
たちま
)
ち
颯
(
さ
)
と
釈
(
と
)
けて
脚
(
あし
)
に
絡
(
まと
)
ふを、右に左に
踢払
(
けはら
)
ひつつ、
跌
(
つまづ
)
きては進み、行きては
踉
(
よろめ
)
き、彼もはや力は
竭
(
つ
)
きたりと見えながら、
如何
(
いか
)
に
為
(
せ
)
ん、
其処
(
そこ
)
に伏して
復
(
また
)
起きざる時
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
風波に
掀翻
(
きんぽん
)
せらるる汽船の、やがて
千尋
(
ちひろ
)
の底に
汨没
(
こつぼつ
)
せんずる危急に際して、蒸気機関はなお
漾
(
よう
)
々たる穏波を
截
(
き
)
ると異ならざる精神をもって、その職を
竭
(
つ
)
くすがごとく、
従容
(
しょうよう
)
として手綱を操り
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
血の気の
竭
(
つ
)
きかけた兄に特有なひすばった長い顔も出たり
引込
(
ひっこ
)
んだりした。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
水源
竭
(
つ
)
きて
進行
(
しんこう
)
漸やく
容易
(
やうゐ
)
となる、六千四百呎の高に
達
(
たつ
)
すれば前日来
経過
(
けいくわ
)
し来れる所、
歴々
(
れき/\
)
眼眸
(
がんばう
)
に
入
(
い
)
り、利根河の
流域
(
りうえき
)
に属する藤原村の深山幽谷、
丸
(
まる
)
で地図中の物となり、其山の
広袤
(
こうばう
)
水の長程
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
其
(
その
)
国の徳衰え
沢
(
たく
)
竭
(
つ
)
きて、内憂外患こも/″\
逼
(
せま
)
り、滅亡に
垂
(
なりなん
)
とする世には、崩じて
諡
(
おく
)
られざる
帝
(
みかど
)
のおわす
例
(
ためし
)
もあれど、明の
祚
(
そ
)
は
其
(
そ
)
の後
猶
(
なお
)
二百五十年も続きて、
此
(
この
)
時太祖の盛徳偉業、
炎々
(
えんえん
)
の威を揚げ
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
時に雪は一丈余、浪士らは食も
竭
(
つ
)
き、力も窮まった。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
今はもう進んで穿鑿する気力も
竭
(
つ
)
き勇気も
沮
(
はば
)
んだ。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
三蔵 (力
竭
(
つ
)
きて
上
(
あが
)
り
框
(
かまち
)
に手をかけて伏す)
沓掛時次郎 三幕十場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
と
大言
(
たいげん
)
吐
(
は
)
きし
昔
(
むかし
)
の
心
(
こゝろ
)
の
恥
(
はづ
)
かしさよ
誰
(
た
)
れが
好
(
この
)
んで
牛馬
(
ぎうば
)
の
代
(
かは
)
りに
油汗
(
あぶらあせ
)
ながし
塵埃
(
ぢんあい
)
の
中
(
なか
)
馳
(
は
)
せ
廻
(
めぐ
)
るものぞ
仕樣
(
しやう
)
模樣
(
もやう
)
の
竭
(
つ
)
きはてたればこそ
恥
(
はじ
)
も
外聞
(
ぐわいぶん
)
もなひまぜにからめて
捨
(
す
)
てた
身
(
み
)
のつまり
無念
(
むねん
)
も
殘念
(
ざんねん
)
も
饅頭笠
(
まんぢうがさ
)
のうちに
包
(
つゝ
)
みて
參
(
まゐ
)
りませうと
聲
(
こゑ
)
低
(
びく
)
に
勸
(
すゝ
)
める
心
(
こゝろ
)
いらぬとばかりもぎだうに
過
(
す
)
ぎ
行
(
ゆ
)
く
人
(
ひと
)
それはまだしもなりうるさいは
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「そんだが
娘
(
むすめ
)
も
年頃
(
としごろ
)
來
(
き
)
てんのに
遣
(
や
)
るとかとるとかしねえぢや
可哀相
(
かあいさう
)
だよなあ」
婆
(
ばあ
)
さん
等
(
ら
)
の
口
(
くち
)
はそれからそれと
竭
(
つ
)
きなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
毎
(
いつ
)
も人を食う奴は勢
竭
(
つ
)
き歯弱れる老虎で村落近く棲み野獣よりも人を捉うるを便とす、草野と沼沢に棲む事多きも林中にも住み、また古建築の
廃址
(
はいし
)
に居るを好く
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
その具
素
(
もと
)
より備わらず、術また熱せず、舟
動
(
やや
)
もすれば木葉の如く波上に廻旋して
前
(
すす
)
まず、波濤漠々として前途茫たり、
最早
(
もはや
)
力
竭
(
つ
)
き、腕脱し、如何ともする
能
(
あた
)
わざる場合に迫りしも
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
主客談笑の間、
和気陶然
(
わきとうぜん
)
として
逸興
(
いっきょう
)
更に
竭
(
つ
)
くる事なけん。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
田圃
(
たんぼ
)
が
竭
(
つ
)
きた
時
(
とき
)
村落
(
むら
)
を
過
(
す
)
ぎて
臺地
(
だいち
)
へ
出
(
で
)
た。
村落
(
むら
)
の
垣根
(
かきね
)
には
稻
(
いね
)
を
掛
(
か
)
けて
居
(
ゐ
)
る
人々
(
ひとびと
)
があつた。
道
(
みち
)
行
(
ゆ
)
く
人
(
ひと
)
を
見
(
み
)
たがる
癖
(
くせ
)
の
彼等
(
かれら
)
は
皆
(
みな
)
忙
(
いそが
)
しげな
勘次
(
かんじ
)
を
見
(
み
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
したがって尾閭禁ぜず
滄海
(
そうかい
)
竭
(
つ
)
きた
齶蠅
(
がくよう
)
連は更なり、いまだ二葉の若衆より
圊
(
かわや
)
に杖つくじいさんまでも、名を一戦の門に留めんと志す
輩
(
やから
)
、皆争うてこれを求めたので
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
お登和嬢が料理に対する才覚は
源々
(
げんげん
)
として
竭
(
つ
)
くる事なし
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
勇士サムが殺した竜は
頭髪
(
かみ
)
を地に
拽
(
ひ
)
いて山のごとく起り、両の眼
宛然
(
さながら
)
血の湖のごとく、一たび
嘷
(
ほ
)
ゆれば大地震動し、口より毒を吐く事洪水に似、飛鳥
竭
(
つ
)
き、奔獣尽き、流水より
鱷
(
がく
)
を吸い
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
一夜大蜥蜴燈の油を吸い
竭
(
つ
)
くしたちまち消失するを見、
異
(
あやし
)
んで語らずにいると、明日王曰く、われ昨夜夢に魔油を飽くまで飲んだと、嫗見しところを王に語るに王
微
(
すこ
)
しく
哂
(
わら
)
うのみとあれば
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
何人槍付けたら
鼈甲
(
べっこう
)
柄の槍を許すとか、本多平八の
蜻蜒
(
とんぼ
)
切りなど名器も多く出で、『昭代記』に加藤忠広封を奪われた時、清正伝来の槍を堂の礎にあて折って武威の
竭
(
つ
)
きたるを示したとある。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
熊沢伯継の『集義書』に、神林伐られ水
涸
(
か
)
れて神威
竭
(
つ
)
く、人心乱離して騒動絶えず、数百年して乱世中人が木を伐るひまなきゆえ、また林木成長して神威も暢るころ世は太平となる、といえり。
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
竭
漢検1級
部首:⽴
14画
“竭”を含む語句
休竭
力竭
娑竭羅
張竭忠
心竭
摩竭陀
毘首竭摩
沙竭羅竜王
竭尽
竭果
裟竭