トップ
>
接
>
つ
ふりがな文庫
“
接
(
つ
)” の例文
蛙でさえも水田に鳴き、
侶
(
とも
)
を求める時であった。梅の実の熟する時、
鵜飼
(
うかい
)
の鵜さえ
接
(
つ
)
がう時、「お手討ちの夫婦なりしを
衣更
(
ころもが
)
え」
柳営秘録かつえ蔵
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
二人が話しているうちに、百合子は
綺麗
(
きれい
)
に木皿を
空
(
から
)
にした。そうして木に竹を
接
(
つ
)
いだような調子で、二人の間に割り込んで来た。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
弾いていた仲次郎が、むりな
喧嘩
(
けんか
)
を売られたうえ、大事な右の腕をぶち折られた、骨は
接
(
つ
)
いだが撥は満足に動かねえ、岸沢を
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
もともと木に竹を
接
(
つ
)
げると思つてゐられる程の馬鹿でなければ、芸術に指導原理だのといふことを云へるものではない。
芸術論覚え書
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
お八重は身體を捻つて背中合せに腰掛けた商人體の若い男と、頭を押
接
(
つ
)
けた儘、眠つたのか眠らぬのか、
凝
(
ぢつ
)
としてゐる。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
京子は、村川の前でしみじみ
懺悔
(
ざんげ
)
をしようと思った。半分本当の懺悔をし、それにうその懺悔を
接
(
つ
)
ぎたそうと思った。
第二の接吻
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
木に竹を
接
(
つ
)
いだようにして古事記は聖書と同じだなどと言うむきがありますが、古事記に聖書をはりつければ旧いものも新しいものも共に破れてしまう。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
「枝ぶり悪き桜木は、切って
接
(
つ
)
ぎ木をいたさねば、太宰の
家
(
いえ
)
が立ちませぬ。」と、定高は
凜
(
りん
)
とした声で云い放つ。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
地方
(
いなか
)
へ行かない工夫はないの?」と忘れたように、肩に
凭
(
もた
)
れて、胸へ
縋
(
すが
)
ったお妙の手を、上へ頂くがごとくに取って、主税は思わず、唇を
指環
(
ゆびわ
)
に
接
(
つ
)
けた。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そこでそのとき上手な植木屋に命じて、その一本の親木から
接
(
つ
)
ぎ穂を採って用意せる砧木に接がせてみた。
寒桜の話
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
よく見ると
縦半分
(
たてはんぶん
)
に切断した二人の身体を半分ずつ
接
(
つ
)
ぎ合わせてあった。右がレッドで、左がヤーロ。ちっとも足並が揃わず、二本の手は激しく
抓
(
つね
)
り合っている。
一九五〇年の殺人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
政治家や
耽美
(
たんび
)
家や社会学者がそれに
接
(
つ
)
ぎ木されることは、おかしな変形だと思っていた。それでも彼は、この
頑健
(
がんけん
)
な人が他人に地位を譲ったのが理解できなかった。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
けっして竹に木を
接
(
つ
)
ぎ、木に竹を接ぐような少しも成長しない価値のない生涯ではないと思います。
後世への最大遺物
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
天の神は心配して使を
遣
(
や
)
り、薬を飲ませて生き返らせ、稲の穂は再びニラの島に持参して元の穂に
接
(
つ
)
ぎ、初穂の祭がすんで後に、改めて同じ種を
乞
(
こ
)
い受けて
来
(
こ
)
させた。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
しかし、誰との逢いびきであろう。私が一つの事実と他の事実とを
接
(
つ
)
ぎあわせたとき、あるおぼろげな観念は浮かんで来たけれども、その結論はやはりまとまらないのであった。
世界怪談名作集:09 北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
緬羊児を買いてその尾に山羊児の尾を
接
(
つ
)
いだというのがあって一層面白いという(ここ脱文ありと見え意義多少分らず)、アスクレピアデスは、牝鶏よく卵を生むと見せるため
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
踵
(
きびす
)
を
接
(
つ
)
いで、峯入りをされるのだから、目の廻るほどのいそがしさを味わうのだ。
ある偃松の独白
(新字新仮名)
/
中村清太郎
(著)
色の
隈
(
くま
)
揺り揺りひかる
接
(
つ
)
ぎ
褞袍
(
どてら
)
夜釣すらしか榜ぎのけぶかさ
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そんなにして据わっていて、
膠
(
にかわ
)
で
接
(
つ
)
ぎ合せて
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
木に竹を
接
(
つ
)
ぐ問を起す。
元日の釣
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
主人が「おい君、僕はさっきから、あの鼻について
俳体詩
(
はいたいし
)
を考えているんだがね」と木に竹を
接
(
つ
)
いだような事を云う。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「——とにかく日数のことなんか考えなさんな、折れた骨がつながるんだから、
接
(
つ
)
ぎ木をするんだっておまえさん、三十日や五十日じゃ済まないんだよ」
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
と気を、その書物に取られたか、木に竹を
接
(
つ
)
いだような事を云うと、もっての外
真面目
(
まじめ
)
に受けて
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
接
(
つ
)
いだときはどうなるのか。継ぎ目の皮には痕跡が残らないとしても、太い脚に細い脚をつければ当然そこのところが段になるではないか。そうなるとやっぱり醜くないことはないね
大脳手術
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
艫
(
とも
)
舳
(
へ
)
接
(
つ
)
ぎ、
大御船
(
おほみふね
)
、
御船出
(
みふなで
)
今ぞ。
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
その札は磨いた竹と薄い
象牙
(
ぞうげ
)
とを背中合せに
接
(
つ
)
いだもので、その象牙の方にはいろいろの模様が彫刻してあった。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「おお可哀そうに痛かったかい、まあまあお召が砂だらけだ。どこも
擦剥
(
すりむ
)
きはしなかったの。え、
掌
(
てのひら
)
を、どれお見せ、ほんとにねえ。」と何を持ちしか
汚穢
(
むさ
)
き手に、
温
(
あたた
)
き口を
接
(
つ
)
けて
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この柿色の風船のように、半端な色花びらを
接
(
つ
)
ぎ
合
(
あ
)
わせたものは
外
(
ほか
)
にない筈だ。
柿色の紙風船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
すぐ医者にもみせ、骨
接
(
つ
)
ぎにもかよわせて、いちおう治ったようにみえたのに、四十日ばかり経つと太腿の折れた部分が
膿
(
う
)
みだし、それがみるまに
脱疽
(
だっそ
)
というものになって、死んでしまったのである。
追いついた夢
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
艪
(
とも
)
舳
(
へ
)
接
(
つ
)
ぎ、
大御船
(
おほみふね
)
、
御船出
(
みふなで
)
今ぞ。
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
針を海綿に
蔵
(
かく
)
して、ぐっと握らしめたる後、柔らかき手に
膏薬
(
こうやく
)
を
貼
(
は
)
って
創口
(
きずぐち
)
を快よく慰めよ。出来得べくんば
唇
(
くちびる
)
を血の出る局所に
接
(
つ
)
けて他意なきを示せ。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
さあ。もちろん塔の途中からいくつかに小さく折って持ってきて、こっちで、
接
(
つ
)
ぎあわすんだろうよ。そのままじゃ、とても船にも
載
(
の
)
せられないし、陸へあげても列車にも積めないし、町を
東京要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と崩るるごとく、
片頬
(
かたほ
)
を横に
接
(
つ
)
けんとしたが、
屹
(
きっ
)
と
立退
(
たちの
)
いて、袖を合せた。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
艫
(
とも
)
舳
(
へ
)
接
(
つ
)
ぎ、
大御船
(
おほみふね
)
、
御船出
(
みふなで
)
今ぞ。
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
お延がどうしようかと迷っているうちに、お秀はまるで木に竹を
接
(
つ
)
いだように、突然話題を変化した。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
艫
(
とも
)
舳
(
へ
)
接
(
つ
)
ぎ、
大御船
(
おほみふね
)
、
御船出
(
みふなで
)
今ぞ。
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
御神さんは余を二つ
接
(
つ
)
ぎ
合
(
あわ
)
せたように肥えている。それで病気だそうだ。始めはどこのものだか分らなかったが、御神さんと知って、調子の下女と違っているのに驚いた。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
舳艫相
接
(
つ
)
ぐ九百余艘
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
もう一つ
外
(
ほか
)
の言葉で説明すると、事件が発展的に叙せられないで、読者を圧迫する程ひし/\と並んで寄せ掛るのである。
恰
(
あたか
)
も金を
接
(
つ
)
ぎ合せた様に寸分の隙間なく寄せてくる。
『煤煙』の序
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「単純でいい女だ」とあとへ、持って来て、木に竹を
接
(
つ
)
いだようにつけた。
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それにも
拘
(
かかわ
)
らず、書いてる事が
何処
(
どこ
)
となく
屠蘇
(
とそ
)
の
香
(
か
)
を帯びているのは、正月を迎える想像力が豊富なためではない。何でも
接
(
つ
)
ぎ合わせて物にしなければならない義務を心得た文学者だからである。
元日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
接
常用漢字
小5
部首:⼿
11画
“接”を含む語句
接吻
直接
密接
接待
接骨木
接近
接続
接唇
応接
応接間
接触
近接
間接
応接室
引接
骨接
接踵
連接
接觸
応接所
...