)” の例文
建續たてつゞいへは、なぞへにむかうへ遠山とほやまいて、其方此方そちこちの、には背戸せど空地あきちは、飛々とび/\たにともおもはれるのに、すゞしさは氣勢けはひもなし。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ちゝなるものは蚊柱かばしらたつてるうまやそばでぶる/\とたてがみゆるがしながら、ぱさり/\としりあたりたゝいてうままぐさあたへてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
『えゝ、つてゝよ』とあいちやんは小癪こしやくにもこたへて、『なかのやうなものがあるのは——それはみんくづですッて』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
そのにごつたおと彗星はうきぼしやうにぼうと宗助そうすけ耳朶みゝたぶにしばらくひゞいてゐた。つぎにはふたつた。はなはさみしいおとであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
身をしゞめさかしまになりて穴に入り、いれおきたるものをくらひつくし、いでんとするにのすこしいづるほどに作りまうけたる穴なれば、ふたゝびいづる事かなはず。
つてるぞ夕方ゆふがたべつしてかぜさむそのうへにかぜでもかば芳之助よしのすけたいしてもむまいぞやといふことばいておたかおそる/\かほをあげ御病氣ごびやうきといふことを
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
またその身にこけまた檜榲ひすぎ生ひ、そのたけたに八谷を度りて、その腹を見れば、悉に常に垂りただれたり
日中につちゆうならば斜面しやめん流下りゆうかする鎔岩ようがん水蒸氣すいじようきくので、これによつてそれとづかれるのみである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
たこひました。とうさんが大急おほいそぎでいとしますと、たこ左右さいうくびつたり、ながかみをヒラ/\させたりしながら、さも心持こゝろもちよささうにあがつてきました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
くれしげをほととぎすきてゆなりいまらしも 〔巻二十・四三〇五〕 大伴家持
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
それがだんだんかわつててきました。おたまじやくしになつたのです。男蛙をとこかへるはそれをみると氣狂きちがひのやうになつておこりだしました。なまづをうんだとおもつたのです。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
といふと日出雄少年ひでをせうねんたちま機嫌きげんうるはしく、いまわたくしはなした眞暗まつくらみちや、あぶなはしことについてきたさうかほげたが、此時このとき丁度ちやうど猛犬稻妻まうけんいなづまみゝつて、そのそばたので
安房から、あひだまで四里の道を、バスで行つてみる計畫をたてた。途中の橋が大分くさつてゐたし、道は田をこねかへしたやうだと聞いたが、勇氣を出して、バスで行くことにした。
屋久島紀行 (旧字旧仮名) / 林芙美子(著)
眞黒まつくろつや洋犬かめが一ぴきあごけてねそべつて、みゝれたまゝまたをすらうごかさず、廣庭ひろには仲間なかまくははつてた。そして母屋おもや入口いりくち軒陰のきかげからつばめたりはひつたりしてる。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ぎにつたほがらかなこゑくぶっぽうそう(佛法僧ぶつぽうそう)はきつゝきのるいで、かたちからすてゐますが、おほきさはその半分はんぶんもありません。羽毛うもう藍緑色あゐみどりいろで、つばさとが菫色すみれいろびてゐます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
としみづながれとひとは」とはの大高源吾が門飾かどかざりの竹を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あまりの風車かざぐるまのごとくに
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あァれはほたるか、ほし
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
はいとさくひろ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
みだ苦參くららこそ
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
やゝながめなをぴよんとねた——こいつつてやあがる。前後左右ぜんごさいう、たゞいぬはしまいかと、内々ない/\びく/\ものでことを。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「おとつゝあ、そんでもちつた確乎しつかりしてか」勘次かんじいていた。ほつといきをついたやうな容子ようす勘次かんじ衷心ちうしんからのよろこびであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そのためなかのやうなものがあるので、そのふたゝそとすことは出來できません。それだけのことです
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
をとこ塵塚ちりづかさがす黒斑くろぶちの、ありてようなきものともゆべし、此界隈このかいわいわかしゆばるゝ町並まちなみ息子むすこ生意氣なまいきざかりの十七八より五にんぐみにんぐみこししやく八の伊達だてはなけれど
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なお、「あしひきの山鳥の尾の一峰ひとを越え一目ひとめ見し児に恋ふべきものか」(同・二六九四)の如き一首ともなっている。「一峰ひとを」と続き山を越えて来た趣になっている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
いよ/\噴火ふんかはじまると菜花状さいかじよう噴煙ふんえん大小だいしよう種々しゆ/″\鎔岩ようがんまじへてばし、それが場合ばあひによつては數十町すうじつちようにもたつすることがある。このさい鎔岩ようがん水蒸氣すいじようきくことが目覺めざましい。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ぢいやがあをたけほそけづつてれますと、それにとうさんが御飯粒ごはんつぶかみりつけまして、するめのかたちのたこつくりました。みんなのするやうに、たこには矢張やはりかみながつてさげました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
稻妻いなづまといつて、櫻木大佐さくらぎたいさ秘藏ひぞういぬよしかたち犢牛こうしほど巨大おほきく、眞黒まつくろな、のキリヽと卷上まきあがつた、非常ひじやうたくましきいぬで、それがひど日出雄少年ひでをせうねんつて、始終しじゆう稻妻いなづまや/\。』と
翌日あくるひばん宗助そうすけはわがぜんうへかしらつきのうをの、さらそとをどらすさまながめた。小豆あづきいろまつためしかをりいだ。御米およねはわざ/\きよつて、坂井さかゐいへうつつた小六ころくまねいた。小六ころく
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
日本につぽんきつね日本につぽん固有こゆうのものでやまあなんでゐます。からだ二尺にしやくぐらゐでながく、からだの半分はんぶん以上いじようもあります。食物しよくもつおも野鼠のねずみですが、人家じんかちかいところではにはとりなどをかすめることもあります。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
あひだには温泉もあると聞いた。
屋久島紀行 (旧字旧仮名) / 林芙美子(著)
四方よもりたるはね
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
のないとり
お月さまいくつ (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
と、二振ふたふり三振みふり
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
心配の餘りまた御部屋住おへやずみの若旦那へ御咄し申すも如何いかゞとは存じたなれども急場きふばの事にて十方とはうに暮參りましてうにか御工風ごくふうは御座りますまいかとまことしやかにのぶるにぞ世間知らずの千太郎聞くより大いに仰天ぎやうてんし心の内は狂氣きやうきのごとく溜息ためいきつきつゝ居たりしが如何なしたらよからんとに付て長庵は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
眞正面まつしやうめんに、凹字形あふじけいおほきたてものが、眞白まつしろ大軍艦だいぐんかんのやうに朦朧もうろうとしてあらはれました。とると、あやは、なんと、ツツツときつゝ。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あしひきの山鳥やまどりしだなが長夜ながよ一人ひとりかも宿む 〔巻十一・二八〇二〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
『それならねえ』とねこつゞけてつて、『おまへは、いぬおこときにはうなり、よろこときには其尾そのをるのをたらう。ところがいまわたしよろこときうなり、おこときる。だからわたし狂人きちがひさ』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
さうしてはまたすべてのをさないものゝ特有もちまへ凝然ぢつとしてられなくて可憐かれんをひら/\とうごかしながら、ちからあまみづいきほひにぐつとられつゝおよいでる。與吉よきち鼠麹草はゝこぐさはなみづげた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
おほいさははとよりもおほきく、なつあひだはね一部いちぶをのぞくほかは、全部ぜんぶ黒褐色こつかつしよくで、ふゆになるとゆき見誤みあやまられるように白色はくしよくかはります。これは寒國かんこくうさぎふゆあひだ眞白まつしろになるのとおな保護色ほごしよくです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
『これ、稻妻いなづまおまへすぐれたるいぬだから、すべての事情じじやうがよくわかつてるだらう、よく忍耐しんぼうして、大佐たいさいへたつしてれ。』と、いふと、稻妻いなづまあだかわたくしげんごとく、凛然りんぜんとしてつた。
くて孔雀くじやくををさめ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
のあるとり
お月さまいくつ (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ためにくろさにつやした烏帽子岩えぼしいはあたまに、を、いまのいろなみにして、一すぢ御占場おうらなひばはうに、烏帽子岩えぼしいはむかつて、一すぢ
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しか今度こんどのは半分はんぶん引切ひききつてあるどうからばかりのむしぢや、切口きりくちあをみびてそれ黄色きいろしるながれてぴくぴくとうごいたわ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なかのうろたへものは、佛法僧ぶつぽふそう慈悲心鳥じひしんてうともふであらう。まつみね黒髮山くろかみやまは、われらず、この飯坂いひざかなんとりぞ。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しんならず、せんならずして、しかひと彼處かしこ蝶鳥てふとりあそぶにたり、そばがくれなる姫百合ひめゆりなぎさづたひのつばさ常夏とこなつ
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
何方どなた、)と納戸なんどはうでいつたのはをんなぢやから、南無三宝なむさんばうしろくびにはうろこへて、からだゆかつてをずる/″\といてやうと、また退すさつた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……つひむかふを、うです、……大牛おほうし一頭いつとう此方こなたけてのそりとく。図体づうたいやまあつして野原のはらにもはゞつたいほど、おぼろなかかげおほきい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……とびらあさうして、しかくらおくに、一人面蛇体にんめんじやたいかみの、からだを三うねり、ともに一ふりつるぎまとうたのが陰影いんえいつて、おもてつるぎとゝもに真青まつあをなのをときよ。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)