“長夜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちょうや55.6%
ながよ22.2%
ちやうや11.1%
ちようや5.6%
チヤウヤ5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
空は星が高く、葛野郡かどのごおりへ銀河が流れる。一二軒、長夜ちょうやの宴を張った揚屋のも見えるが、そのほかは静かな朱雀野すざくのの夜の色。
が、焼麩やきぶ小菜こなの汁でぜんが済むと、行燈あんどう片寄かたよせて、小女こおんなが、堅い、つめたい寝床を取つてしまつたので、これからの長夜ながよを、いとゞわびしい。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
とてもつもらば五尺ごしやく六尺ろくしやく雨戸あまどけられぬほどらして常闇とこやみ長夜ちやうやえんりてたしともつじた譫言たはごとたまふちろ/\にも六花りくくわ眺望ながめべつけれど
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
蒲田が一切を引受けて見事にらち開けんといふに励されて、さては一生の怨敵おんてき退散のいはひと、おのおのそぞろすすむ膝をあつめて、長夜ちようやの宴を催さんとぞひしめいたる。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
幾多の祖先精霊シヤウリヤウをとまどひさせた明治の御代のバン大納言殿は、見飽きる程見て来た。せめて、心の世界だけでなりと、知らぬ間のとてつもない出世に、苔の下の長夜チヤウヤ熟睡ウマイを驚したくないものである。
妣が国へ・常世へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)