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長夜
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ながよ
が、
焼麩と
小菜の汁で
膳が済むと、
最う
行燈を
片寄せて、
小女が、堅い、
冷い寝床を取つて
了つたので、
此からの
長夜を、いとゞ
侘しい。
そしてふたりは、月ノ宮の
御籠堂に
笈をおろしたが、
古莚につめたい
夢のむすばれぬまま、
啼くこおろぎとともに
夜もすがら
詠歌をささげて、秋の
長夜を明かしていた。
あしひきの
山鳥の
尾の
垂り
尾の
長き
長夜を
一人かも
宿む 〔巻十一・二八〇二〕 作者不詳
と
納戸へ入って、戸棚から持出した
風呂敷包が、その
錦絵で、
国貞の画が二百余枚、
虫干の時、
雛祭、秋の
長夜のおりおりごとに、
馴染の
姉様三千で、
下谷の
伊達者、
深川の
婀娜者が
沢山いる。