しり)” の例文
「おちやおあがんなせえね」おつぎは勘次かんじしりいてすこ聲高こわだかにいつた。おつたはぎりつとしぼつた手拭てぬぐひひらいてばた/\とたゝいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
英山等の華魁おいらん繪、豐國、國貞等の役者の似顏、國滿が吉原花盛の浮繪うきゑなどの卷物のしりに芳虎の『英吉利國』の畫
海郷風物記 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
彼等は皆過去の十一箇月をあだに送りて、一秒のちりの積める弐千余円の大金を何処いづくにか振落し、後悔のしりに立ちて今更に血眼ちまなこみひらき、草を分け、瓦をおこしても、その行方ゆくへを尋ねんと為るにあらざるなし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
藤吉のしりにつきながら勘弁勘次は、彦兵衛を返り見た。